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望遠鏡本体の詳細設計審査会(第3弾)が終了

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2016年12月に、望遠鏡本体の詳細設計に対する国際審査会(第3弾)が行われ、審査員から高い評価を得て無事終了しました。今後、望遠鏡本体の開発フェーズは詳細設計段階から製造準備段階へと移行していきます。

国際審査会(第3弾)は、2016年12月7日から9日に、尼崎市の三菱電機株式会社(MELCO)で行われ、国立天文台、MELCO、TMT国際天文台などから合計42名が参加しました。そのうち審査員は11名。ウォルト・ディズニー社とKeck望遠鏡の技術者も外部委員として審査を行いました。

国際審査会(第3弾)は、2016年12月7日から9日に、尼崎市の三菱電機株式会社(MELCO)で行われ、国立天文台、MELCO、TMT国際天文台などから合計42名が参加しました。そのうち審査員は11名。ウォルト・ディズニー社とKeck望遠鏡の技術者も外部委員として審査を行いました。

望遠鏡本体は、主鏡や観測装置などを搭載し、目的の天体に素早く正確に向ける役割を持ちます。日本は、望遠鏡本体とそれに付帯する設備(分割鏡交換機構など)の設計と製作を担当し、2014年に基本設計審査を合格した後は、詳細設計を進めています(2015年2月の記事参照)。

詳細設計の審査は、望遠鏡本体の(1)機械構造と安全面、(2)駆動制御系とそのソフトウェア、(3)付帯設備の3部に分けられて、国際審査会(第1弾~第3弾)が行われました。その第一弾(機械構造)と第二弾(駆動制御系)の審査会はそれぞれ、2015年2月と2015年7月(および2016年2月)に行われました。基本設計からの進展内容とその過程で生じた課題の解決が、TMT国際天文台のエンジニアや外部の専門家からなる委員によって審査されました。

今回の国際審査会(第3弾)では、付帯設備として、分割鏡交換機構、高所作業装置、エレベーターが対象になり、安全面も含めて、高い実現性と信頼性が達成されているか審査されました。分割鏡交換機構は、TMTの492枚の分割鏡を再メッキされた予備の鏡に交換するための装置です(2015年2月2016年10月の記事参照)。詳細設計では、試作機を製作し、分割鏡交換作業を模擬するなどの検証も行われてきました。高所作業装置は、副鏡と第3鏡の取付・取り外しや清掃・保守を行うための作業用リフトで、安全への信頼性を保つために、日本の消防車で実績のある設計を取り入れています。エレベーターは望遠鏡後部に設置され、1階から6階にある様々な設備(制御システム、観測装置、分割鏡交換機構など)への経路となります。望遠鏡本体と同様にこれらの付帯設備も大地震に耐えるように設計が行われ、エレベーターの支柱にも免震機構が備えられています。

高所作業装置(左)とエレベーター(右)

審査会から約一ヶ月後の1月13日に審査委員会からの正式な報告書が提出され、分割鏡交換機構、高所作業装置、エレベーターの詳細設計が、次の製造準備段階に進むのに十分なレベルに達していると認められました。今後、国立天文台の望遠鏡開発チームは、これまでの審査会で残された課題について技術検討を進め、製造に向けた準備を進めることになります。

TMT推進室の杉本正宏 准教授は、「今回の審査会は詳細設計を締めくくる重要なマイルストーンであり、望遠鏡本体の開発にとって重要な節目となりました。引き続き、国立天文台/MELCO/TMT国際天文台と3者間で緊密な連携をとりながら開発を進めていきたいと思います」と話しています。

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