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インドの分割鏡研磨施設を見学

投稿者:TMTプロジェクト

TMTの30メートルの主鏡は、492枚の分割鏡で構成されます。分割鏡の鏡材製作と最初の成形は日本が全て担当しますが、研磨作業は各パートナーが分担します。

インドTMT連携機構(ITCC)は、分割鏡の研磨から支持機構への搭載までの工程を一貫して行うための施設(インドTMT光学製作所;ITOFF)を建設しました。研磨機は米国のコヒーレント社から導入し、インドの光学担当者が米国の研磨工場で研修を重ねました。

この2月に、東北大学の田中雅臣さんらがITOFFを見学する機会があり、インドでの最初の研磨が行われている現場に立ち会いました。

ITOFFにて、TMTインドの研究者、技術者と、田中雅臣さん(右から5人目)、守屋尭さん、越諒太郎さん。日本学術振興会とインド科学技術庁による二国間交流事業の支援をうけての訪印でした。(クレジット:TMT国際天文台)

TMT国際天文台科学諮問委員会のメンバーでもある田中さんは次のように語ります。「今回、インドの研究者との共同研究のためにインド天体物理学研究所科学技術研究教育センターを訪問し、構内にあるITOFFを案内していただくことになりました。施設では、既に二台の研磨機が常時稼働しており、エンジニアの方が全ての工程を非常に丁寧に・情熱的に説明してくださり、とても印象的でした。こういう「実物」ができていく様子を、TMTを使う世代の学生たちにも伝えていきたいと思います」

インドの分割鏡加工施設とそこで進みつつある研磨作業は、国際協力によって科学技術の進歩が達成されることの象徴ともいえるでしょう。

 


参考:International Collaboration Enhances the TIO Project(TMT国際天文台)

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