2021年

No.692021年3月31日

  • [1] 報告: TIO評議員会(1/26-1/28)
  • [2] 報告: TMT科学諮問委員会(2/9)
  • [3] 報告: TMT科学運用に関する検討
  • [4] 報告: 非球面研磨された分割鏡の最初の品質審査が完了
  • [5] 報告: パサデナオフィスの移転
  • [6] 報告: その他 (講演会)
  • [7] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

[1] 報告: TIO評議員会(1/26-1/28)

1月26-28日 (JST) に TMT国際天文台 (TIO) 評議員会がオンラインで開催されました。

(1) 2021年 TIO予算案
評議員会下のワーキンググループおよび財務委員会で審議してきた2021年のTIO予算案について、承認されました。

(2) Hawaii Engagement Committee
国立天文台は TMTの地元ハワイでの信頼関係構築のために、TIOリーダーが率先してハワイに居住して活動することが必要であると繰り返し主張しています。TIOのハワイに関する取組みを議論する Hawaii Engage Committeeでは、TIO本部のヒロへの段階的な移転についての検討、TIOでは具体的な移転に向けたプラン作成が進んでいます。

(3) NSF 基本設計審査 (PDR) に向けた準備
Liuプロジェクトマネージャー代行および Goodmanビジネスマネージャーから、TIOでの準備状況や工程案が説明されました。TIO内部でのレビューのあと8月頃に外部専門家を含むシステムレベルの外部レビューを実施し、2021年Q4に予定される NSF PDRに臨むことが説明されました。

(4) パートナー報告
国立天文台から、日本国内におけるTMT予算獲得は厳しい状況であるため、TIOの支出削減努力、ハワイでの明確な進展などが必要であること、また最小限の予算で将来のコストおよびリスク低減を図るフロントローディングに集中して日本国内の作業 (望遠鏡本体構造および主鏡の製造準備、観測装置の設計および製造準備) を継続して進めていることを説明しました。

[2] 報告: TMT科学諮問委員会(2/9)

今年度第7回のTMT科学諮問委員会が2月9日に開かれました。今期のTMT科学諮問委員会への諮問事項として「科学運用計画について米国の戦略と連携を行いながら最適な運用を提言する」、「装置開発戦略と第二期観測装置のロードマップについて、長期的な視点で戦略をたてること」、「TMTプロジェクトと協力し、天文台内外の組織と議論を行うこと」を確認しました。

また、プロポーザル準備からデータアーカイブまでをカバーする科学運用について議論を進めました。USELTプログラムとの連携を議論する NSF国立光赤外線天文学研究所 (NOIRLab) との会議や、3月に開催されたすばるユーザーズミーティングの中でこれまでの議論の紹介を行うことを踏まえ、論点が整理されました。

最後に、2012年度から2019年度の8年間にわたりTMTに関連する装置開発や要素技術の開発を目的として募集が行われてきた「TMT戦略的基礎開発研究経費」について議論されました。今年度は予算の制約のため本経費を中断していますが、2021年度に単年度で実施する必要性について議論されました。その結果、TMTの装置開発についての様々なグループが関心を持ち継続的に開発を進める意義は高く、科学諮問委員会として単年度でも再開を要望することが確認されました。また、(1) 要素技術開発から装置概念提案に結びつけるステップを確立する必要があり、プロジェクトや科学諮問委員会を通じて具体化のロードマップを検討すること、(2) 次期装置だけでなく第一期装置の機能追加や望遠鏡に関わる基礎開発も含めることが重要であることも指摘されました。

[3] 報告: TMT科学運用に関する検討

米国において、NSFの TMTおよび GMTへの参加を内容とする米国超大型望遠鏡プログラム (USELTP) の基本設計審査 (PDR) にむけた準備が進められており、その一部として科学運用に関する提案の準備も行われています。提案は基本的には米国ユーザ向けのサービスが中心となりますが、TIOとパートナーの役割分担に深くかかわるため、日本としてもその内容を把握し、すばる望遠鏡とTMTの一体運用という方針を踏まえて日本のユーザの意見を反映していく必要があります。

2020年12月の TMT科学諮問委員会でこの議論を開始し、科学運用検討ワーキンググループ (WG) を設置しました。今年に入ってから、USELTPを進める全米天文学大学連合 (AURA)/NOIRLab 関係者と協議をもち検討状況の報告を受けるとともに日本からの関心事項を報告して意見交換しました。また、TIOの担当者との協議ももち、検討されている提案についてさらに詳しく報告を受けました。そのなかで、従来 TIOがベースとしてきた運用プランを大きく変更し、TIOが担当するとしてきた生データのアーカイブや、観測提案受付・観測準備のためのツール、加えてサイエンスレディの解析済みデータを USELTPが提供し、米国の in-kind貢献とするという案が検討されていることが報告されました。これはユーザの関心の高いデータの取り扱いプランを大きく変更するものであるとともに、パートナーとしての日本が運用において何を行う必要があるのか、すばる望遠鏡との一体的な運用をどう構築するのかといった検討にも大きく影響するものであり、科学運用検討WGで対応について議論を進めています。

TIO科学諮問委員会 (SAC) でも2019年に設置された科学運用検討のためのサブ委員会を再開し、各パートナーからの意見について検討を進める予定です。米国においては、今年秋に予定されている NSFの PDRにむけ、6月には科学運用提案の内部レビューを行う予定であり、動きが急になっています。日本においてもこの件を報告し、議論する機会を設けることを検討しています。

科学運用に関する検討のこれまでの動き
2020年
  12月22日 TMT科学諮問委員会で科学運用検討WG設置
2021年
  2月 9日 TMT科学諮問委員会で議論
  2月10日 AURA/NOIRLab との協議
  2月18日 すばる科学諮問委員会で報告
  3月 3日 科学運用検討WG
  3月 5日 すばるユーザーズミーティングで報告
  3月 9日 TIOとの協議
  3月23日 TIO SACで議論
  3月26日 科学運用検討WG

[4] 報告: 非球面研磨された分割鏡の最初の品質審査が完了

非球面研磨された分割鏡 (ラウンデル) の最初の品質審査が行われました。審査の対象となったのは、日本が加工を担当した分割鏡 (識別番号:SN023) で、2019年度に研磨加工作業を完了していたものです。ラウンデルの最初の品質審査であり、TMTの厳しい仕様を満たしていることを確認するために審査は時間をかけて丁寧に行われましたが、2020年12月に無事合格となりました。今回の審査過程を経て品質確認のための手続きが確立できたので、日本で製作された他のラウンデルの品質審査に向けた準備が進められています。詳しくは、TMTプロジェクトウェブサイトをご覧ください。

米国が製作を担当するラウンデルについても審査が始まり、3月26日に最初の審査が行われました。

[5] 報告: パサデナオフィスの移転

TIO本部および国立天文台カリフォルニア事務所が使ってきたパサデナのオフィスのリース契約が完了し、3月より、ラボのあるモンロビアにオフィスが移転しました。

[6] 報告: その他 (講演会)

2020年は新型コロナウィルス感染症の影響により、対面での交流が制限されてしまいました。一方、多数の講演会・出前授業がオンラインで行なわれ、国境や時差を超えた交流が実現される場面もありました。これらの講演の一部はTMTプロジェクトのウェブサイトでご報告しておりますので、ぜひご覧ください。

[7] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

5/30-6/6 日本地球惑星科学連合 2021年大会
6/30-7/2 宇宙・天文光学EXPO 2021