TMTにおける教育・人材育成・広報普及~国際チームの会合が東京で開催される
TMT計画を通じて得られる研究成果や技術をどのように社会に還元し、教育や人材育成の面で貢献していくのか ~ 昨年から、TMTの参加メンバー国から関係者が集まり、教育や人材育成、広報普及活動の検討を行う会合がスタートしています(2013年9月のブログ記事参照)。
その後、毎月1回、電話会議で会合を重ねてきていますが、10月17-19日に、東京において顔を合わせた会合が開催されました。参加者は大学や科学館等で教育や普及活動に熱心に取り組んでいる人たちで、今回直接足を運んできたのは米国からの10人でした(カナダ、中国、インドからは電話等で参加)。日本からはTMT推進室の青木と石井が参加しました。
検討しているのは、TMT計画のなかでどのように教育や人材育成に取り組むのか、各国の活動とどう連携していくのか、というプランづくりです。今回はその前提として、TMTはどのような意義や独自性をもっているのか、という議論に時間をかけまし た。TMTはすばる望遠鏡のような口径8-10mの望遠鏡の次の世代となる超大型望遠鏡で、最先端の研究成果が期待されるのはもちろんです。しかしそれだけでなく、望遠鏡のための新しい技術を要する点、運用を入れると50年にもわたる国際プロジェクトで、それを担うような人材を育成するという点なども、 TMTの意義として重要という議論がありました。
会合のなかでは、ハワイや日本におけるアウトリーチ活動や、高校生のすばる望遠鏡を含むハワイ研修にとりくんだ経験者をお呼びし、報告をいただきました。また、視察としても、国立天文台三鷹キャンパスの4D2U等を見てもらったほか、六本木天文クラブのソムリエ養成講座や星空観察会、日本科学未来館を訪れ、実際の活動を目にしてもらいました。日本科学未来館ではスタッフと1時間ほど懇談させていただいたのに加え、TMTについてのミニトークを、TMT国際天文台の広報担当が行う機会をいただきました。
研究者は日常的に国際的に活動していますが、教育や普及活動の交流は今後まだまだ発展していくものと思われます。日本の施設や活動は、参加者にも新鮮だったようで、訪問先では活発な質疑や意見交換がありました。