2024年

No.832024年7月1日

  • [1] 米国超大型望遠鏡プログラム(US-ELTプログラム)に関する動き
  • [2] 報告: TIO評議員会 (5/28-5/30)、メンバ-会議 (5/29)
  • [3] 報告: TIO SAC (6/7)
  • [4] 報告: TMT科学諮問委員会 (4/12)
  • [5] 報告: 2023年度TMT戦略基礎開発研究経費 成果発表会 (5/23)
  • [6] 報告:ELT Science in Light of JWST@東北大 (6/3-6/7)
  • [7] 報告:TMT-ACCESS 第2回ワークショップ@東北大(6/10-6/12)
  • [8] 報告:TMT instrumentation community workshop @ Yokohama (6/15)
  • [9] 報告 (その他)
  • [10] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

[1] 米国超大型望遠鏡プログラム(US-ELTプログラム)に関する動き

米国では、Astro2020で最優先の計画と位置付けられたことを受け、国立科学財団(NSF)の資金を得て南北両半球に超大型望遠鏡(TMTとGMT)の建設を実現する計画「US-ELTプログラム」の審査が進められています。

前号において報告しましたように、今年2月、NSFの意思決定機関であるNational Science Board (NSB)はNSFに対し、NSFが負担するUS-ELTの建設費の上限を16億ドルとする決議を採択し、次回5月のNSB会合でTMTとGMTのどちらか1基への支援を選択するための今後の計画について、NSFはNSBと協議するよう勧告しました。

これを受けて、2024年5月2日(現地時間)のNSB会合において、NSF長官が以下の報告を行いました。

  • GMT、TMTのいずれか1基を最終設計段階に移行させるかを検討するために、長官に助言を提供する第三者委員会(external panel)を招集することを決定した。
  • 第三者委員会は、各プロジェクトについて、基本設計審査後の進捗状況、パートナーシップ、リスクおよびその軽減策、ガバナンスモデル、欧州南天天文台の超大型望遠鏡(ESO’s ELT)との科学的相補性、若手科学者の利用機会、パブリックエンゲージメント等に対する見解を提供する。米国の(来年度以後の)予算手続きに間に合うよう、第三者委員会に対し、報告書を長官に9月末までに提出するよう求める。
  • 第三者委員会の見解は、議会、OMB(Office of Management and Budget)、OSTP(Office of Science and Technology Policy)、NSBに報告される予定である。

TMTプロジェクトとしましては、NSFがUS-ELTプログラムに関して過去最大の16億ドルという建設予算措置に向けたプロセスを具体的に示した点は非常に重要であると受け止めています。

NSF長官は、「いずれか1基を最終設計段階に移行させるかを検討する」と説明しましたが、別途TIOおよびGMTOに送られた通知書には、上記の説明内容に加えて2基移行させる可能性があることも記載されています。また、前号にて報告しましたように、最終的な予算決定の権限のある米国連邦議会はUS-ELTプログラムとして2基の望遠鏡建設への支持を表明しています。今後も米国連邦議会の動向等をよく見る必要があると考えています。

[2] 報告: TIO評議員会 (2/22-2/24)

2024年5月28日-30日(米国時)にTIO評議員会がオンラインで開催されました。29日には各パートナー機関の代表が出席するメンバ-会議がオンラインで開催され、川合自然科学研究機構(NINS)機構長と評議員が出席しました。評議員会では今回も常田NINS特任教授が共同議長として議事進行を行いました。

(1) 評議員会およびメンバ-会議にて、NSFの建設予算MREFCが措置されるまでの資金計画およびそれに伴う追加分担金について議論しました。
メンバー会議では、各メンバーの代表者がTMTの重要性を再確認し、リスクを低減しながらどのように推進していけるかを協議しました。追加分担金の支払計画等については、6月に臨時評議員会を開催し審議を行うこととしました。

(2) アメリカ国立科学財団(NSF)に関する動き NSBの5月会合で、NSF長官が報告した第三者委員会による審査会開催(記事[1]参照)について、Kirshner統括責任者より以下の報告がありました。

  • TMT、GMTのいずれかまたは両方を最終設計段階に進めることをNSF長官に助言する第三者委員会が設置された。
  • 第三者委員会による審査会はワシントンDCで対面で開催され、各プロジェクトについて、基本設計審査(PDR)後の進捗状況、パートナーシップ、リスクおよびその軽減策等について評価される。
  • 第三者委員会の報告は米国の予算年度末(2024年9月)までに提出される。
  • 審査会に向けて、TIO内に対策チーム(各パートナーからの代表を含む)を立ち上げると共に、NSF/NASAの審査に詳しい外部有識者も含めたTIOにおける内部レビューを実施する。

(3) ハワイ・マウナケアでの望遠鏡撤去の進捗がハワイ大学Center for Maunakea StewardshipのG. Chun所長より報告されました。

  • カリフォルニア工科大学サブミリ波望遠鏡(CSO)のドーム・付帯施設の撤去が完了し、基礎部の撤去作業が進行中。
  • ホクケア望遠鏡(ハワイ大学教育用望遠鏡)の撤去が完了。

(4) TIO科学諮問委員会(SAC)の活動について、秋山SAC委員長が報告しました。

  • SACメンバ-の更新について議論中。
  • 第3回ELT-JWST研究会は欧州で開催予定でMichele Cirasuolo 氏(E-ELT Programme Scientist)が世話人として日程調整中である。

(5) TIOのLiuプロジェクトマネージャーから、プロジェクトの技術的な進捗の報告がありました。

  • 主鏡製作(非球面研磨が114枚完了)。
  • インドより主鏡アクチュエータ(最終プロトタイプ)10機など主鏡制御用の機器がモンロビアにあるTIOラボに納品され、試験を開始。
  • オランダのTNO社で製作されたSegment Support Assembly (SSA) Module Acceptance Test Tool (SMATT)の最終受入試験が無事に完了。1台はインドに送られる予定。
  • 第一期観測装置の1つであるWFOSの可変型スリットユニット(Configurable Slit Unit: CSU)と、国立天文台先端技術センターで開発されている面分光ユニット(IFU)の進捗。
また、ハワイで地域コミュニティと連携して取り組むコミュニティエンゲージメントの諸活動についても報告がありました。

[3] 報告: TIO SAC (2/8)

6月のELT-JWST研究会(記事[6]参照)に引き続く形で、TIO科学諮問委員会が東北大学での対面およびオンラインを含むハイブリッド形式で開催されました。

(1) TIOのLiuプロジェクトマネージャーより、NSFからの設計開発費に基づく開発の進展や、ハワイの現状などが報告されました。

(2) TMTのサイエンス検討書(DSC)改訂について、7月中に完了し、8月中旬にリリースするというスケジュールで進捗していることがTIOの担当者から報告されました。

(3)第2回ELT-JWST研究会の速報([6])と、第2回TMT-ACCESS([7])、SPIEに合わせた装置ワークショップ([8])についての進捗報告がありました。

[4] 報告: TMT科学諮問委員会 (12/22)

第三期8回目のTMT科学諮問委員会が、4月12日午後にオンラインで開催されました。

まず、6月に開催を予定した第2回ELT-JWST研究会([6])と、第2回TMT-ACCESS([7])、SPIEに合わせた装置ワークショップ([8])の準備状況についての報告と、議論が行われました。(3つの会合はいずれも開催済み)

その後、TMT科学運用の検討について、TMTプロジェクトの青木が紹介しました。TMTとの一体運用が予定されているすばる望遠鏡での様々なアクティビティをどのように戦略的に進めるか議論するために、今後すばる科学諮問委員会と合同での議論の場が開かれることになりました。

[5] お知らせ: 宇宙・天文光学EXPO 2023 (4/19-4/21)

5月23日に、国立天文台三鷹キャンパスとオンラインのハイブリッドで、TMT戦略基礎開発研究経費の発表会を行いました。2023年度の本経費についてPI/co-PIの方に成果を発表していただきました。約40名の方にご参加いただき、本経費による装置開発や研究交流の場を通した次世代育成の可能性や、今後のTMT装置開発への繋げ方について議論がされました。

[6] お知らせ: 日本地球惑星科学連合大会 2023 (5/21-5/26)

仙台で開催された第2回ELT-JWST研究会には、アジアを中心に100名以上の参加がありました。第1回研究会からの大きな進展として、JWSTとGemini/IGRINS, Subaru/IRDによる高分散分光観測を組み合わせた太陽系外惑星の大気の観測、JWSTによる遠方銀河の化学組成の解明、赤方偏移0.7のレンズ効果を受けた銀河内のマイクロレンズ効果を受けた個々の星の検出などが紹介されました。また、JWSTとELTs によるマルチメッセンジャー研究に向けた、将来計画(重力波、ニュートリノ、ガンマ線、X線、および小型光学赤外線望遠鏡) との相乗効果についても議論されました。

[7] 報告:TMT-ACCESS 第2回ワークショップ@東北大(6/10-6/12)

TMTを用いた新しいサイエンスケースの創出を目指すワークショップシリーズ (TMT-ACCESS)の第2回ワークショップが6月10日~12日に東北大学にて開催され、大学院生、若手研究者、技術者を中心とした37名が参加しました。大型望遠鏡が威力を発揮する幅広い分野の招待講師による講演および分野横断型のグループディスカッション、また、装置開発が行われている東北大学理学研究科天文学専攻・地球物理学専攻のラボツアーを通じて、TMTの新たなサイエンスケースや次世代装置の計画を幅広く検討しました。

本ワークショップは、国立天文台、TMT科学諮問委員会、TIOの協力の元、天文台内外の研究者・技術者の12名からなる世話人グループが立案と運営を行いました。詳しくはTMT-ACCESS ウェブサイトをご覧ください。
TMT-ACCESS

[8] 報告:TMT instrumentation community workshop @ Yokohama (6/15)

6月16日から開催された光学・フォトニクス国際学会(SPIE)に先立ち、15日(土)午後にTMTの観測装置をはじめ装置開発に関わっている研究者・技術者の会合を開催し、開発の状況や今後の計画を交流しました。SPIE参加者を中心に、国内外から50人近くの参加があり、19の講演と12のポスター発表(講演と重複あり)がありました。

講演では、TMTの観測装置・補償光学の開発に関する発表のほか、インドでの主鏡製作などTMT関連の活動が報告されました。また、すばる望遠鏡やせいめい望遠鏡の補償光学や装置の開発、TMT-ACCESS(記事[7]参照)も紹介され、日本における装置開発や科学検討の活動を知ってもらう機会にもなりました。講演時間のほか、ポスターセッションやブレイクの時間にも活発な議論が行われていました。

大規模な会合となるSPIEでは必ずしもTMT関係者の間で時間をとって交流できない場合もあるため、半日の会合ながら貴重な交流の機会となりました。観測装置開発における国際協力につながることを期待します。

[10] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

7/11 TMT科学諮問委員会
7/18 すばる・TMT合同科学諮問委員会

No.822024年4月1日

  • [1] お知らせ: 2024年度 TMT戦略基礎開発経費【公募】
  • [2] お知らせ: ELT Science in Light of JWST (6/3-6/7)
  • [3] お知らせ: TMT-ACCESS (6/10-6/12)
  • [4] 米国超大型望遠鏡プログラム(US-ELTプログラム)に関する動き
  • [5] 報告: TIO評議員会 (1/31-2/2)
  • [6] 報告: TIO SAC (2023/12/16)
  • [7] 報告: TMT科学諮問委員会 (2/27)
  • [8] お知らせ: 宇宙・天文光学EXPO 2024 (4/24-4/26)
  • [9] お知らせ: 日本地球惑星科学連合大会 2024 (5/26-5/31)
  • [10] お知らせ: SPIE2024
  • [11] 報告 (その他)
  • [12] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

[1] お知らせ: 2024年度 TMT戦略基礎開発経費【公募】

国立天文台TMTプロジェクトでは、将来のTMT観測装置の実現に向けた基礎開発研究計画を募集します。TMT計画において日本が重要な貢献を果たすためには、大学等の研究者の皆さんが、独自性の高いアイデアや強みのある技術を活かしてTMTの開発に参加することが極めて重要であり、本開発経費はそのような活動を支援することを目的としています。2024年度の予算は総額1,000万円を予定しています。詳細は、TMTプロジェクトウェブサイトの研究支援情報をご覧ください。

2024年度 TMT戦略基礎開発研究経費【公募】
提出期限: 2024年4月30日(火)正午(日本時間)必着

[2] お知らせ: ELT Science in Light of JWST (6/3-6/7)

2024年6月3-7日に東北大学で開催されるこのワークショップは、2030年代の30m級可視赤外大型望遠鏡 (TMT、GMT、ELT)によるサイエンスを広く議論することを目的としています。3回シリーズの第2回として開催され、アジア地域をはじめ海外から多数の参加も予定されています。講演申し込みは締め切られましたが、参加登録は可能ですので、奮ってご参加ください。

参加登録はワークショップのウェブページからお願いします。
ELT Science in Light of JWST

[3] お知らせ: TMT-ACCESS (6/10-6/12)

第2回TMT-ACCESS(TMT eArly Career Centered, Engineers-Scientists Synergy)が2024年6月10日(月) - 6月12日(水)の3日間、東北大学 青葉山キャンパスにて開催されます。今回は「日本がリードする20年後の光赤外線天文学」をテーマとし、宇宙論・マルチメッセンジャー天文学・銀河形成・系外惑星・装置開発に関する招待講演をベースに、TMT時代に狙うべきサイエンスケースと、それを達成するための装置提案などの議論を行う予定です。研究分野、手法、観測波長を問わず、若手研究者からの参加を強く推奨します。国際プロジェクトでの活躍を目指す若手研究者は、「ELT Science in Light of JWST」国際会議と合わせて奮ってご参加ください。

なお、会場の制限で参加可能人数に上限があります。上限を超えた申し込みがあった場合は、若手研究者を優先する予定です。

ウェブサイト: TMT-ACCESS2024
申込〆切: 2024年4月14日(旅費補助希望者)、5月12日(旅費補助なし)

[4] 米国超大型望遠鏡プログラム(US-ELTプログラム)に関する動き

米国では、Astro2020で最優先の計画と位置付けられたことを受け、国立科学財団(NSF)の資金を得て南北両半球に超大型望遠鏡(TMTとGMT)の建設を実現する計画「US-ELTプログラム」の審査が進められています。2024年2月以降、米国政府・議会で動きがありました。

2月27日に、NSFの意思決定機関であるNational Science Board (NSB)はNSFに対し、NSFが負担するUS-ELTの建設費の上限を16億ドルとする決議を採択し、次回5月(1-2日)のNSB会合でTMTとGMTのどちらか1基への支援を選択するための今後の計画について、NSFはNSBと協議するよう勧告しました。

一方、3月3日には、米国連邦議会が2024年度のNSF予算に関する歳出法案において、次回5月のNSB会合でUS-ELTプログラムを大型研究設備施設建設(MREFC)勘定に含める検討をするようNSFに指示しました。また、US-ELTプログラムは2基の望遠鏡建設とするよう、NSBに強く促しました。9日には大統領が署名し、2024年度NSF予算に関する歳出法が成立しました。

TMTプロジェクトとしましては、NSBが示した建設費のNSF負担分上限額はAstro2020の報告書に基づいたものと認識しています。また、2基の望遠鏡のうち一方を選択する点については、予算に大きな影響力を及ぼすことのできる連邦議会が2基の望遠鏡の建設の支持を表明しているところであり、今後の予算審議等を注視する必要があると考えています。現時点においては、TIOは米国天文学大学連合(AURA)と連携し、北半球と南半球に超大型望遠鏡を建設するUS-ELT計画を堅持しています。

今後も関連情報について、随時ご紹介・説明していきます。

[5] 報告: TIO評議員会 (1/31-2/2)

2024年1月30日-2月1日(米国時)にTIO評議員会がオンラインで開催されました。今回も常田台長が評議員会共同議長として議事進行を行いました。

(1) NSFの建設予算MREFCが措置されるまでの資金計画およびそれに伴う追加分担金について議論しました。

(2) カナダの評議員の交代
Michael Balogh氏(Univ. of Waterloo)が、カナダ天文学会からの推薦をうけ、新たに評議員に就任しました。同氏はジェミニ天文台評議員の経験もあります。

(3) TIOのLiuプロジェクトマネージャーから、インド科学技術庁のAbhay Karandikar長官一行のハワイおよびパサデナ視察、NSFの審査プロセスの現状、プロジェクトの技術的な進捗として、主鏡製作(非球面研磨が99枚完了)、第一期観測装置の1つであるMODHIS(多目的回折限界近赤外高分散分光器)の2回目の概念設計中間審査会が開催されたこと等について報告がありました。

(4) NSFの天文学部門長らが出席し、次の項目が説明されました。

  • NSFから2024年度予算レベルは2023年度から大きな変更は無い見込みである。
  • 国家歴史遺産保存法(NHPA)106条について、2023年12月に協議参加者の募集を開始した。これにはTIO統括責任者やハワイ観測所所長も参加を表明した。5月頃よりハワイ州の各地でコミュニティ会合を開催する。

(5) NSF関係者も出席している場でのパートナー報告として、カナダとインドから担当箇所(補償光学装置、ドーム、主鏡支持機構、主鏡センサー、観測装置)についての進捗報告がありました。
日本からはロードマップ2023に採択されたこと、2024年度予算として追加分担金の一部が措置されたこと等を報告しました。また、今後TMT建設予算を獲得するためには、NSFによる開発予算措置、建設予算MREFCやハワイでのプロセスについてのスケジュールが NSFから示される必要があること、他のTIOメンバーからも追加分担金が支払われることが必要であることを訴えました。

(6) ハワイ大学 Center for Maunakea StewardshipのG. Chun所長とハワイ大学天文学研究所のD. Simons所長より、マウナケア新管理組織(MKSOA)への移行に向けた協議の進捗や、ホクケア望遠鏡の撤去予定等が報告されました。
ハワイ大学で進められているUH Space Sciences Initiative(SSI)計画では、装置技術開発の施設建設に向け、ハワイ州政府から$2Mの予算を獲得したこと、ヒロ校に設置される工学部教員の採用活動を進めていることが報告されました。

(7) TIO科学諮問委員会(SAC)の活動について、秋山SAC委員長が次のとおり報告しました。

  • 2023年12月にUCLAでELT-JWST研究会(ELT Science in Light of JWST)が開催された。今後、プロジェクトが講演する際には、TMTの独自性やGMT/E-ELTとの違いを強調すべきであることが提言された。
  • 6月に仙台で第2回ELT-JWST研究会が開催される予定であり、併せて若手主導研究会(TMT-ACCESS)が開催される。
  • 6月に横浜で開催される光学・フォトニクス国際学会(SPIE)に併せてTMT・光学赤外線関係者で会合を開く予定。
  • NSFの最終設計審査(FDR)に向けて、サイエンス検討書(DSC)改訂を進めており、2024年8月に公開予定。系外惑星のサイエンスに焦点を当てる。
  • DSCの更新に合わせ、対面でTMTサイエンスフォーラムを再開する計画があり、ワシントンDCが開催地の候補である。
また、SACの活動を各パートナーでサポートすることが評議員に対して要望されました。

(8) TIO弁護士のR. Shinyama弁護士から、次の説明がありました。
OHA(Office of Hawaiian Affairs)が2024年1月17日に、ハワイ州・州土地自然資源局(DLNR)、州土地資源委員会(BLNR)、UH、MKSOA、Komeiji MKSOA委員長に対して提訴した。MKSOAの設立により、UHがこれまでの不適切なマウナケアの管理に対する責任と今後の管理責任から免れることになるとOHAは主張し、MKSOAを設立した法律の無効化を求めている。裁判所は60-90日以内にScheduling Conferenceを設定し、その日から12-18ヶ月後に裁判日が設定される予定。

[6] 報告: TIO SAC (2023/12/16)

昨年のELT-JWST研究会に引き続く形で、TIO科学諮問委員会がカリフォルニア大学ロサンゼルス校で開催されました。対面を含むハイブリッド形式での開催は2020年1月以来です。

(1) TIOのLiuプロジェクトマネージャーより、NSFからの設計開発費に基づく開発の進展や、ハワイの現状などが報告されました。

(2) NOIRLabにおいて進められているUS-ELTプログラムの科学データサイクルについて、2023年12月の概念設計審査に向けた文書の製作が進み、その後は2025年に最終設計審査を行う想定であることがEric Peng 氏 (NOIRLab)から報告されました。

(3) TMTのDSC改訂について、各章の編集の状況が共有され、次のステップとしてSACメンバーによる各章のレビューとまとめ章の更新へと進むことが確認されました。

(4) TMTの国際的な科学検討チーム(ISDTs)の活動の活性化に向け、TMTサイエンスフォーラムの開催提案について議論し、2025年の開催に向けて検討を進めることが決まりました。

[7] 報告: TMT科学諮問委員会 (2024/2/27)

第三期7回目のTMT科学諮問委員会が、2月27日午前に広島大学で開催されました。初めに常田台長よりTMT全体の進捗が報告されました。その後、秋山委員長より、TIO-SACの報告がありました([4][5]参照)。また、第三期のTMT科学諮問委員会(2022年9月~)が、今年8月で任期を迎えるため、諮問事項の中間報告が作成されています。その中で特に、TMT科学運用の検討について前期までの科学諮問委員会で進められてきた内容が確認されました。

午後には対面(広島大学)とオンラインを含むハイブリッドでTMT情報交換会が開催されました。最初の一般講演会「次世代大型天体望鏡TMTを知ろう!」では、国立天文台TMTプロジェクトの青木と、広島大の岡部信広さんがそれぞれ「TMT計画とその進捗状況」と「TMTへの期待」というタイトルで講演しました。次に、国立天文台 (TMT国際天文台)の嘉数が「ハワイ現地での取り組みと進捗状況」について紹介しました。その後、広島大と近隣機関の研究者や大学院生に、ご自身の研究とTMTで考えられるサイエンスについてお話しいただきました。

[8] お知らせ: 宇宙・天文光学EXPO 2024 (4/24-4/26)

4月24日(水)-26日(金)にパシフィコ横浜で開催される宇宙・天文光学EXPOに、 国立天文台のブースを出展します。今年は、TMTに加えて、科学研究部、光・赤 外線天文学大学間連携(OISTER)+東京大学木曽観測所、そして、産業連携室の 展示を行います。特別セミナー「国立天文台を活用する研究者が語る天文コース 」では、「時間軸天文学」をテーマに、3名の講師がお話しします。現地会場の みでの開催ではありますが、ご訪問・ご参加を検討いただければ幸いです。事 前登録の上、ご来場ください。

来場事前登録
国立天文台を活用する研究者が語る天文コース

[9] お知らせ: 日本地球惑星科学連合大会 2024 (5/26-5/31)

日本地球惑星科学連合大会が、5/26-5/31に幕張メッセで開催されます。TMTプロジェクトは、アルマ望遠鏡と合同でブースを出す予定です。現地ブースに加え、オンラインブースもありますので、現地に来られる方も、そうでない方も、TMT/アルマブースにお立ち寄りいただけると幸いです。

JpGU Meeting 2024

[10] お知らせ: SPIE2024

6月にパシフィコ横浜で開催されるSPIEで国立天文台のブースを出展します。TMTについての紹介もありますので、SPIEに参加される方は6/18-6/20の展示期間に国立天文台ブースをご訪問いただければ幸いです。

また、TMT科学諮問委員会は、TMTパートナーのコミュニティで装置開発に関わっている研究者/技術者/大学院生がSPIE期間中に集まり、各グループの要素技術開発の状況について共有する「TMT instrumentation community workshop in Yokohama」を6/15 (土) 午後に開催する予定です。詳しくは近日中に tennet/gopira にアナウンスします。

[11] 報告: その他

次の報告については、TMTプロジェクトウェブサイトをご覧ください。

[12] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

2024/4/24-4/26 OPIE 宇宙・天文光学EXPO 2024
2024/5/26-5/31 日本地球惑星科学連合2024年大会
2024/6/3-6/7 ELT Science in Light of JWST@東北大
2024/6/10-6/12 TMT-ACCESS 第2回ワークショップ@東北大
2024/6/15 TMT instrumentation community workshop in Yokohama
2024/6/18-6/20 SPIE2024展示@パシフィコ横浜