すばる望遠鏡とTMTを連携させた独自の科学戦略を立てることで、日本が天文学・宇宙物理学の研究で世界最先端の成果を出すことが期待されます。これまでにも、2011年のTMTサイエンス検討会や2016年の光赤外線天文学連絡会の将来計画検討などで、コミュニティとして議論を進めてきましたが、今後の観測的天文学の世界的な潮流を踏まえつつ、すばる独自の機能をいかした科学的戦略や、日本のコミュニティがTMTで最先端の成果をあげるために優先する機能、とりわけ、すばるとTMTの効果的な連携のありかたを検討し、サイエンスブックとしてとりまとめました。
刊行にあたっては、編集委員、80人を超える執筆者をはじめ、多くの方々にご尽力いただきました。
PDF版を以下のように公開します。
- 低解像度版(全体)
- 高解像度版
- 全体(149MB)
- 表紙と目次(23MB)
- 用語集(2MB)
- 第1章 背景と概要(9MB)
本書で扱う主要な研究課題として、- 生命を育む第二の地球の探査
- 銀河形成史のゆりかごから墓場まで
- マルチメッセンジャー天文学
- 宇宙膨張と構造形成から探るダークマターとダークエネルギーの正体
これらの研究を実現するためのすばる望遠鏡とTMTの連携の観点を整理しています。 - 第2章 すばる望遠鏡とTMTの将来計画(13MB)
すばる望遠鏡の現在の観測装置の状況を整理し、特色である広視野観測機能を活かしTMTとの連携にむけて力を発揮する観測装置計画を紹介しています。
TMTの観測装置計画と、スペース望遠鏡や他の超大型望遠鏡と比較した場合の特色を整理しています。 - 第3章 すばる望遠鏡とTMTで取り組むサイエンス
- 3.1 惑星系の理解と生命探査 (40MB)
太陽系外惑星における生命探査を中心課題に、太陽系天体から惑星系形成現場の観測、星形成の解明において期待されるすばる望遠鏡・TMTの連携を紹介しています。 - 3.2 銀河進化のゆりかごから墓場まで (8MB)
すばる望遠鏡の広視野観測機能とTMTの大集光力を組み合わせることによって期待される、宇宙再電離期から近傍銀河・銀河系にいたるまでの銀河の形成・進化、巨大ブラックホールとの共進化や銀河における物質循環の研究を紹介しています。 - 3.3 宇宙のダーク成分と物質の起源 (10MB)
宇宙物理学上の大きな謎であるダークマター・ダークエネルギーの性質にむけたすばる望遠鏡とTMTの様々なアプローチと、連星中性子星合体の観測をはじめとしたマルチメッセンジャー天文学における両望遠鏡の役割・連携を紹介しています。
- 3.1 惑星系の理解と生命探査 (40MB)
- 第4章 すばる望遠鏡とTMTの科学戦略 (8MB)
第3章で紹介した科学目標の実現にはすばる望遠鏡とTMTの連携が鍵となる。それにむけた2020年代のすばる望遠鏡の観測装置整備・観測計画の推進と2030年代のすばる望遠鏡・TMTの一体的な共同利用運用の展望を概観します。 - 著者一覧と裏表紙(58MB)
このサイエンスブックについてのお問合せは tmtjscience [at_mark] ml.nao.ac.jp ([at_mark]を"@"に変えて下さい)までお送り下さい。
すばるとTMTの連携で拓く科学のフロンティア(2019年9月)
ISDTs (International Science Development Teams)
ISDTsはTMTの性能を最大限に活かした観測を国際的に検討するためのチームで、今後のTMTの運用方針、性能、新観測装置開発方針などを決定する上で重要な役割を果たします。 現在9つのチーム(基礎物理と宇宙論、初期宇宙・銀河形成と銀河間物質、超巨大ブラックホール、天の川銀河と近傍銀河、星・恒星物理と星間物質、星・惑星形成、系外惑星、太陽系、突発・変動天体)で活動を行っており、毎年メンバーを募集しますので、興味のある方はぜひご参加ください。
ISDTsについて、詳しくはTMT国際天文台ウェブページをご覧ください。
ISDTsの主な活動
- 「TMT詳細サイエンス検討書」(The Detailed Science Case )の改訂
最新のDSC(2015年改訂) - TMTキー観測プログラムの検討
- TMTサイエンスフォーラム
TMT Forum 2018 (米国 パサデナ)
TMT Forum 2017 (インド マイソール)
TMT Forum 2016 (日本 京都)
TMT Forum 2015 (米国 ワシントンD.C.)
TMT Forum 2014 (米国 アリゾナ州 ツーソン)
TMT Forum 2013 (米国 ハワイ州 ワイコロア)