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望遠鏡本体関連の基本設計審査に合格

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日本が担当している望遠鏡本体に付随する機能の基本設計に対する国際審査会が、2014年の4月と11月に日本国内で行われました。

2014年4月15日-16日には、望遠鏡本体制御系の基本設計審査会が実施されました。TMT計画では、すばる望遠鏡より重量で約4倍、高さで約2倍もの大きさの望遠鏡を、すばる望遠鏡以上の精度で追尾させることが求められています。また、効率的に観測を行うために、5分以内に次の天体の観測を開始するという科学運用上の要求もあります。そのため、例えば、方位角の駆動速度は、すばる望遠鏡では秒速0.55度角なのに対して、TMTでは秒速2.5度角とされており、4倍の重量の構造物を約5倍の早さで正確に動かす必要があります(図1、図2)。

基本設計審査では、約700ページの英文による設計・検討報告書を審査委員会に提出し、その結果、審査員からは99件の指摘や質問が出されました。それら の指摘・質問事項全てについて回答書と追加説明資料を作成したのち、審査会当日の発表を行い、審査に合格することができました。

望遠鏡全体図

図1:望遠鏡全体図。日本が設計と製作を行う望遠鏡本体構造は、図で主鏡、副鏡、第3鏡と観測装置を除いた部分をさします。望遠鏡は矢印で示されているように高さ方向と水平方向の回転によって目的の天体を捉えます。赤い矢印で示されている水平方向の回転速度は、秒速2.5度角 ~ つまり、72秒で望遠鏡を北から南に向けることができます。

図2:TMT(左)とすばる望遠鏡(右)の大きさ比べ。望遠鏡本体の高さは、TMTでは51m、すばる望遠鏡では22m、重量はTMTでは2300トン、すばる望遠鏡では560トンです。

図2:TMT(左)とすばる望遠鏡(右)の大きさ比べ。望遠鏡本体の高さは、TMTでは51m、すばる望遠鏡では22m、重量はTMTでは2300トン、すばる望遠鏡では560トンです。

2014年11月18日-20日には、主鏡・分割鏡を交換する機構(分割鏡交換装置)の基本設計審査会が行われました。TMTの主鏡は492枚の分割鏡で構成されていますが、鏡の反射率を最高の状態に維持するため、定常運用では1日に10枚の分割鏡を再メッキされた予備の鏡と交換することが要求されています。そのためには、安全かつ迅速に鏡を交換するシステムを設計しなければいけません。

日本が開発する分割鏡交換装置は、正確な位置を自動的に認識し、鏡の場所まで移動して柔軟に交換動作を行うロボットの機能をもつ装置です(図3)。現在、 プロトタイプが製作され、ダミーの分割鏡を用いて基本的な試験が行われています。基本設計審査は、外部審査員からも高い評価をいただいて、無事に合格し、 次の詳細設計段階に移行しました。

SHS

図3:分割鏡交換装置。主鏡上を時計の針のように回転するブリッジの下側に分割鏡を保持する機構がついています。交換された鏡は観測床まで運ばれ支援棟で再メッキされます。TMTの再メッキ運用プランについては、国立天文台ニュース2015年1月号をご覧下さい。

 

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