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分割鏡の保守と運用のための装置が基本設計審査を合格

投稿者:TMTプロジェクト

TMTの主鏡は、高い反射率を維持するために、492枚の分割鏡を、再メッキした分割鏡と順次交換していきます。分割鏡は主鏡の形状に合わせて82種類の形状に研磨されているため、82種類×6セット(492枚)の分割鏡に加えて、82種類の分割鏡を1セット待機させます。この待機している分割鏡を、昼間のうちに少しずつ、反射率の落ちてきた分割鏡と交換することによって、貴重な夜の観測時間を最大限に利用することが可能になります。日常的におこなわれる分割鏡の交換と再メッキの作業を安全に効率的に行うための装置・設備が、2021年4月に行われた基本設計審査を合格しました(※1)。

今回の主な審査対象は、分割鏡をドームからメンテナンスエリアへ運搬するための台車、吊り上げ装置と治具、交換用の分割鏡をドーム内に保管するための収納棚でした。

以下の三つのアニメーションは、(1)分割鏡の交換、(2)ドーム―メンテナンスエリア間の移動、(3)収納棚での保管という、分割鏡交換と再メッキ作業の流れを示しています。


動画1:分割鏡交換機構のブリッジが主鏡の近くに移動し、分割鏡交換ロボットがブリッジをつたって、主鏡セルから持ち上げられた分割鏡を運びます。フレーム(今回の審査対象、動画では青色で表されている)に固定され、ドームの1階に移動した分割鏡は、運搬用の台車(今回の審査対象)に乗せられます。(動画には描かれていませんが、分割鏡とフレームを1階まで運ぶ吊治具も今回の審査対象です。)その後、待機していた交換用の分割鏡が主鏡のところへ運ばれます。(クレジット:TMT国際天文台)

動画2:台車に乗せられた分割鏡が、洗浄(メッキの剥離)と再メッキのためのメンテナンスエリアへと運ばれていきます。再メッキが完了すると、ドームの収納棚の場所まで台車で運ばれます。(クレジット:TMT国際天文台)

動画3:再メッキされた交換用の分割鏡が、吊り上げ装置(今回の審査対象)で持ち上げられ、収納棚(今回の審査対象)に保管されます。主鏡を構成する492枚の分割鏡は、82種類の形状に研磨されているため、交換用の分割鏡は82枚必要になります。収納棚は、82枚の交換用分割鏡を安全に保管します。(クレジット:TMT国際天文台)

分割鏡の保守に使用する台車の設計。分割鏡を安全に固定して運搬するほか、分割鏡を上下反転させる機構があり、鏡面の古いメッキを剥がし、よく洗う作業をするさいにも使用されます。(クレジット:TMT国際天文台)

分割鏡運搬用の台車(右)と吊り上げ装置(左)の試作品がTMT国際天文台のラボで試験されている様子が審査会で紹介されました。これらの装置は、分割鏡制御システム試作品の組み立て作業でも実際に使用されています(動画)。(クレジット:TMT国際天文台)

審査会は、2021年4月21日にオンラインで行われました。国立天文台からは、望遠鏡部門の寺田と主鏡部門の林が参加しました。(クレジット:TMT国際天文台)

 

今後、これらの装置は、詳細設計段階へ移ります。

 


※1:TMTでは、2年ですべての分割鏡(492枚)が再メッキされるよう、2週間ごとに10枚の分割鏡の交換を行うことになっています。

参考:TMT Mirror Segment Handling Equipment Passes Preliminary Design Review (TMT国際天文台ウェブサイト)

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