2025年

No.882025年10月23日

  • [1] 報告: TIO評議員会、臨時評議員会
  • [2] 報告: WFOS PDR1 (8/8-8/9)
  • [3] 報告: MODHIS CoDR-3 (9/24-9/25)
  • [4] 報告: TMT科学諮問委員会 (8/28)
  • [5] 報告: すばるTMT合同科学諮問委員会 (9/18)
  • [6] お知らせ: 三鷹星と宇宙の日
  • [7] 報告: その他
  • [8] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

[1] 報告: TIO評議員会

2025年度はこれまで3回(4月23~24日、7月22~24日、10月14~16日:米国時間)パサデナのTMT国際天文台(TIO)オフィスで評議員会を開催しました。併せて、オンラインで臨時評議員会を4回(6月20日、7月4日、8月18日、8月21日:日本時間)開催しました。

また、5月30日(米国時間)に発表された2026年度米国国立科学財団(NSF)予算教書において、TMTは最終設計段階に進めないと記載されたこと、7月23日(現地時間)に、スペイン科学・イノベーション・大学省のDiana Morant大臣が、カナリア諸島ラパルマ島にTMTを誘致するために、建設資金の一部としてスペイン技術イノベーション開発センター(CDTI:Centro para el Desarrollo Tecnológico y la Innovación)を通じて最大4億ユーロを出資する提案が発表されたことを受け、6月以降、評議員会メンバーによるオンラインでの準備会合を毎週開催しています。主な議論および報告内容は下の通りです。

(1) 今後の方針
TMT計画が置かれている状況が非常に厳しいことを認識しつつ、全パートナーで、TMTを実現する意志を確認し、協力して計画を進めています。一方、財政的に厳しい状況になっているため、TIO職員の削減や一部の契約(米国での主鏡研磨加工)を中止し、持続的に事業を維持できるよう、評議員会はTIO執行部と協力して取り組みを進めています。

(2) NSF
TIOや国立天文台等が進めている、NSF、OSTP(科学技術政策局)、OMB(行政管理予算局)、連邦議会関係者との会合など、TMTをNSFの最終設計段階に進めるための諸活動について、情報共有と方針の議論が行われています。日本は常田NINS特任教授を中心に進めている日本政府の諸活動等について報告しています。

(3) ハワイ
TIOや国立天文台等が進めているハワイでの活動など、TMTをマウナケアに建設するための諸活動について、情報共有と方針が議論されています。日本は常田NINS特任教授を中心に進めている日本政府の諸活動や、川合NINS機構長、土居台長のハワイ訪問、アラメダハワイ郡長の日本訪問等の活動内容について報告しています。

(4) ラパルマ
TIO評議員会は、スペイン政府からの提案について、詳細内容を検討し、課題や代替提案等についてTIO執行部と協議しています。また、CDTIおよびIAC(Instituto de Astrofísica de Canarias)とTIOとの協議内容や進捗を確認し、今後の方針等についてTIO執行部と議論しています。

(5) 資金計画
追加分担金支払いに関する各メンバーの状況を確認し、今後の対応について議論しています。日本は土居台長から、スケジュール通りに追加分担金の支払いを行なっていることや、日本の2026年度予算の確保に向けた国立天文台の活動等を説明しています。

(6) TIOにおける設計・開発
主に次の内容について、評議員会で進捗が適宜報告されています。

  • NSFの設計開発費を受け、副鏡および第三鏡の支持・位置制御機構、副鏡(凸面)の鏡面測定方法、主鏡制御システム等の設計が進められ、それぞれの段階でのTIOによる設計審査が進められています。
  • カナダとTIOの協力で、補償光学装置(NFIRAOS)の可変形鏡の製作が進められています。
  • 国立天文台やNINSアストロバイオロジーセンターと協力し、第一期観測装置IRIS、WFOS、MODHISの設計・開発が進められています。WFOSは8月に基本設計審査(第1回)を実施し、国立天文台先端技術センターで開発してきた面分光機能が基本機能として追加されることが推奨されました。9月にはMODHISの概念設計審査が無事に完了し、基本設計段階に進みました。IRISは12月の最終設計審査に向けて資料作成等の準備が進められています。

(7) 国内における設計・開発
主に次の内容について、国立天文台から評議員会で進捗を適宜報告しています。

  • 主鏡分割鏡材の製造再開にむけた準備活動として、鏡材(オハラ社クリアセラム)の製造に用いられている熔解炉を用いた試作・品質の検証、球面研削加工の再開に向けた準備が進められています。
  • 外形加工(非球面研磨加工後、六角形にカットされ、裏面にセンサーポケット等の加工)の量産に向け、国内メーカーによる試作を含めた開発が進められています。
  • 望遠鏡本体構造の静圧軸受について、国内メーカーは、新たに担当する海外メーカーと設計変更・製造準備に向けた協議が進められています。

[2] 報告: WFOS PDR1 (8/8-8/9)

広視野可視分光器 WFOSは基本設計段階にあり、8月8,9日にPDR1と呼ばれる設計審査会が行われました。この審査会では基本設計段階が始まってからの進捗について審査され、大きな問題も指摘されず、開発を進めて良いという判断が下されました。今回の審査会の大きな議題の一つは、日本が長らく検討を進めてきた面分光ユニット(IFU)を必須機能に加えるべきかという点でした。IFUの必要性は認められていましたが、予算の都合上、将来計画として位置づけられていました。ところが最近WFOS本体の設計変更に伴い、開発経費が減少したために、IFUを必須機能に格上げする余地ができました。審査の結果はIFUを必須機能に加えるべきというものでした。TIOで承認されれば、IFUの必須機能格上げが本決まりになります。

[3] 報告: 第3回MODHIS概念設計審査会 (9/24-9/25)

パサデナ時間2025年9月24~25日に第3回MODHIS概念設計審査会(MODHIS CoDR-3)がZoom会議にて行われ、AO装置との機械的インターフェース部や偏光機能導入コンセプトを中心にMODHIS CoDR-2からの設計更新が示されました。審査の結果、MODHIS概念設計は完了し装置は基本設計に進むことになりました。審査パネルは答申の中で、MODHIS設計要求にy+Jバンド偏光分光を加えることを推奨しました。

[4] 報告: TMT科学諮問委員会 (8/28)

TMTとすばる望遠鏡が共同で描く宇宙像をまとめた「サイエンスブック2020」の更新の可能性を検討するため、各委員が自身の専門分野におけるJWSTなどによる最新の科学成果を踏まえた調査を行い、共有しました。JWSTの登場により多くの分野で新たな発見が得られている一方で、TMTの高い空間・波長分解能がなければ達成できない観測があることが改めて確認され、その科学的価値が再認識されました。

科学運用検討WGでは、TMTの科学運用体制に関する議論が継続的に進められています。米国ELT-Pから提供される運用システムの活用範囲や観測モード、TAC、データアーカイブのあり方など、幅広い課題が取り上げられており、背景の複雑さから議論が発散しやすい状況にあります。現在は、事実と意見を整理しながら共通認識の形成を図り、来年夏前の答申案提出に向けて本格的な検討が進められています。

装置開発戦略検討WGでは、TMT関連の装置開発に関する戦略的経費のあり方について、予算の厳しさや人材不足といった課題を踏まえた議論が行われています。現在、コミュニティから広く意見を集めるためのアンケートを実施中で、次回のすばるUMでその結果を紹介・議論する予定です。

[5] 報告: すばるTMT合同科学諮問委員会 (9/18)

TMTプロジェクトから最新の予算や建設費に関する進捗状況の説明が行われるとともに、TMT科学諮問委員会での議論をもとに、TMT戦略基礎開発経費の検討内容や科学運用案がすばる科学諮問委員会へ共有され、合同の委員による議論が行われました。すばるUMのTMT関連セッションでも取り上げるべき論点として、装置開発面でのすばる望遠鏡とTMTの連携のあり方や、NSF国立光赤外線天文学研究所(NOIRLab)で開発中のプロポーザル管理システムを活用したTMT-すばるの一体的な科学運用の可能性についても話し合われました。

[6] お知らせ: 三鷹星と宇宙の日 (10/25)

今年の国立天文台三鷹キャンパスの特別公開「三鷹・星と宇宙の日 2025」も、入場制限を設けずに 現地で開催されます。TMTプロジェクトは、分割鏡試作品(実物大)の展示解説と、お子さまも楽しめるクイズ企画を展示室ロビーで行います。すばる棟では、ハワイ観測所と合同で、サイエンスカフェ、分光器ワークショップ、ビンゴ大会、VR体験など様々な企画などが行われます。詳しくは、国立天文台の特設サイトをご覧ください。
三鷹・星と宇宙の日 2025

[8] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

10/25 三鷹・星と宇宙の日 2025
10/29-10/31 すばるユーザーズミーティング 2025

No.872025年7月14日

  • [1] NSF 2026年度予算教書におけるTMT計画の位置付けとそれを受けた取り組み
  • [2] 報告: TMT科学諮問委員会 (5/22)
  • [3] 報告: 第1回TMTウェビナー (5/14)
  • [4] 報告: (その他)
  • [5] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

[1] NSF 2026年度予算教書におけるTMT計画の位置付けとそれを受けた取り組み

2025年5月30日、米国国立科学財団(NSF)は2026年度(2025年10月~2026年9月)の予算教書(要求書)を米国連邦議会に提出しました。この中で、2基の望遠鏡で構成される米国超大型望遠鏡(US-ELT)計画に関し、GMT(巨大マゼラン望遠鏡)を最終設計段階に進める一方で、TMTは同段階に進めず、 追加資金提供を約束しないという方針が示されました。

これはTMT計画にとって厳しい記載内容ですが、米国の予算は、歳出権限を唯一持つ米国連邦議会が決定するので、今後の議会の動向が重要です。昨年のNSFの予算教書でもUS-ELTプログラムとして2基のうち1基を残す方針が示されていましたが、上下両院の歳出委員会は2基によるUS-ELTプログラムへの支持が明記されました。過去には、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)やナンシー・グレイス・ローマン宇宙望遠鏡のように、当初の行政府の予算提案には盛り込まれなかったものの、米国連邦議会での審議を経て大型予算が措置された前例もあります。

米国では現在、10月からの新年度に向けて上下両院の歳出委員会で予算審議が続いています。TMT国際天文台では、TMT計画をNSFの最終設計段階に進め、建設を実現できるよう、米国議会や政府機関への働きかけを行っており、国立天文台もこれに全面的に協力しています。 NSF予算教書提出を受けて、日本天文学会、日本惑星科学会、光学赤外線天文連絡会運営委員会から、TMT計画の推進と実現を強く支持するサポートレターをお寄せいただきました。各団体からのご支援に感謝申し上げます。レターは英訳も行い、国内外での活動に当たり日本のコミュニティからの支持をアピールしています。

6月10日には天文学関係者向けにオンライン説明会を開催し、約400名の方々にご参加いただきまた。そこでのご質問・コメント、および説明会後のアンケートへの多数のご意見に、感謝申し上げます。引き続き、ご意見とご支援、よろしくお願いいたします。

TMT計画に対する国内学術団体からのサポートレター
TMT計画が新たに直面している課題について天文学関係者向け説明会を開催
カナダ天文学会とカナダ天文学大学連合がTMT を支持する意見書を共同で米国国立科学財団へ提出

[2] 報告: TMT科学諮問委員会 (5/22)

5月22日に行われたTMT科学諮問委員会では次の事項が議論されました。

(1)科学運用
TMTの科学運用に関する検討を進める中で、すばる望遠鏡との将来的な連携運用の重要性が改めて確認されました。この連携を実現するには、すばる科学諮問委員会での議論を経て、すばるUMなどを通じてコミュニティの意見を反映し、ハワイ観測所への提言につなげる必要があります。

また、NSF国立光赤外線天文学研究所(NOIRLab)で開発が進められている「US-ELT NOIRLabプログラムプラットフォーム」(NPP)は、TMT・すばるの連携運用において重要な基盤となる可能性があります。TMTがこの枠組みに早期に関与することが望ましく、本委員会ではTMTプロジェクトに対しNOIRLabとの連携を推奨する方針です。

(2)次期装置開発
TMTの次期装置開発の方向性について、2022年に作成された「次期装置開発に向けたロードマップ」のアップデートを検討しています。特に、JWSTによる最近の成果や各分野の科学的進展を踏まえ、より具体的な装置開発計画を策定するための議論が進められています。その一環として、本委員会メンバーがそれぞれの専門分野における最近の研究動向を調査し、改訂の必要性を探ることになりました。

これらの議題は、7-8月に開催予定のすばる・TMT合同科学諮問委員会において改めて議論される予定です。また、同委員会では、10月に開催予定のすばるUMにおけるTMTセッションの構成や議論内容についても検討が行われる予定です。

[3] 報告: 第1回TMTウェビナー (5/14)

TMT時代に向けて、どのような最前線の研究が展開されるのかを共有し、 議論を深めるために、TMT科学諮問委員会が中心となってウェビナーシリーズを立ち上げました。

第1回は、2025年5月14日(水) 10:00~11:30に開催されました。東北大学の田中雅臣氏は、「TMTによるマルチメッセンジャー天文学の展開」と題し、重力波の可視光対応天体の観測や、高エネルギーニュートリノ天体の分光観測など、TMTによる地上観測の役割について説明されました。続いて、NASA JPLの長谷川靖紘氏による「TMTで紐解く惑星系の起源」では、系外惑星の探査やその特性の理解、そしてそれに必要な観測装置についての紹介がありました。いずれの講演も最新の研究動向を踏まえた内容で、アンケートでは、講演内容に対する参加者の満足度が高いことがうかがえます。最後に、臼田TMTプロジェクト長より、プロジェクトの進捗状況について報告がありました。

次回のウェビナーは、2025年10月2日(水)10:00~11:30に開催予定です。講師には、金沢大学の中島王彦氏、およびハワイ観測所の寺居剛氏をお迎えします。ぜひご参加ください。

[5] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

7/16-7/18 第3回TMT-ACCESS
8/28 TMT科学諮問委員会
10/2 第2回TMTウェビナー
10/25 三鷹・星と宇宙の日

No.862025年3月31日

  • [1] お知らせ: 第3回TMT-ACCESS (7/16-7/18)
  • [2] お知らせ: TMTウェビナー開催 (5/14)
  • [3] お知らせ: 2025年度 TMT戦略基礎開発経費
  • [4] 報告: TIO評議員会 (2/13-2/14)
  • [5] 報告: TIO SAC (2/1)
  • [6] 報告: TMT科学諮問委員会 (3/5)
  • [7] 報告:「すばるUM2024」におけるTMTセッション開催 (1/30)
  • [8] お知らせ: OPIE2025
  • [9] お知らせ: JpGU2025
  • [10] 報告: (その他)
  • [11] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

[1] お知らせ: 第3回TMT-ACCESS (7/16-7/18)

分野横断型 TMTサイエンスワークショップシリーズ TMT-ACCESS (TMT eArly Career Centered, Engineers-Scientists Synergy)の第3回が国立天文台三鷹 キャンパスで開催されます。今回は「極限性能を引き出すための装置開発の課 題とブレークスルーに向けて」をテーマに、第1回・第2回のアウトプットや招 待講演をベースに、より具体的な装置開発を目指してグループディスカッショ ンを行います。また、国立天文台と東京大学のラボ見学も行います。国際プロ ジェクトでの活躍を目指す若手研究者はぜひご参加ください。

TMT-ACCESS 2025

[2] お知らせ: TMTウェビナー開催 (5/14)

TMTに関する研究者向けウェビナーシリーズを開始します。第1回はTMTで期待さ れる研究について講演いただきます。

  • 日時: 2025年5月14日 10:00~11:30
  • 講演者: 田中 雅臣 (東北大学)、長谷川 靖紘 (NASA JPL)

詳細・参加方法は追ってご案内します。今後のシリーズもぜひご期待ください。

[3] お知らせ: 2025年度 TMT戦略基礎開発経費

国立天文台TMTプロジェクトでは、将来のTMT観測装置の実現に向けた基礎開発 研究計画を募集します。TMT計画において日本が重要な貢献を果たすためには、 大学等の研究者の皆さんが、独自性の高いアイデアや強みのある技術を活かして TMTの開発に参加することが極めて重要であり、本開発経費はそのような活動を 支援することを目的としています。詳細は、4月上旬にTMTプロジェクトウェブ サイトの研究支援情報に掲載します。

[4] 報告: TIO評議員会 (2/13-2/14)

2025年2月13~14日(日本時間)に、TIO評議員会がオンラインで開催されました。 今回も常田NINS特任教授が共同議長として議事進行を行いました。 主な内容は 以下の通りです。

(1) プロジェクト報告(Liu プロジェクトマネージャ)

(1a) ハワイにおける主な活動および状況

  • 1000人超(半数以上はTMTに反対していたハワイ先住民で、2019年逮捕者を含む) と対話。
  • 教育支援や環境保護、先住民文化の学習等、コミュニティの意見に基づいたプログラムを実施。
  • マウナケアとハワイ文化に関するTIO職員向けのトレーニングを実施 。
  • アラメダ郡長は、2019年時にはTMT計画に反対していたが、現在のTMTは当時と大きく変わっており、環境配慮や文化への敬意、地元への利益を伴うTMTの建設への道筋をつけたいと一貫して発言。
Liuプロジェクトマネージャから、TIOとして、TMTについて語るのを控えるので はなく、正しく語ることが過去に生んだ分断を修復し、未来を拓くことになる との見解が示されました。

(1b) 設計・開発の主な活動

  • 副鏡および第三鏡の支持・位置制御機構、副鏡(凸面)の鏡面測定方法、主鏡 制御システム、第一期観測装置(WFOS、MODHIS)等の設計を進め、それぞれの段 階での審査が順調に進んでいます。
  • 補償光学装置(NFIRAOS)の可変形鏡の製作が進行中。
  • 米国での主鏡研磨が進行中で124枚完了。外形加工に向けたフルサイズでの試 作完了。
  • 紫外波長域の反射率を向上した銀コーティングの耐久試験をマウナケア山頂 域で実施中。2年経過し、劣化は小さく、結果は良好。
  • データマネジメントシステムの最終設計審査に合格。日本からは国立天文台 天文データセンターの高田准教授、アルマプロジェクトの中本主任研究技師が 審査に参加。

(2) SAC報告(秋山委員長)

  • 秋山氏が委員長を退任し、Stanimir Metchev氏(カナダ・ 西オンタリオ大学 教授)に交代することを承認。
  • 日本のSAC委員として新たに安井千香子助教(国立天文台)が承認され、日本の 委員は、成田憲保教授(東京大学、共同議長)、田中雅臣准教授(東北大学)、安 井助教および臼田プロジェクト長(評議員)が務めます。

(3) 今後の重要事項について関する議論

  • 前回の評議員会に続いて、追加分担金支払いに関する各メンバーの状況を確 認し、今後の対応について議論しました。日本は土居台長から、スケジュール 通りに追加分担金の支払いを行ない、TMT計画実現に向け尽力し続ける意向を表 明しました。また日本の2026年度予算の確保に向けた活動として、1月に阿部文 部科学大臣、赤松文部科学大臣政務官が国立天文台を訪問された際にTMTの重要 性の説明を訴えたこと等について説明しました。
  • 全米におけるUS-ELT計画への支持強化のため、米国の評議員とTIO執行部で構 成されるUS Advocacy Teamの10月以後の活動内容について報告と議論がありま した。
  • NSF最終設計段階に向けた準備として、12月に公表されたNSFのRSV報告で指摘 された課題(例:Risk Management)の改訂案にTIOから報告があり、内容について 議論されました。

[5] 報告: TIO SAC (2/1)

(1) 日本のSACメンバーが交代し、長期にわたって委員を務められた秋山氏(東 北大学)と、本田氏(岡山理科大学)が退任しました。成田氏(東京大学)が co-chairに就任し、田中氏(東北大学)も引き続きメンバーとして参加します。 新たにTMTプロジェクトから安井が加わりました。また、SACのchairには秋山氏 の後任としてカナダのStanimir Metchev氏が候補に挙げられ、2月のTIO評議員 会に推薦することになりました([4]参照)。

(2) 2024年に詳細科学計画書(DSC)が改訂されたのをうけ、科学広報用の冊子の 作成等の活動が紹介されました。
TMT'S SCIENTIFIC VISION

[6] 報告: TMT科学諮問委員会 (3/5)

(1) 1月30日のすばるユーザーズミーティング内のTMTセッションについて、TMT プロジェクトの伊王野と西山副委員長(宮城教育大学)より報告がありました。 セッションでは、科学目標の更新、R&D、TMTとすばるの一体運用について話し 合われ、アンケートも実施しました。委員会では、このようなセッションを継 続するべきとの意見が多く、引き続きすばる科学諮問委員会と連携して、検討 を進めていきます。

(2) 2月1日のTIO-SACについて、秋山委員(東北大学)より報告がありました([5] 参照)。

(3) 今期委員会では、3つのワーキンググループに分かれて諮問事項を検討して います。科学運用検討WGでは、岡本委員(国立天文台)より、初回会合で行われ た、前期までの科学諮問委員会での議論の理解と意見交換が報告されました。 装置開発WGからは、TMT戦略基礎開発経費の紹介と募集についての議論が報告さ れました。科学広報WGについては小西委員(大分大学)より、TMTウェビナーや装 置開発ワークショップの開催提案と、日本国内でのサイエンスブック更新の可 能性や他分野への広報活動などについての議論が提起されました。

(4) 第3回TMT-ACCESSについての報告が世話人の百瀬氏(カーネギー天文台)より されました。

(5) TMTプロジェクトの進捗報告が青木 副プロジェクト長よりされました。

[7] 報告:「すばるUM 2024」におけるTMTセッション開催 (1/30)

2025年1月28日~30日に国立天文台三鷹キャンパスで開催された「すばるユー ザーズミーティング2024」において、90分間のTMTセッションを実施しました。 現在のすばるユーザーは将来のTMTユーザーの中核を担うことが期待されるため、 本セッションではTMTで期待されるサイエンス、プロジェクトの進捗状況、開発 の最新動向について広く情報共有し、ユーザーの意見を集約することを目的と しました。セッションでは、TMTのサイエンスに関する講演2件、プロジェクト 報告、TMT戦略基礎開発経費に関する講演およびその成果報告(2件)を行いまし た。サイエンス講演では、川島由依氏(京都大学)に系外惑星探査について、尾 上匡房氏(IPMU)にクエーサー観測への期待についてご紹介いただきました。ま た、Julien Lozi氏、尾崎忍夫氏(国立天文台)より、将来のTMT観測装置につな がる技術開発の一環として、現在のすばる望遠鏡で進められている近赤外線分 光装置の開発状況が報告されました。今後もTMTとすばるの一体運用に向けて、 ユーザーの皆様の貴重なご意見を伺いながら取り組みを進めてまいります。

[8] お知らせ: OPIE2025 (4/23-4/25)

4月23日(水)-25日(金)にパシフィコ横浜で開催される宇宙・天文光学EXPOに、 国立天文台のブースを出展します。今年は、TMTプロジェクトと産業連携室の 展示を行います。また、特別セミナー「国立天文台を活用する研究者が語る天 文コース」では、国立天文台の技術について平松と服部が、TMTプロジェクトの サイエンスについて安井が講演します。参加をご希望の方は、事前登録のうえ お越しください。皆さまのご来場をお待ちしております。
事前登録
国立天文台を活用する研究者が語る天文コース

[9] お知らせ: JpGU2025

日本地球惑星科学連合大会が、5/25-5/30に幕張メッセで開催されます。TMTプ ロジェクトは、アルマ望遠鏡と合同でブースを出す予定です。現地ブースに加 え、オンラインブースもありますので、現地に来られる方も、そうでない方も、 TMT/アルマブースにお立ち寄りいただけると幸いです。
JpGU2025

[10] 報告: その他

次の報告については、TMTプロジェクトウェブサイトをご覧ください。

[11] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

4/23-4/25 OPIE 宇宙・天文光学EXPO 2025
5/14 TMTウェビナー
5/25-5/30 日本地球惑星科学連合2025年大会
7月16日-18日 第3回TMT-ACCESS