和歌山信愛高校とオンライン交流 ~ 困難を成長の機会に変えていく高校生たち(1)~
パンデミックのため、日本の学校でもオンラインによる授業が浸透しつつあるでしょうか 。授業はオンラインで行うとしても、遠足や運動会などの行事や部活動はかなり制限されてしまいました。そんな中、技術に関心の高い二つの高校と、オンラインで交流する機会がありましたので、TMTプロジェクト・カリフォルニア事務所の林が2回に分けて報告します。
一校目は、ハイブリッドロケットの製作と打上げに取り組んでいる和歌山信愛高校、もう一校は、東京工業大学附属科学技術高校。どちらの学校にも、最先端の観測施設を作り運用するためには、エンジニアが必要であることを紹介しました。すばる望遠鏡のように現在活躍中の望遠鏡の現場でも、工学系の職員が多く働いています。ましてや TMTはいっそう複雑なものですから、機械、電気電子、情報、いろいろな分野の専門家が必要となります。ぜひ将来はこういう職場へ、というお誘いなのです。
和歌山信愛高校との交流は、3月13日(日本時、カリフォルニアでは 12日)でした。学校のロケットガール養成講座を受講している生徒さんはじめ、関心のある生徒さんたちが30人ほど、マスク姿ながら教室に集まってくれました。折しも、この週は日本では桃の節句があり、さらに世界的に女性の活躍促進に取り組む週でした。日程は学校行事との兼ね合いで決まったので、ひな祭り、世界女性活躍促進週に合わせて、この女子校との交流を決めたわけではなかったのですが。
交流のテーマは「ロケットを作って、どこに行ってみよう?」にしました。打ち上げのミッションや目的地について、自分たちで探すことを続けていこうという呼びかけです。
和歌山信愛高校では、打ち上げロケットも作りますが、そこに測定器を搭載し、飛行中にデータを取ることも行なっています。今回の交流の最後に、三つのロケットガールチームがそれぞれ、今作っている機器の特徴とどういう工夫や苦心をしているか説明してくれました。測定器のためのカバーをあける仕組みや、周囲の環境、地形の観測などからわかったこと、次に向けての改良点などです。分担があるとはいえ、知恵を持ち寄って力を合わせて進んでいることが感じられました。プロジェクトマネジメントを学ぶ場にもなっているということで、指導されている佐藤佳子先生のお話では文系の生徒さんも参加しているとのことです。
手探り、つまり自分たちで考える、そして手作りの経験は、とても貴重なものです。進学先の専攻を決めたり職業観についての手がかりを得ることにもつながるでしょう。そして、いずれ様々なプロジェクトをリードしていくことになりましょう。
(東京工業大学附属科学技術高校との交流報告に続く…)