ハワイから行なった「ふれあい天文学」
「ふれあい天文学」では、毎年国立天文台の職員が国内の学校に出張して授業をおこなっていますが、2020年度は新型コロナウイルスの影響で原則オンライン授業となり、国外に赴任している職員も参加が容易になりました。また、国内の学校に加えて、海外の日本人学校、日本語補習校も対象になりました。今回は、TMTプロジェクトの能丸(ハワイ勤務)が2020年11月から2021年1月にかけて、トルコと日本で行なった授業についてご報告します。
能丸は、イスタンブール補習授業校(11月8日)、ニセコ小学校(11月11日)、関西創価小学校(1月19日)、自由学園初等部(1月26日、ふれあい天文学とは別枠)でオンライン授業をおこないました。合計200人以上の生徒さんが授業に参加されました。
イスタンブール補習授業校は、新型コロナウイルスの影響で完全にリモート授業になっていて、生徒さんはそれぞれの自宅から参加しました。またイスタンブールの他の補習校や、アンカラ、フランス、日本からの参加者もいらっしゃいました。日本の各学校の皆さんは通常通り登校してきましたが、一か所に集まるのではなく、クラスや学年ごとにそれぞれの教室で授業を受けました。
授業では、身近にある金がどうやって作られたかという話題で、中性子星同士の衝突と、それを観測した重力波望遠鏡や、すばる望遠鏡についてお話ししました。その上で、直径8.2メートルのすばる望遠鏡をもってしてもまだまだ解明できない天体や現象が宇宙にあること、TMTはそのような宇宙の謎をさらに解明するための切り札になることを説明しました。
オンラインでは授業をうける生徒さんの様子を知ることが限られてしまいますので、授業の内容を分かってもらっているか、退屈はしていないかなど、不安はありました。授業に使用するスライドには写真やイラストを多く入れて、分かりやすい授業を心がけました。授業のあとに先生から送られてきた授業風景の写真、生徒さんの感想や授業の様子をご家族に知らせるニュースレターの記事などを拝見すると、大変に喜ばれたことが分かりました。これからもできるだけ多くの皆さんに宇宙の不思議や天文学の面白さを伝えていきたいと思います。