日本インド科学技術協力合同委員会でTMTを紹介
常田佐久氏(前台長、自然科学研究機構特任教授、TIO評議員会共同議長)が2025年6月5日、インドのデリーで、第11回日本インド科学技術協力合同委員会に参加し、TMTを紹介しました。インド側からは、TMTプロジェクトのメンバーである科学技術庁をはじめ、バイオテクノロジー庁、地球科学庁など様々な分野の関係者が参加しました。
今年は、1985年11月に日本インド科学技術協力協定が締結されてから、40周年となり、「日印科学技術交流年」です。TMTプロジェクトでは、インドは主鏡分割鏡の研磨と外形加工、主鏡分割鏡を制御する支持機構の製造等、非常に重要な役割を担っています。
常田氏はいつも通り、最後の最後まで周到に準備し、TMTの比類なき性能がもたらす最高のサイエンスは勿論のこと、すばる望遠鏡のHyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム、HSC)での協力等、国立天文台とインド天文学機関との共同研究開発、ハワイでの2019年の抗議活動、ハワイの人々と連携した地域貢献活動なども紹介しました。また米国国立科学財団による最近の発表も率直に伝えました。

(左)常田氏(写真中央)は、インドの正装バンディ・ジャケットを着て参加しました。 (右)熱心に聞き入るPraveenkumar Somasundaram氏 (科学技術庁 国際協力部長;写真中央)。常田氏の発表後、インドもTMT実現に向け尽力するとのお言葉を頂きました。
参加者の方々はTMTのサイエンスや先端技術に驚き、またさまざま問題に直面し、苦悩しながらも立ち向かって基礎研究を守ろうとするプロジェクト関係者の姿に大きな反響がありました。出席者から、最も興味深い発表だった、完成を心待ちにしているとの声が寄せられました。現況をお伝えしたうえでの反響だったので、心強く、励みとなりました。
天文学を次世代に引き継いでいけるよう、尽力してまいります。