2021年

No.702021年6月11日

  • [1] お知らせ: 2021年度 TMT戦略基礎開発研究経費【公募】
  • [2] お知らせ: TMT科学運用に関するミニワークショップ (6/23)
  • [3] 報告: TIO SAC (3/24)
  • [4] 報告: TMT科学諮問委員会 (4/14)
  • [5] 報告: TIO評議員会 (4/28-4/30)
  • [6] お知らせ: 宇宙天文光学EXPO 2021 (6/30-7/2)
  • [7] 報告 (その他)
  • [8] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

[1] お知らせ: 2021年度 TMT戦略基礎開発研究経費【公募】

国立天文台TMTプロジェクトでは、将来のTMT観測装置の実現に向けた基礎開発研究計画を募集します。TMTにおいて日本が重要な貢献を果たすためには、大学等の研究者が、独自性の高いアイデアや強みのある技術を活かしてTMTの開発に参加することが極めて重要であり、本開発研究はそのような活動を支援することを目的としています。2021年度の予算は総額1,000万円を予定しています。応募締切は6月18日です。詳しくは、TMTプロジェクトウェブサイトをご覧ください。

2021年度 TMT戦略基礎開発研究経費【公募】

[2] お知らせ: TMT科学運用に関するミニワークショップ (6/23)

日時: 2021年6月23日(水) 9:00-12:00 (JST)
zoomによるオンライン開催

こちらからご登録ください。

米国国立科学財団(NSF)による米国超大型望遠鏡計画 (US-ELTP)の基本設計審査(PDR)にむけて、TMTおよびGMTの科学運用に関する検討が米国で急速に進められています。AURAの元のNSF国立光赤外線天文学研究所(NOIRLab) が科学運用の全サイクルにわたり重要な役割を果たす内容の提案が作成されつつあります。日本としては、すばる望遠鏡とTMTの長所を活かした連携的な観測によって国際的にも競争力の高い研究を展開することを目指しており、米国での検討内容に意見を出していくことが重要です。

今回のWSでは、米国側での検討状況をご説明した上で、日本のコミュニティとして科学運用に関して優先度の高い内容を同定したいと考えています。TMTとすばる望遠鏡での観測に関心のある全ての方、特にこれまですばる望遠鏡や、アルマ望遠鏡などでの観測経験のある方の参加を期待しております。

ワークショップのプログラム:
1) US-ELTPにおける検討状況 (青木和光)
2) 日本における検討のための情報・コメント
  ・Geminiの運用スタイルの紹介 (小山佑世)
  ・東アジアALMA地域センターの役割と活動 (深川美里)
  ・HSC/PFSのデータアーカイブ (田中賢幸)
3) 議論
  ・US-ELTPにおける運用計画への対応方針
  ・日本として整備するべき体制・開発項目

[3] 報告: TIO SAC (3/24)

3月24日(JST)にTIO SAC会議がオンラインで開催されました。

(1) TIOプロジェクトサイエンティスト(PS)
Jerry Nelson逝去後、空席になっているPSの必要性について議論をおこない、科学的側面でTMTのスポークスパーソンの役割を持つことや、科学的側面で望遠鏡や観測装置の要求仕様についてリードすることが求められることを確認しました。その後、SACからの要望を受け、評議員会で議論が行われています。

(2) 米国のDecadal Survey (Astro2020) 結果公表後の対応
想定される結果に対する TIO SACからのメッセージを検討しています。最終的なメッセージ内容について、結果公表後速やかに co-chair会議、続いてSAC会議を開催して議論する予定です。また、TMTとGMTで連携して対応する方針が確認されました。

(3) 系外惑星小委員会
第一期観測装置 近赤外高分散分光器 (MODHIS)の多天体分光モードについて、コミュニティへのアンケート等をおこなった結果、強い科学的要求がなく、一方開発要素は多いため、基本仕様とはしないことになりました。ただし、将来の拡張オプションとしては残します。

(4)その他
・US-ELTPの科学運用プランについて、NOIRLabより説明がありました。
・次回のTMTサイエンスフォーラムは、2022年6月にカナダバンクーバーで、対面形式で開催される予定です。

[4] 報告: TMT科学諮問委員会 (4/14)

今年度初めてのTMT科学諮問委員会が4月14日に開かれました。2021年内に予定されているUS-ELTPの基本設計審査に向け、TMTの科学運用に関する検討が米国で進められています。その内容は米国以外のTMTパートナーにも大きく影響する可能性があることから、日本はこれまでに、全米天文学大学連合 (AURA)、 NOIRLabおよびTIOの運用検討者と情報共有を行ってきました。

その動きがきっかけとなり、TIOとTMTパートナーが協議を行う仕組みとして、TIO SACの科学運用検討小委員会が活動を再開することになりました。あわせてTMT科学諮問委員会においても、日本のコミュニティの意見を集約しフィード バックするために、科学運用検討ワーキンググループが設置されました。すばる望遠鏡とTMTの一体運用を見据える日本としては、プロポーザル提出方法やアーカイブデータへのアクセスなどを、すばる望遠鏡とTMTで一体的に運用できる仕組みを実現するように働きかけたいと考えています。

[5] 報告: TIO評議員会 (4/28-4/30)

4月28-30日 (JST) に TMT国際天文台 (TIO) 評議員会がオンラインで開催されました。

(1) ハワイ報告
・既存望遠鏡のうち2基 (CSO、ホクケア)の撤去手続きが進んでおり、それぞれ2023年、2024年に撤去完了の見込みです。
・ハワイ州議会による、将来のマウナケア管理に関するWGメンバーの選考が5月はじめに完了する予定です。(その後、5月10日に先住民コミュニティ代表者を含むWGメンバーが公表されました。)
・ハワイ大学ではマスターリース更新の手続きが進められています。
・ハワイ大学天文学研究所(IfA)の所長に、現在CFHT所長であり、Maunakea Management BoardメンバーのDoug Simons氏が9月に就任します。

(2) Hawaii Engagement Committee
評議員会の下で、TIOのハワイでの取組みについて議論するHawaii Engagement Committeeは活発に議論を重ねています。今後TMTがハワイ社会の長期的なパートナーとして信頼を得るためのアプローチ等について報告がありました。国立天文台からは、これまでのTIOの失敗を繰り返さないため、問題点を真摯に分析することの重要性を指摘し、今後評議員会で議論することになりました。

(3) TIO報告
・TIO本部のハワイへの段階的移転の第一歩として、Fengchuan Liu TIOプロジェクトマネージャ代行が、近くハワイに赴任することが報告されました。国立天文台としても、ハワイでのTIOの活動を引き続き支援します。
・TIOの財政状況に関して、支出削減に努めていることの報告がありました。
・NSFPDR に向けて、外部有識者を招いたレビューを今夏に実施するための準備状況が説明されました。また、現物貢献のコスト推定方法やスケジュールリスクの評価などの重要な検討課題に関して議論しました。

[6] お知らせ: 宇宙・天文光学EXPO 2021 (6/30-7/2)

昨年度はコロナ禍で中止になった宇宙・天文光学EXPOですが、今年はパシフィコ横浜で開催されることになりました。国立天文台のブースでは、TMT、JASMINE、産業連携室の展示を行います。特別セミナー「国立天文台の研究者が語る天文コース」では、JASMINEの講演に加えて、TMTプロジェクトの岩田が「すばる望遠鏡と30m光学赤外線望遠鏡TMTが結ぶ新たな宇宙像」というテーマで講演します。現地会場のみでの開催ではありますが、ご訪問・ご参加を検討いただければ幸いです。

今年は、完全事前登録制となりますので登録をお済ませの上、ご来場ください。
OPIE 2021

[8] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

6/14 TMT科学諮問委員会
6/23 TMT科学運用のミニワークショップ
6/30-7/2 宇宙・天文光学EXPO 2021

No.692021年3月31日

  • [1] 報告: TIO評議員会(1/26-1/28)
  • [2] 報告: TMT科学諮問委員会(2/9)
  • [3] 報告: TMT科学運用に関する検討
  • [4] 報告: 非球面研磨された分割鏡の最初の品質審査が完了
  • [5] 報告: パサデナオフィスの移転
  • [6] 報告: その他 (講演会)
  • [7] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

[1] 報告: TIO評議員会(1/26-1/28)

1月26-28日 (JST) に TMT国際天文台 (TIO) 評議員会がオンラインで開催されました。

(1) 2021年 TIO予算案
評議員会下のワーキンググループおよび財務委員会で審議してきた2021年のTIO予算案について、承認されました。

(2) Hawaii Engagement Committee
国立天文台は TMTの地元ハワイでの信頼関係構築のために、TIOリーダーが率先してハワイに居住して活動することが必要であると繰り返し主張しています。TIOのハワイに関する取組みを議論する Hawaii Engage Committeeでは、TIO本部のヒロへの段階的な移転についての検討、TIOでは具体的な移転に向けたプラン作成が進んでいます。

(3) NSF 基本設計審査 (PDR) に向けた準備
Liuプロジェクトマネージャー代行および Goodmanビジネスマネージャーから、TIOでの準備状況や工程案が説明されました。TIO内部でのレビューのあと8月頃に外部専門家を含むシステムレベルの外部レビューを実施し、2021年Q4に予定される NSF PDRに臨むことが説明されました。

(4) パートナー報告
国立天文台から、日本国内におけるTMT予算獲得は厳しい状況であるため、TIOの支出削減努力、ハワイでの明確な進展などが必要であること、また最小限の予算で将来のコストおよびリスク低減を図るフロントローディングに集中して日本国内の作業 (望遠鏡本体構造および主鏡の製造準備、観測装置の設計および製造準備) を継続して進めていることを説明しました。

[2] 報告: TMT科学諮問委員会(2/9)

今年度第7回のTMT科学諮問委員会が2月9日に開かれました。今期のTMT科学諮問委員会への諮問事項として「科学運用計画について米国の戦略と連携を行いながら最適な運用を提言する」、「装置開発戦略と第二期観測装置のロードマップについて、長期的な視点で戦略をたてること」、「TMTプロジェクトと協力し、天文台内外の組織と議論を行うこと」を確認しました。

また、プロポーザル準備からデータアーカイブまでをカバーする科学運用について議論を進めました。USELTプログラムとの連携を議論する NSF国立光赤外線天文学研究所 (NOIRLab) との会議や、3月に開催されたすばるユーザーズミーティングの中でこれまでの議論の紹介を行うことを踏まえ、論点が整理されました。

最後に、2012年度から2019年度の8年間にわたりTMTに関連する装置開発や要素技術の開発を目的として募集が行われてきた「TMT戦略的基礎開発研究経費」について議論されました。今年度は予算の制約のため本経費を中断していますが、2021年度に単年度で実施する必要性について議論されました。その結果、TMTの装置開発についての様々なグループが関心を持ち継続的に開発を進める意義は高く、科学諮問委員会として単年度でも再開を要望することが確認されました。また、(1) 要素技術開発から装置概念提案に結びつけるステップを確立する必要があり、プロジェクトや科学諮問委員会を通じて具体化のロードマップを検討すること、(2) 次期装置だけでなく第一期装置の機能追加や望遠鏡に関わる基礎開発も含めることが重要であることも指摘されました。

[3] 報告: TMT科学運用に関する検討

米国において、NSFの TMTおよび GMTへの参加を内容とする米国超大型望遠鏡プログラム (USELTP) の基本設計審査 (PDR) にむけた準備が進められており、その一部として科学運用に関する提案の準備も行われています。提案は基本的には米国ユーザ向けのサービスが中心となりますが、TIOとパートナーの役割分担に深くかかわるため、日本としてもその内容を把握し、すばる望遠鏡とTMTの一体運用という方針を踏まえて日本のユーザの意見を反映していく必要があります。

2020年12月の TMT科学諮問委員会でこの議論を開始し、科学運用検討ワーキンググループ (WG) を設置しました。今年に入ってから、USELTPを進める全米天文学大学連合 (AURA)/NOIRLab 関係者と協議をもち検討状況の報告を受けるとともに日本からの関心事項を報告して意見交換しました。また、TIOの担当者との協議ももち、検討されている提案についてさらに詳しく報告を受けました。そのなかで、従来 TIOがベースとしてきた運用プランを大きく変更し、TIOが担当するとしてきた生データのアーカイブや、観測提案受付・観測準備のためのツール、加えてサイエンスレディの解析済みデータを USELTPが提供し、米国の in-kind貢献とするという案が検討されていることが報告されました。これはユーザの関心の高いデータの取り扱いプランを大きく変更するものであるとともに、パートナーとしての日本が運用において何を行う必要があるのか、すばる望遠鏡との一体的な運用をどう構築するのかといった検討にも大きく影響するものであり、科学運用検討WGで対応について議論を進めています。

TIO科学諮問委員会 (SAC) でも2019年に設置された科学運用検討のためのサブ委員会を再開し、各パートナーからの意見について検討を進める予定です。米国においては、今年秋に予定されている NSFの PDRにむけ、6月には科学運用提案の内部レビューを行う予定であり、動きが急になっています。日本においてもこの件を報告し、議論する機会を設けることを検討しています。

科学運用に関する検討のこれまでの動き
2020年
  12月22日 TMT科学諮問委員会で科学運用検討WG設置
2021年
  2月 9日 TMT科学諮問委員会で議論
  2月10日 AURA/NOIRLab との協議
  2月18日 すばる科学諮問委員会で報告
  3月 3日 科学運用検討WG
  3月 5日 すばるユーザーズミーティングで報告
  3月 9日 TIOとの協議
  3月23日 TIO SACで議論
  3月26日 科学運用検討WG

[4] 報告: 非球面研磨された分割鏡の最初の品質審査が完了

非球面研磨された分割鏡 (ラウンデル) の最初の品質審査が行われました。審査の対象となったのは、日本が加工を担当した分割鏡 (識別番号:SN023) で、2019年度に研磨加工作業を完了していたものです。ラウンデルの最初の品質審査であり、TMTの厳しい仕様を満たしていることを確認するために審査は時間をかけて丁寧に行われましたが、2020年12月に無事合格となりました。今回の審査過程を経て品質確認のための手続きが確立できたので、日本で製作された他のラウンデルの品質審査に向けた準備が進められています。詳しくは、TMTプロジェクトウェブサイトをご覧ください。

米国が製作を担当するラウンデルについても審査が始まり、3月26日に最初の審査が行われました。

[5] 報告: パサデナオフィスの移転

TIO本部および国立天文台カリフォルニア事務所が使ってきたパサデナのオフィスのリース契約が完了し、3月より、ラボのあるモンロビアにオフィスが移転しました。

[6] 報告: その他 (講演会)

2020年は新型コロナウィルス感染症の影響により、対面での交流が制限されてしまいました。一方、多数の講演会・出前授業がオンラインで行なわれ、国境や時差を超えた交流が実現される場面もありました。これらの講演の一部はTMTプロジェクトのウェブサイトでご報告しておりますので、ぜひご覧ください。

[7] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

5/30-6/6 日本地球惑星科学連合 2021年大会
6/30-7/2 宇宙・天文光学EXPO 2021