TMT建設現地工事の進捗と背景について
3月末より、マウナケア山頂域のTMTの建設地での工事が本格的に始まりましたが、これにあたり建設に抗議する活動がありました。これについて、背景と状況の概略をご説明いたします。
TMTは、マウナケア山頂域の科学保護地区の13Northという地域に建設されます。科学保護地区全体はハワイ大学が1968年よりハワイ州から借りうけ、管理を行っており、TMT国際天文台は、TMTを13Northに建設するため、ハワイ大学と転貸借協定を結んでいます。
ハワイ州(土地天然資源局)からのTMT建設に関する法的な手続きは昨年までにすべて整い、建設許可が得られています。これに到るまでに、7年にわたる公的な手続きと、20回以上のヒアリングなどの対話・協議が積み重ねられてきました。その過程では、環境への影響の専門家の評価も行われ、報告書が提出・承認されています。抗議の中では水源に対する懸念があげられていますが、TMT建設・運用が、マウナケア山の帯水層および飲料水の汚染を起こすものではないことも報告されています。TMT建設については、ハワイ州知事、ハワイ郡長を始め、ハワイ州内の多くの協会や地域社会グループからの支持を得ています。
一部の報道で、「4月7日(ハワイ現地時間)、David Ige ハワイ州知事は、TMT国際天文台の同意を得て、TMT建設作業を1週間、一時停止する旨の発表を行った」と報じられていますが、TMT国際天文台は、4 月6日の週にハワイ島で開催される大イベント メリー・モナーク祭が予定されていることに配慮し、既に4月2日の時点で、この週の建設作業の休止を決めておりました。
TMT国際天文台は、望遠鏡建設にあたり、ハワイ大学を始め現地の関係機関と協力しながら、今後も地元関係者と対話を続けていきます。
詳しくはTMT国際天文台のウェブサイト(英語)をご覧ください。
http://tmt.org/news-center/thirty-meter-telescope-update-and-background
http://www.maunakeaandtmt.org/