TMTブログ

高校生がハワイ文化を共有する新プログラムが始まる

投稿者:TMTプロジェクト

ハワイ郡、ハワイ島のコミュニティと、TMT国際天文台が協力して、先住民や伝統文化についての学習と交流を促す体験学習プログラムが立ち上がりました。初回は、ハワイ島から6名の高校生が沖縄県を訪問して文化交流を行いました。

沖縄県の大宮中学校を訪問したハワイ島の高校生たち。2023年10月8日撮影。(画像提供:TMT国際天文台)

「アレ・ラウ・ロア(‘Ale Lau Loa)」と名付けられたこの青少年グローバル大使プログラムは、昨年ハワイ郡(ハワイ島)の姉妹都市プログラムとして始動しました。このプログラムは、地域に根ざした天文台を目指すTMT国際天文台が出資し、初回は国立天文台が共催し、協力しました。

このプログラムの企画と実施に携わったTMTの嘉数悠子 教育普及マネージャはこう語ります。「海外、特に日本から毎年多くの生徒たちがハワイ島を訪れていますが、ハワイ島の生徒たちはハワイ外に出る機会がほとんどありません。「アレ・ラウ・ロア」はこうした地元住民のニーズを受け、ハワイ郡、ハワイ文化後継者との協力のもと誕生しました。ハワイの高校生がハワイ伝統文化の大使として、毎年TMTのパートナー国を訪れます。彼らが一生思い出に残る経験を積み重ね、世界中の人々や文化とつながりを築くための手伝いができ、非常にうれしく思います」

ハワイ郡(ハワイ島)のミッチ・ロス郡長は、「私たちのケイキ(子ども達)がハワイのよりよい未来を築くリーダーに成長するためのものです」と説明します。「文化交流を通じた、多様性への学びと尊重が、新しい機会の扉を開くことにつながるでしょう」

2023年に実施された初回のプログラムは伝統航海をテーマとし、6名の高校生が沖縄を訪問しました。生徒達は事前に、ハワイ文化の実践者や、伝統航海の専門家、そして、ヒロの沖縄文化クラブ「フイ・オキナワ」によるワークショップに参加しました。

事前のワークショップで伝統航海について学ぶ参加者達。ハワイ郡のレクリエーション・スペシャリストであるカラニ・カハリオウミさんと伝統航海の専門家が指導しました。(画像提供:TMT国際天文台)

アレ・ラウ・ロア プログラムディレクターのジェーン・クレメント氏は、これらの事前ワークショップも、本プログラムの重要な部分であるとし、ワークショップを担当したコミュニティの協力に深く感謝しています。

沖縄では、生徒たちは名護市と久米島町の3つの学校を訪れ、現地の生徒とフラ、オリ(詠唱)、ハワイ語を共有しました。また、現地の生徒からは沖縄の歴史や言語、伝統的なエイサー太鼓や三線楽器の演奏方法を学びました。生徒たちはまた、沖縄美ら海水族館や海洋文化博物館を訪れ、恩納村でサンゴの苗を植え、名護市の学生と星を見て、首里城や沖縄科学技術大学院大学を見学しました。

久米島町での歓迎会。2023年10月12日撮影(画像提供:TMT国際天文台)

プログラムに参加したケアラケへ高校のマリア・バクサさんは「皆さんの和やかで親切な様子に感激しました」と沖縄で築いた友情を振り返ります。ハワイの生徒はホームステイを通じて実際に沖縄の習慣や文化を体験し、地元の高校生やその家族との親睦を深めました。

プログラムの名前をつけたクム ケアラ・チンさんは、「アレ・ラウ・ロア(長く大きな波)は先住民文化の長く複雑な歴史の隠喩です。海を渡る長く大きな波のように、先住民文化の歴史と伝統は世代から世代へと受け継がれてきました。この文化的知識の重要性を認識し尊重することで、先住民の独自の視点と貢献をより深く理解することができます」と、その意義を語ります。

クム ケアラ・チンさんは、事前のワークショップでフラ、オリ、ポリネシアン・スター・コンパスについて、ハワイの生徒達に教えました。(画像提供:TMT国際天文台)

この春には、北米を訪れる次回プログラムの受付が始まります。バクサさんは「もし、自分にとって新しい機会だと感じたら、ぜひ挑戦すべきです。後悔はしません。このプログラムを通じて、世界中の文化と人々をより広く深く理解できます」と励まします。

 


参考:ʻAle Lau Loa Global Youth Ambassador Program(TMT国際天文台)

 

トップに戻る