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東京工業大学附属科学技術高校とオンライン交流 ~ 困難を成長の機会に変えていく高校生たち(2)~

投稿者:TMTプロジェクト

前回に続き、TMTプロジェクトの林が、技術に関心の高い高校と行なったオンライン交流について、ご報告します。

東京工業大学附属科学技術高校との交流は、日本の高校で理科を教えている先生方が2003年にハワイ観測所にいらしたときにさかのぼります。それ以来、パソコンベースのテレビ会議が一般化する以前から、オンラインでの交流がありました。

今回は、科学部の生徒さんが主体的にオンラインツールを活用し、進行台本もばっちり用意、学校内での事前勧誘も積極的に進めてくれました。タイトルも生徒さんが工夫して、「自分たちの専門が大活躍!? 次世代超大型望遠鏡 TMT ~その工学と科学~」となりました。

イベント案内として掲示していたポスター。高校の所属の専攻分野とのつながりにご注目下さい。これも自分たちで考えてくれています。(クレジット: 東京工業大学附属科学技術高校)

本番は4月18日(日本時、カリフォルニアでは17日)。せっかく新学期が始まったのに、東京都の新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置のため学校に集まることができない。それにもかかわらず、日本側日曜の午前だというのに 70を超える接続がありました。そもそも学校全体が、物作りに熱中しているところなので、TMTのようなプロジェクトにも関心が高く、うれしいものです。

第一部「技術」では、日本のメーカーさんが、いかに次世代超大型光学赤外線望遠鏡に貢献しているかということを紹介しました。何しろ望遠鏡本体と主鏡という主要部分を担当しているわけですから、日本の貢献度はとても高い。実は TMTだけではないのです。ライバルであり共に宇宙のフロンティアに挑む他の2台の次世代超大型光学赤外線望遠鏡でも、大事なところに日本のメーカーが関係しています。たとえば通学に使う地下鉄や電車の窓にも、そのメーカーさんの製品を見つけることができる。こうした話題提供に対して、「へえ~そうなのか~」マークがたくさん出てきました。

第二部「科学」では、TMTができたら何を探すか、太陽系探査とともに系外惑星での生命が存在できる環境について、一緒に考えてみました。科学部の生徒さんが用意したオンライン投票の一つが「宇宙生命が見つかったらどうするか?」というもの。探査機を送る、あるいは宇宙飛行士になって会いに行く が、けっこう多い。また、「TMTのようなところで働くとしたら、何を担いたいか?」 マネジメント、広報… いろいろあります。「専門の力を発揮するところ」という意見が最多であったのは、とても心強い思いでした。

最後の呼びかけスライド。日本も参加するNASAのプログラム「アルテミス」は、月面滞在が長期になり、職場が月であるという時代に入ります。10年後には月からさらに遠くへ、人類が足を伸ばそうとしているでしょう。

今回のケースのように、身の周りの自然にあるものの仕組みに興味を抱いたり、新しい物作りに取り組む生徒さんたちが、いずれはメーカーさんで活躍、あるいは TMTのようなプロジェクトをリードしてくれることを確信できる交流でした。


追記(5/25/2021)

講演会を主催した科学部からも活動報告が公開されました。学びと自分たちの未来を真剣に結びつけようとする高校生の熱気に満ちた内容ですので、ぜひご覧ください。

自分たちの専門が大活躍!? 次世代超大型望遠鏡TMT その工学と科学 - カリフォルニア経由 未来との交信 (東京工業大学附属科学技術高等学校 科学部 活動報告)

科学部の皆様、そして講演に参加された皆様に心から感謝いたします。

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