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代替建設地(ラパルマ)での土地利用許可について

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スペイン カナリア諸島ラパルマは、ハワイ・マウナケアでTMT建設ができない場合に備えて、2016年に代替建設地としてTMT国際天文台(TIO)評議員会で承認されました。

TIOは、ラパルマの自治体とホスト研究機関であるカナリア天体物理研究所(IAC)と協議した上で、法に則って手続きを進めてきており、2019年に自治体からIACに対してTMT建設のための土地利用許可が認められています。

国内で一部報道がありましたが、2021年7月末に、スペイン・カナリア州の行政裁判所は、環境保護団体からの訴えの一部(自治体はIACではなく、TIOに土地利用許可を与えるべきであったという点)を認めて、土地利用許可の無効判断を行いました。訴訟には環境保護上の問題も含まれていましたが、今回の裁判所の判決はそれへの判断は示さず、土地利用許可の手続き上の瑕疵を認めたものです。TIOは、地元自治体やIACと対応を協議しており、控訴する方向で検討を行っています。控訴を通じて土地利用許可を有効に戻し、代替建設地として有効な状態にすることを目指しています。また、代替建設地であるラパルマで工事作業を実施する予定は当面ありません。

カナリア州の自治体やスペイン政府は、環境影響評価に加えて、経済効果、教育普及効果も評価した上で、TMTの誘致に積極的であり、地元の世論調査でもTMT建設への高い支持が示されています。TIOとしては、環境保護団体からの訴訟については今後も注意を払い、地元自治体、IACと協力して対応していく考えですが、現時点で代替建設地としてのラパルマの位置づけを変更することはありません。

TMTの建設予定地はハワイ・マウナケアであり、TIOおよびTMT参加機関は、マウナケアでのTMT建設を目指して一致して取り組んでいます。TIOは地元コミュニティとの信頼関係の改善に向けて、地道な対話を行っており、国立天文台としてもTIOのハワイでの取組みを引き続き支援します。

(追記)
その後、TIOが自治体等とともに上訴した結果、2022年9月23日にカナリア州上級裁で判決があり、許可の有効性が認められました。

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