非球面研磨加工を終えた分割鏡の品質審査(4-11枚目)
2月11日の記事で非球面研磨加工を終えた分割鏡(ラウンデル)の最初の一枚の品質審査が無事に完了したことをご報告しました。その後、他のラウンデルについても品質審査が進められています。3月26日(現地時、PDT)には、米国が担当するラウンデルのうち、最初の2枚が品質審査を合格しました。さらに、4月28日(日本時)に、日本が担当するラウンデルのうち、8枚が品質審査を合格しました。
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4月28日の品質審査に参加したメンバー。国立天文台からは、主鏡部門の山下、大屋、林、ビジネスマネージャーの藤縄、プロジェクト長の臼田の計5名が参加しました。(画像提供:TMT国際天文台)
4月28日の審査会では、事前に行われた測定・検査に基づいて、ラウンデルがTMTの要求する仕様を満たしているか、チームメンバーが議論しました。その結果、審査対象となった8枚の分割鏡(識別番号:SN024-SN025、SN027-SN031、SN061)のすべてが、TMTの厳しい基準を満たしていることが認められました。
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4月の品質審査を合格したラウンデルのうちの一枚(SN027)(写真提供:キヤノン株式会社)
国立天文台の大屋真 特任准教授は「製造を請け負ったキヤノン社にもご協力いただき速やかに合格を得ることができました。これまでに生産されている他のラウンデルについても引き続き審査準備を進めていきたいと思います」と語っています。
2021年4月末時点で、TMTの分割鏡574枚のうち、11枚がラウンデルの品質審査を合格したことになります。
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キヤノン宇都宮光学機器工場で、加工機上でのラウンデルの外観をチェックする社員(写真提供:キヤノン株式会社)
参考:
Progress made on TMT mirror production (TIOウェブサイト)
First M1 Roundels Produced by Coherent for TMT Successfully Shipped to Storage Facility in California (TIOウェブサイト)