TMTとは?望遠鏡編

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望遠鏡を格納するドーム

史上最大の大きさを誇るTMTは、どのようなドームに格納されるのでしょうか。まず、その大きさを、
東京駅との比較で実感してみましょう。次に、口径8.2mのすばる望遠鏡と比較してみると、
TMTのドームがその口径を考えると、とてもコンパクトな設計になっていることがわかります。
このドームは、2つの回転機構によって天体に開口部を向けることができます。

TMT 56m

東京駅 46.1m

すばる望遠鏡 43m

TMTはすばる望遠鏡に比べて口径が4倍近く大きいが、ドームはひと回り大きいサイズにとどまっている。

 
 
 
 
 

口径30mの巨大な主鏡

TMTは、すばる望遠鏡を始めとする他の大型望遠鏡と同様に、レンズではなく鏡を使って光を集めるタイプの反射望遠鏡です。口径30mの主鏡を空に向け、遠い宇宙から届くかすかな光をとらえます。主鏡で集められた光は、副鏡と第3鏡で反射され、望遠鏡の両側に配置される観測装置に送られます。
主鏡の材料とその研磨の一部、並びに望遠鏡構造の製作を日本が担当し、技術開発を進めています。

 

492枚の鏡をつなぎ合わせる

TMTの主鏡は、492枚の鏡を組み合わせることによって全体をあたかも一枚の30m鏡として機能させる、分割鏡です。表面の形状が少しずつ異なる82種類の鏡を6枚ずつ使用して全体が構成されます。それぞれの鏡は、厚さ4.5cm、対角1.44mの六角形状で、熱膨張の非常に小さいガラスでできています。そのガラスに金属膜をコートして高い反射率を実現します。

表面は非球面状に加工され、その精度は可視光の波長の数十分の1にあたる10ナノメートル。

補償光学でゆらぎを補正

地上望遠鏡を用いた天体観測の場合、宇宙の彼方から来た天体の光が望遠鏡の手前にある地球大気によって乱されてしまいます。
しかし、補償光学という技術によって、大気の影響をリアルタイムで計測して、その影響を補正することが可能になりました。TMTでは、巨大な主鏡を活かし高解像度の観測を行うため、最新の補償光学技術が取り入れられます。

補償光学の概念図

人工星の光が大気でゆらぐ様子を波面センサーで測定し、そのゆらぎを打ち消すように可変形鏡の表面を変形させる。これにより、同じ観測領域を通る「天体からの光」も補正される。

強力なレーザーを発射し、上空90km付近のナトリウム層を光らせて人工的な星を作り出す。

開発が進む初期観測装置

TMTは、望遠鏡の完成後に、まず3つの観測装置が稼働する予定です。
これらに続き、多彩な観測を実現するための装置が順次製作される予定です。

IRIS 近赤外撮像分光装置

波長0.84ミクロン〜2.4ミクロンまでの近赤外線を用いて撮像観測と分光観測を行う観測装置。補償光学装置とともに用いることにより、10ミリ秒角という史上最高の解像度を達成します。1億分の1度の角度を検出する撮像観測と、二次元画像のそれぞれの場所を分光できる面分光観測が可能です。

期待されるミッション
・最遠方の銀河の分光観測による初代星・初代銀河の探査
・超巨大ブラックホールと銀河進化の関連の解明・太陽系外惑星の撮像・分光観測

WFOS 広視野可視撮像分光器

可視光で、比較的広い視野について観測を行う装置。最大で100以上の天体を一度に分光観測することができます。天体数を20〜40個に絞れば、波長分解能の高い分光観測も可能です。日本もカメラ系の製作に協力しています。

期待されるミッション
・多数の銀河の分光観測による宇宙の大規模構造形成や宇宙再電離の解明
・銀河系周辺の星の分光観測による星形成の歴史の解明

IRMS 近赤外多天体分光器

波長としてはIRISとほぼ同じ近赤外線をカバーする分光器ですが、IRISより広い視野内で最大で46天体を一度に分光観測することができます。補償光学装置と組み合わせることで、効率的な分光観測を行うことができます。

期待されるミッション
・非常に遠方の銀河や超巨大ブラックホールの候補天体の多数分光観測

インタビュー:望遠鏡篇

より速く、より正確に。2300トンの巨大望遠鏡を動かす日本の技術。
本音が衝突する国際プロジェクトの醍醐味。10代、20代の若者へのメッセージ。

 
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