2008年

No.52008年11月18日(旧Jelt News Letter)

  • [1] お知らせ : 第1回TMT装置検討会(11/20)開催
  • [2] 報告 : TMT External Advisory Panel review (9/29-10/1)
  • [3] 報告 : TMT SAC (10/16)
  • [4] 報告 : TMT Board会議 (10/23)
  • [5] 最近の活動
  • [6] 今後の予定

[1] お知らせ : 第1回TMT装置検討会(11/20)開催

国立天文台ELT準備室では日本のTMT計画への参加をめざしています。その一貫として日本独自の観測装置の検討を開始し、現在4つの具体的な計画が提案されています。これから約1.5年の間に検討を重ね、より現実的な概念設計書を策定することを目標にしています。

この度、「第1回TMT装置検討会」を開催し、各装置提案グループの検討経過について報告し、外部評価委員を交えて議論する機会を設けることとなりました。どなたでも参加可能です。関心をお持ちの方はぜひご参集ください。

「第1回TMT装置検討会」
■ 日時: 11月20日(JST)9:30-17:00
■ 場所: 国立天文台三鷹解析研究棟2Fすばる会議室 (Skype・TV会議接続については相談ください)
■プログラム(案):
09:30-10:50 広視野近赤分光装置(秋山+高見)
10:50-12:10 中間赤外撮像分光装置(岡本)
12:10-13:10 昼食
13:10-14:30 可視高分散分光器(青木)
14:30-15:50 近赤高分散分光器(小林)
15:50-16:05 全体議論、次回検討会開催時期決定
16:05-16:15 休憩
16:15-17:15 評価委員議論(closed session)
■評価委員: 岩室、臼田、児玉、高遠
■世話人: 柏川

検討会詳細 : http://jelt.mtk.nao.ac.jp/tmtinst/中、「第1回TMT装置検討会/開催のお知らせ」

[2] 報告 : TMT External Advisory Panel review 2008.9.29-10.1

9/29(月)-10/1(水)に、『TMT External Advisory Panel review (TMT外部評価委員レビュー会議)』がTMTオフィスにて開催されました。TMT計画の進捗と今後の計画について、TMTグループから外部評価委員(12名)へ向けた報告が行われました。それに基づき、会議後、委員によりTMT計画への評価がまとめられました。昨年6月に引き続き、2回目の実施となります。日本からは、柏川、秋田谷(国立天文台ELT室)がオブザーバーとして参加しました。報告は、TMT計画全般にわたる膨大なものとなりましたが、以下に、重要と思われる項目について、抜粋して報告いたします。

  1. 1) スケジュール
    • TMTスケジュールの修正の可能性が報告された。従来、建設開始を2008年半ば、ファーストライトを2016年末としていたが、それぞれ2-3年程度遅れる可能性がある。(資金獲得状況や技術的な要請に基づく修正)一方で、この遅延を最小限に圧縮するための再検討も進められている。修正スケジュールについては、今後数カ月中に最終決定される見込みである。
  2. 2) 観測装置・AO
    • WFOS
      12月に初期概念設計レビュー予定。
      2009年半ばには概念設計レビューを完了する。
    • IRIS
      11月にチーム内での中間検討レビューを予定。
    • IRMS
      PI未定。Keck MOSFIREの進展様子を見て推進。
    • NFIROAS
      基本的にスケジュール通りに進んでいる。
  3. 3) サイト
    • サイト調査首尾よく完了。いずれも良いが、完璧ではない。
    • Armazones(チリ) or Mauna Kea(ハワイ)に絞られた。2009年6月決定。
    • サイト決定までのaction item
      Armazones : チリ大学連合との用地契約、インフラ設計。
      Mauna Kea : EIS(環境影響調査)及びCMP(マウナケア山総合管理計画)の策定、インフラ設計。
  4. 4) 望遠鏡
    • 主鏡(M1)セグメントプロトタイプは、3種類(Al製=すでに完成、ガラス製球面=現在加工中、ガラス製非球面3枚)を製作。各種評価・試験に供する。
    • 副鏡(M2)、第3鏡(M3)設計は、M1に比べるとあまり進んでいない。
    • コーティングに対する要請。観測波長域は、0.34-28umが要求仕様だが、0.31-0.34umも目指す。最短5年の寿命(鏡交換・再蒸着によるコスト低減のため)。
    • 鏡交換機構、蒸着機構を検討中。
    • 地震対策も重要なカギ。

TMTオフィスでは、TMT主鏡セグメント・支持機構の実物大模型も展示された。
写真は以下参照。
http://jelt.mtk.nao.ac.jp/Japanese/news/news20081001.html

[3] 報告 : TMT Science Advisory Committee (SAC) 2008.10.16

10/16(木)に、TMTのScience Advisory Committee (SAC)がパサデナのTMTオフィスにて開催されました。日本からは、臼田・柏川(国立天文台ELT室)が参加しました。以下、概要について報告いたします。

  1. 1) 外部レビュー(9/29~10/1)関連
    • 9/29~10/1に実施された外部レビュー(EAP)直後だったため、参加者も少なく、議題も少なかった。
    • EAPの結果について、Jerry Nelsonから説明があり、議論をおこなった。特に議論が活発だったのは、ファーストライトが遅れる可能性についてJWSTとの関係などについて議論された。TMTの成果にとってはかなりインパクトが大きく、遅らせるべきではないという厳しい意見も出されたが、他の大型計画の進捗状況によっては遅れもしかたがない、という認識に。その際、遅れが追い風となりうる日本に対するコメントを求められ、臼田個人の意見として、JWSTやHSCとの連携を考慮すると2020年は遅いという認識である旨を意見した。
  2. 2) 観測装置
    • WFOSのFeasibility phase reviewが12月12日にUCSCで予定されている。現在日本から2名の参加を予定しているが、興味のある方は早めにELT準備室にご連絡ください。
    • 第二期装置についてのNIRESに関する報告があり、NIRES-BはNFIRAOS、NIRES-R (3-5um)はMIRESと共にMIRAOを使うことを前提に結像性能評価について説明があった。MIRAOを使った場合でも、L-bandで高いストレール比が得られるため、JWSTの5倍の空間分解能が達成できる。
  3. 3) サイト
    • ハワイの公聴会について、Keck outriggerに比べて穏便であることが報告された。
  4. 4) Detailed Science Case
    • 今のScience detailに基づいてinstrument requirementsを付加する必要がある。そのために現在挙げられている個々のscience caseが本当にTMTで実現できるのか検討する必要がある。またNSFなどにTMTの意義を30秒で説明できる”Eleveter science case”を特定すべき。
  5. 5) その他
    • 他のパートナー国の進捗状況として、中国とインドについて報告があり、来年の春頃に何らかの決断があるという報告があった。

[4] 報告 : TMT Board会議 2008.10.23

2008年10月23日に PasadenaのTMTオフィスで開催された TM Board会議に、家正則、高見(ELT室)の2名が参加致しました。Board会議は、SAC、EAPなどでの議論、プロジェクト室の報告などを受けて、計画全体の方針を決定するところです。

参加者、
TMTボードメンバー:
Shrinivas Kulkarni(TV), Edward Stone, Andrew Lange(Caltech), Richard
Ellis (Oxford), Michael Bolte (UCSC), Henry Yang(UCSB, Chancellor)
Raymond Carlberg (Canada, U. Tronto), Rene Racine (Canada)、
プロジェクト側:
Jerry Nelson (Project Scientist, UCSC), Gary Sanders (Project Manager)、
Sandra Dawson(ハワイ対応)、Chuck Steidel(SAC報告、Caltech)
オブザーバー:
家正則、高見英樹(NAOJ), Jim Omura (Moore Foundation)

1、TMTプロジェクト外部レビューの報告があった。
2、プロジェクトマネージメント報告

望遠鏡設計・検討、サイト取得(チリ、ハワイ)、スケジュール、予算見通し等についての報告があった。

  1. 1)望遠鏡設計・検討については、基本的に順調であるがR&D予算がほぼ終了し、本格建設予算はまだ確保されていないことから、一部検討に遅れが生じるところ(ドーム検討)などがある。
  2. 2)日本を含むパートナーの年次予算モデルが検討のたたき台として提案された。
  3. 3)サイトについてはチリは用地使用許可が下りたとの報告があった。
  4. 4)スケジュールについて、建設開始は2011年10月以降、ファーストライトは2018年以降になるとの報告があった。
3、家報告
  1. 1)日本の意思決定、予算獲得のプロセス見通しの説明をおこなった。
  2. 2)質問にたいして、20-25%の参加希望と答えた。
  3. 3)2010年の準備費要求を来年6月に行い、2011年からの本予算要求を2010年6月に行うのがもっとも早いスケジュールとなる。今月には2009年度の科研費要求として総額$1.5M程度の申請を提出した。
  4. 4)ナノオプトの試研削、成相氏の干渉計測ヌルレンズ設計を紹介。
4、マウナケアサイト取得について
  1. 1)TMTのEIS(環境影響評価)を開始し、それについての公開ミーティングをハワイ州の7箇所で開催したとの報告があった。反対意見はかなりあったが、基本的にはTMTを受け入れる状況になりつつある。
  2. 2)マウナケア山頂施設の予備設計が示され、ハワイ大学も含めた具体的な検討を開始した(これまではチリの地形を想定)。
  3. 3)現在マウナケアにある望遠鏡のうち、撤去可能なものについての具体的な議論があった。
  4. 4)ハワイ大学が作成中のCMP(マウナケア総合利用計画)について、環境調査も加えて行うことにより、CMPの認可は2009年の3月に持ち越す見通しとなった。(このCMP認可がマウナケアサイト決定の必要条件となる)

[5] 最近の活動 (9/8~)

(*)印は、本News Letterで報告した項目
9/11-13 日本天文学会秋季年会 (@岡山理科大)家(日本のELT計画参加状況報告;V09a)、秋田谷(TMT用セグメント鏡試験加工報告;V10b)が成果報告
http://www.asj.or.jp/nenkai/archive/2008b/session-V.html
9/13 光赤天連総会(日本天文学会秋季年会・F会場) ELT・TMT関連状況について報告(秋田谷)。 詳細は、光赤天連事務局の議事録参照のこと。
9/29-10/1(*) TMT External Advisory Panel (EAP) Review (@Pasadena)柏川・秋田谷参加
10/16(*) TMT SAC会議 (@Pasadena) 臼田・柏川参加
10/23(*) TMT Board会議 (@Pasadena) 家・高見参加
10/25 国立天文台三鷹地区特別公開 (@国立天文台三鷹) TMT参加に向けたELT室の活動について紹介。TMTセグメント鏡実物大模型・主鏡縮小模型を展示。
http://jelt.mtk.nao.ac.jp/Japanese/news/news20081025.html
11/6 NFIRAOS Preliminary Design Review (@Pasadena) 高見参加
11/7 IRIS progress Review (@Pasadena) 臼田他TV会議参加

[6] 今後の予定

11/17 NSF(@Washington)訪問 (家)
11/18 NRC/NSERC(Ottawa)訪問 (家)
11/20 ELT Funding Agencies Meeting(@Washington)出席 (家 参加予定)
11/20(*) 第一回TMT装置検討会 (@国立天文台三鷹)
12/12 研究会 : 30m望遠鏡での中間赤外線サイエンスの展開 (@東大本郷) TMTでの中間赤外線観測によるサイエンスの提案を集め、 中間赤外線装置について検討。1st サーキュラー (tennetメールアーカイブ) :
http://www.asj.or.jp/tennet/archives/msg02403.html
12/12 Review of WFOS feasibility study (@UCSC) (菅井、宮崎聡氏 参加予定)
1/上旬 IRISのサイエンス会議 (菅井、後藤美和、柏川、臼田氏 参加予定)
1/9 TMT SAC 会議 (@Pasadena)
1/13-14 TMT Board 会議 (@Pasadena)
1/14-16 すばるユーザーズミーティング (@国立天文台三鷹)

No.42008年9月8日(旧Jelt News Letter)

  • [1] 光赤天連シンポ「地上大型望遠鏡計画:2020年のための決心」(8/21-22)報告
  • [2] TMT SAC (8/28)報告
  • [3] ELT計画推進ワーキンググループ メーリングリスト周知のお願い
  • [4] この間の動き
  • [5] 今後の予定

[1] 2008年度光学赤外線天文連絡会シンポジウム 「地上大型望遠鏡計画:2020年のための決心」
(8/21-22@国立天文台三鷹大セミナー室)報告

  • 当シンポジウムが開催され、100名を超える参加者を迎え、TMT、及び内外の光赤外将来計画を含めて来るべき時代に日本のコミュニティがどのように向かい合っていくのか、について集中的な意見交換がなされました。
  • 今年度はTMTに関して、期待されるサイエンス、日本独自の装置開発計画を軸に16件の口頭発表がありました。
  • 具体的には、日本の独自性をTMTでどのように出すのか、SPICA/ALMAとの連携、R&Dのありかた、合意文書の行方、若手のとりこみ方、などについて積極的な議論が交わされました。
  • 総括としては、日本の光赤外コミュニティとしてTMT参画についてNAOJには積極的に押し進めて欲しい、という合意がなされたと考えています。

プログラム・集録
当日の様子(写真)

[2] TMT Science Advisory Committee (SAC) 2008.8.28 報告

8/28(木)に、TMTのScience Advisory Committee (SAC)がパサデナのTMTオフィスにて開催されました。日本からは、臼田(国立天文台ELT室)が参加しました。以下、概要について報告いたします。

  1. 1) 望遠鏡本体
    • ITT/Tinsley社でオハラガラスの研磨が開始されました。
    • 副鏡・第三鏡の設計が開始されました。
    • 主鏡アクチュエータについての設計検討の進捗報告がありました。
    • 望遠鏡の構造計算の結果、5.3Hzの固有振動数が、Ns台の観測装置の重さに効くことが指摘されました。観測装置の総重量を現状173トンからできれば100トン(各Ns台で50トン)までに抑えたいという検討結果がありました。
  2. 2) 観測装置
    • IRISについては順調に進んでおり、11月4-5日に進捗レビュー会議が開催される予定です。
    • WFOSについて設計・検討が開始されました。WFOSに関する日本の貢献(技術・サイエンス・人員・予算など)が期待されている旨、議論になりました。引き続き、興味のある方はお気軽にお知らせください。
    • IRMSについては、MOSFIRE (2009年Keckに取付予定)の進行状況待ちで、組織化は進んでいません。
    • LGSの性能にNa層の高さの時間変化が効きます。Na層の密度と高さの測定をカナダ6m Liquid望遠鏡で測定が開始され、初期成果が報告されました。
  3. 3) サイト
    • ハワイについて、サイト許可のためのプロセスに進展があったことが報告され、2009年6月のサイト決定に間に合うスケジュールであることが確認されました。一方、チリにおけるサイト使用許可申請手続きが順調に進んでいます。
  4. 4) その他
    • TMTパートナーについての議論で、日本について同意書が調印間近であることがRichard Ellisから報告されました。
    • 臼田から先週の光天連シンポについてTMTに対する期待が大きいこととハワイを想定したビジネスプランを製作することについて説明しました。

[3] ELT計画推進ワーキンググループメーリングリスト周知のお願い

国立天文台ELTプロジェクト室では、「ELT計画推進ワーキンググループ メーリングリスト|(ML)」を運用しております。

このMLでは、本ニュースレターを配信している他、ELT計画推進の上での重要なアナウンスを随時お送りしております。また、ELT計画に関心を持つ研究者相互の情報交換にも活用いただけます。

ELT計画推進に関心をお持ちの研究者の方の中には、まだこのMLをご存知ない 方が多くおられるようです(特に若い学生やPDの方など)。 もし、周囲に該当する方がおられるようでしたら、 ぜひこのMLへの参加を 呼びかけていただけますと幸いです。

「ELT計画推進ワーキンググループ メーリングリスト」の詳細、登録手続きについては、以下案内ページをご覧ください。
http://jelt.mtk.nao.ac.jp/Japanese/JELT_ml_j.html

[4] この間の動き (7/31以降)

8/21,22 光赤天連シンポジウム (@ 国立天文台三鷹) 「地上大型望遠鏡計画:2020年のための決心」
8/28 TMT Science Advisory Committee (SAC) (@ Pasadena) 日本から臼田(ELT室)が参加
9/3-5 第28回天文学に関する技術シンポジウム (@松本駅前会館) TMT セグメント鏡開発について、大島(ELT室)が講演

[5] 今後の予定

9/11-13 日本天文学会秋季年会 (@岡山理科大) 家(日本のELT計画参加状況報告;V09a)、秋田谷(TMT用セグメント鏡試験加工報告;V10b)が成果報告予定
http://www.asj.or.jp/nenkai/archive/2008b/session-V.html
9/13 光赤天連総会 (12:30-天文学会年会F会場)
10/23 TMT Board会議 (@Pasadena)
11月 TMT装置検討会第一回ヒアリング (@国立天文台三鷹)

No.32008年7月31日(旧Jelt News Letter)

  • [1] TMT Board会議(2008/7/10開催)報告
  • [2] TMTの観測装置案の検討会始まる
  • [3] この間の動き
  • [4] 今後の予定

[1] TMT Board会議(2008/7/10開催)報告

2008/7/10に PasadenaのTMTオフィスで開催された TM Board会議に、高見(ELT室)、山田(東北大)の2名が参加致しました。次回のBoard会議は、10/23(木)に予定されています。

* TMTボード会議報告
2008年7月10日 9:30-15:00(Openセッションのみ) 
パサデナTMTオフィスにて

参加者、
TMTボードメンバー:
S. Kulkarni(TV), E. Stone, A. Lange(Caltech), R. Ellis (Oxford)
M. Bolte (UCSC), H. Yang(UCSB, Chancellor)
R. Carlberg (Canada, U. Tronto) G. Fahlman (Canada, HIA D.G.),
R. Racine (Canada)
プロジェクト側:
J. Nelson (Project Scientist), G. Sanders (Project Manager)、
S. Dawson(ハワイ対応)
オブザーバー:高見(Subaru)、山田(東北大)

1、プロジェクト報告
  1. 1)サイトテスト
    2008年6月にOMKMとサイトテスト施設の撤去とそのセレモニーをおこなった。
  2. 2)望遠鏡光学系
    業者が実寸の鏡材をつかって研磨を行いつつある。M2、M3の設計契約がほぼ完了、設計検討のレポートができている。
  3. 3)AO
    リアルタイム計算機の契約は進んでいる。レーザーのKeck、ESOとの共同開発の議論を進めている。
  4. 4)観測装置
    IRISに関しては、UCLA/Caltech、COO/HIA/NAOJでの検討進んでいる。
  5. 5)DDP(調査、開発フェーズ) とECP(初期建設フェーズ) の必要経費の報告
    があった。内訳は、主鏡関係、望遠鏡技術、装置・AO開発、など。
  6. 6)チリとの交渉
    基本的には順調に進んでいる。
2、NAOJの進捗報告
  1. 1)国立天文台のLetter of Intentの準備状況の説明を行った。
  2. 2)国立天文台のビジネスプランとして、主鏡の試作研削予定、第一期装置開発への参加、第二期装置国内検討開始の説明を行った。
3、Strategy Group
  1. 1)GSMT会議(シカゴ)において、TMTは他計画と比べて具体的な進展・現実性があるとの評価が得られた。
  2. 2)ハワイサイト取得
    EIS(環境影響評価)の契約開始、CMP(Comprehensive Management Plan)作成のスケジュール、地元との議論、地元への利益還元方法などについての取り組みが報告された。また、地元の理解を得るための重要なステップとしての山頂望遠鏡の撤去方法が議論された。
  3. 3)他の参加国の可能性についての調査が議論された。

[2] TMTの観測装置案の検討会始まる

TMTの観測装置の日本提案についての検討会を始めるにあたって、7/23(水)に、提案5装置のPIが集まって打ち合わせを行いました。今後のスケジュールとともに相互の協力関係、これからの具体的なアクションについて意見交換を行いました。

8月21日ー22日開催(国立天文台・三鷹)予定の光天連シンポジウム『地上大型望遠鏡計画:2020年のための決心』で装置の概要が公表されますので、これをキックオフとして各装置について、装置スペック・開発体制・展開されるサイエンスなどを軸に、みなさんといっしょに議論を盛り上げていきたいと考えております。

TMT観測装置提案検討会

[3] この間の動き(7月5日以降)

7/10 TMT Board会議 (@ Pasadena)
7/23 TMT装置検討会0次打ち合わせ (@国立天文台三鷹)

[4] 今後の予定

8/21,22 光赤天連シンポジウム (@ 国立天文台三鷹) 「地上大型望遠鏡計画:2020年のための決心」開催(光赤天連主催)
http://home.hiroshima-u.ac.jp/hasc/koutenren/sympo080821.txt
8/28 TMT Science Advisory Committee (SAC) (@ Pasadena) 日本からオブザーバー参加予定
9/11-13 日本天文学会秋季年会 (@岡山理科大) 家(日本のELT計画参加状況報告;V09a)、秋田谷(TMT用セグメント鏡試験加工報告;V10b)が成果報告予定
http://www.asj.or.jp/nenkai/archive/2008b/session-V.html

No.22008年7月4日(旧Jelt News Letter)

  • [1] TMTの観測装置案の応募状況
  • [2] TMTの第一期観測装置(IRIS、WFOS)グループへの参加
  • [3] この間の動き
  • [4] 今後の予定

[1] TMTの観測装置案の応募状況

TMTの観測装置の日本提案について公募をいたしました。6月末日に募集を締め切ったところ以下の5件の応募がありました。装置名などはまだ仮のものですのでご注意ください。これから約1年半かけて検討会を数回開催し、提案をよりよいものに練っていくとともに日本で製作を行う観測装置を決定したいと考えております。装置提案については、とりあえず一度締め切ったもので、今後も受け付けます。アイデアがあればぜひご提案ください。

http://jelt.mtk.nao.ac.jp/tmtinst/index.php?plugin=attach&refer=Files&openfile=inst_pub_offer_v080522.pdf

提案のあった装置名(仮)及び代表者

  1. 1)「可視高分散分光器(HROS)」 青木和光(国立天文台)
  2. 2)「 Mid-Infrared Low-resolution Spectrometer with Integral Field Unit (MILFIEU)」 山下卓也(広島大学)
  3. 3)「近赤外高分散分光器」 小林尚人(東京大学・天文学教育研究センター)
  4. 4)「広視野、高空間分解能、赤外線多天体IFU分光器」 秋山正幸(東北大学)
  5. 5)「多天体近赤外面分光装置(補償光学系付き)」 高見英樹(国立天文台・ハワイ観測所)

(受付順)

[2] TMTの第一期観測装置(IRIS、WFOS)グループへの参加

TMTの第一期観測装置3台の内、IRISとWFOSの装置グループに日本から参加する件について、TMTプロジェクトのDavid Cramptonと検討しています。主なグループとしては、それぞれの装置について

  • 設計・検討グループ
  • サイエンスグループ

があります。現状では、IRISの設計・検討グループに日本からハワイ観測所の鈴木・小西さんと臼田が参加しています。 TMTを用いたサイエンスについて、日本も独自で検討をおこなっていきたいと思います。TMTの第一期観測装置(IRIS、WFOS)の設計・検討、やサイエンスに興味がある方は、臼田までご連絡ください。

[3] この間の動き(5月22日以降)

5/31,6/1 第2回学術会議シンポジウム (@ 東京大学小柴ホール)
「天文学・宇宙物理学の展望 長期計画の策定へ向けて」
戸谷友則京都大学准教授がTMTで期待されるサイエンスについて講演
高見英樹国立天文台教授がTMT計画参加に向けた検討状況を講演
http://jelt.mtk.nao.ac.jp/Japanese/news/news20080531.html

6月23-28日 SPIE(マルセイユ)開催
ELT室からは3名(家、高見、秋田谷)が参加
http://jelt.mtk.nao.ac.jp/Japanese/news/news20080629.html

[4] 今後の予定

7/10 TMT Board会議 (@ Pasadena)
8/21,22 光赤天連シンポジウム (@ 国立天文台三鷹) 「地上大型望遠鏡計画:2020年のための決心」 開催予定(光赤天連主催)

No.12008年5月21日(旧Jelt News Letter)

  • [1] はじめに
  • [2] TMT Science Advisory Committee (SAC) (4/22開催)報告
  • [3] TMT Board会議(4/28開催)報告
  • [4] 今後の予定

[1] はじめに

このメールは国立天文台ELTプロジェクト室からお送りしております。

国立天文台ELTプロジェクト室では、日本の天文学コミュニティがELT(次世代超大型望遠鏡)計画の一つ、TMT計画へ参画することを目指し、様々な取り組みを行っております。この度、取り組み状況の進展について、「JELT News Letter」として、関心をお持ちの皆様にご報告することと致しました。

なお、以前からのELT計画推進ワーキンググループのメーリングリストに準拠し、さらに、TMT計画への参画に関心をお持ちと思われる方々を当プロジェクト室の判断で加えさせていただいた上で、新しいメーリングリスト jeltwg jelt.mtk.nao.ac.jp を立ち上げました。
本 News Letter は、このメーリングリストに配信しております。

登録メールアドレスの変更、削除、新しいメンバーの追加などのご要望がありましたら管理者(連絡先は文末)までご連絡ください。

[2] TMT Science Advisory Committee (SAC) (4/22開催)報告

【SAC報告】
TMTのScience Advisory Committee (SAC)は、3ヶ月毎に開催されています。日本からはオブザーバーとして家さんと臼田が参加し、ユーザーの立場からTMTの望遠鏡や装置、サイエンスについて議論をしています。
4月25日にパサデナのTMTオフィスにてSAC会議が開催され、日本からは臼田が参加しました。以下、概要について報告します。

  1. 1) 望遠鏡本体
    • 主鏡についての技術検討がメーカーで始まりました。主鏡については、日本でも並行して検討中です。
    • 副鏡・第三鏡の設計について2社の入札がありました。こちらも日本で並行して検討する予定です。
    • 望遠鏡のスパイダー構造について新しい設計案が出てきています。これにより、光遮断を2/3まで減少し、風による力もファクターで4倍減少しつつ、堅さを維持しています。
  2. 2) 観測装置
    • IRISについて開発チームが具体的になっています。PIはUCLAのJames Larkinで、UCLAはレンズアレイによる三次元分光モードを担当します。CoIは、CaltechのAnna Mooreでイメージスライサーモードを担当します。日本は撮像モードについて担当し、鈴木竜二・小西真広氏と臼田が検討に 参加しています。 プロジェクト・サイエンティスト (PS)はUCIのBetsy Bartonです。
    • WFOSについても組織が具体的になってきています。PIはUCO/LickのRebecca Bernstein、PM (Project Manager)はUCSCのBruce Bigelow (PM)、PSはCaltechのChuck Steidelです。日本からも開発チームおよびサイエンスチームへの参加を期待されています。
    • IRMSについては、MOSFIRE (2009年Keckに取付予定)の進行状況待ちで、組織化は進んでいません。
  3. 3) サイト
    • 5カ所のサイト調査は完了し、どのサイトも合格という結果がでました。サイト調査の結果はSPIEで報告され、その後一般に公開されます。
    • マウナケア (MK13N) については、晴天率は約75.8%、観測不可能時間は3~9%で高湿度が主な理由です。
    • チリで最有力候補地のアルマソネスは、晴天率約89.2%、観測不可能時間は3~9%で風速が主な理由です。
    • VLTのパラナルサイトは、南北の尾根構造に近いため尾根を超える風の影響が年々増えているためシーイングが悪くなっているという考察がありました。アルマソネスは尾根から離れているため、この影響は小さい見通しです。
  4. 4) その他
    • TMTのObservatory Scientistとして、望遠鏡の運用プラン等を担当していたDavid Silva氏が、7月からNOAOの所長に就任することになりました。
    • "Science With Giant Telescopes: Public Participation in TMT and GMT"という研究会が以下の日程で開催され、TMTとGMTとの関係について議論される予定です。
      June 15-18 @Chicago (InterContinental Hotel)
      http://www.gsmt.noao.edu/files/swgt-agenda.pdf

[3] TMT Board会議(4/28開催)報告

4/28に PasadenaのTMTオフィスで開催された TM Board会議に、ELT室から家・高見の2名が参加致しました。以下に報告致します。

【TMTボード会議報告】

日時場所: 2008年4月28日 9:00-16:00 TMTオフィスパサデナ
参加者
TMTボードメンバー:
S.Kulkarn, E.Stone, R.Ellis, T.Tombrello (Caltech),
M.Bolte (UCSC), S.Olsen (UCLA, Vice Chancellor),
H.Yang(UCSB, Chancellor), R.Carlberg (Canada, U. Tronto),
G.Fahlman (Canada, HIA D.G.), R.Racine (Canada)
プロジェクト側:
J.Nelson (Project Scientist), G.Sanders (Project Manager),
C.Steidel (SAC), D.Silva (NOAO所長に転出)
オブザーバー:
J.Omura (Moore財団顧問)、家、高見、

1、会議の前(Yang、Stone、Ellis、家、高見)

観山台長のLOIのドラフトを検討

2、ボード会議

2-1、プロジェクト報告(Sanders)

  1. 1)予算状況
    DDP (Design Development Phase) の予算状況
  2. 2)サイトテストレポート
    • 4/25のサイトテスト報告で一連の事業は終了。アルマゾネスのみ測定継続。
    • マウナケアのテストタワーは2008年6月に撤去。
    • アルマゾネスとマウナケアのバランスをとったデザインを進める
  3. 3)望遠鏡、装置
    • 主鏡:
    • 第二鏡、第三鏡: 
    • AO: RTC(リアルタイムコントローラー)
    • その他
  4. 4)装置
    IRIS 日本の装置サイエンティストが撮像系の設計に参加との報告
  5. 5)建設計画
    チリでの用地確保についての方針報告
  6. 6)ESOとの協力
    技術的な問題についての協力を進める。MOU作成中。セグメント鏡仕様の共有、AO、レーザー調達など
  7. 7)初期建設までのスケジュール
    2008年6月 サイトテスト、TMT設計進捗外部レビュー
    2009年2月 PDR
    2009年6月 サイト決定
    2010年6月 Final Design Construction Readiness Review

2-2 Strategy Group レポート

  1. 1) 全般(Richard Ellis)
    • ハワイにおけるTMTのEIS(環境アセスメント)とハワイ大学によるCMP(マウナケアの使用方針)
    • 日本の参加と、他のパートナーの可能性(大きな動きがあるわけではない)
    • マウナケアサイトに関する動き
  2. 2)UHへの望遠鏡時間について(Bolte)
  3. 3)チリの用地取得
    アルマゾネスについては現在使用権(2011年3月まで)を持っているUCN(北Catolica大)と交渉中。

2-3.NAOJ-ELT報告(家)
1月以降の進展について、そして観山台長署名のEd Stone宛手紙と、Letter of Intent(LOI)草案について報告。

2-4 SAC報告(Steidel)
このサイトテスト結果は、SPIEなどで公表することになった。

2-5.最新のサイトテスト解析報告(Nelson)

3、Executive Session(サイト関係の議題については家、高見出席)
  1. 1)望遠鏡デコミッション
    TMTを設置するためには、マウナケアから望遠鏡をデコミッションすることが求められる。その候補について議論があった。
  2. 2)サイト選択
    これまでの議論を踏まえて、北天の候補地はマウナケア、南天の候補地はアルマゾネスと決定した。これについて早急に新聞発表をおこなうことになった。

[4] 今後の予定

5/31,6/1 第2回学術会議シンポジウム (@ 東京大学小柴ホール) 「天文学・宇宙物理学の展望 長期計画の策定へ向けて」 ELT室員(高見) ELT計画の現状に関して講演予定
7/10 TMT Board会議 (@ Pasadena)
8/21,22 光赤天連シンポジウム (@ 国立天文台三鷹) 「地上大型望遠鏡計画:2020年のための決心」(仮題) 開催予定(光赤天連主催)