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TMT第一期観測装置 IRISの基本設計審査会

投稿者:TMT推進室

TMTの第一期観測装置の一つであるIRIS(InfraRed Imaging Spectrograph、近赤外線撮像分光装置)の基本設計審査会 第一弾(Preliminary Design Review 1, PDR-1)が11月17日、18日に、パサデナのTMT国際天文台(TIO)オフィスで開催され、無事に審査を通過しました。TIOのシステムエンジニアに加え、ヨーロッパの超巨大望遠鏡計画の装置開発担当者を外部審査員として迎え、まさに装置の専門家の目による審査が実施されました。パサデナのTIOオフィスの一番大きな会議室は参加者でほぼ埋まりました。iris_member_photo_w

TIOが定める審査会の執り行い方は、すばる望遠鏡などで経験してきた審査とはずいぶん違いました。まず、審査会当日から遡ること1ヶ月ほど前に、審査に必要な膨大な量の文書を完成させて、審査員に送ります。(IRISリーダーのJames Larkinは1000ページを超えると言っており、確かに細かい技術的レポートを含めるとそのくらいになったかもしれません。) そのため、定時勤務が普通であるアメリカ・カナダの皆さんも、この時ばかりは、昼夜を問わず、審査会の準備に追われることになります。審査員も送られた大量の書類を読み、200を超える事前質問を出してきました。その爆発的な集中力は目を見張るものがありました。

審査会の進め方も新鮮でした。審査・評価というと、失敗、失点ばかりが追及されるというイメージがあるかもしれません。もちろん、審査はそれをはっきりさせることがもっとも重要なことというのは確かです。ところが、審査会の最初にあった審査員長の言葉には感銘を受けました。審査会が開催されたことを評価し、それをアレンジした担当者に感謝し、審査内容を用意した開発メンバーに一定の評価とねぎらいをしました。もちろん完璧な内容は用意できませんでしたので、あいまいであったり、検討が足りない部分には鋭いコメントや質問が集中しました。ただ、批判的な責任追及ではなく、客観的な厳しい指摘でした。

IRISの撮像系を担当する国立天文台からは総勢6名が審査会に参加しました。いつもはネット会議越しでしか会話をしない人たちと、面と向かって会えることの重要性を参加者全員が感じたはずです。審査会の合間のコーヒーブレークでは、日本からの参加者も加わり、たくさんの雑談的情報交換や議論が交わされました。

審査会終了直後はサンクスギビングで一時小休止。12月8日に正式に提出される審査員からのコメントを受け止めて、基本設計審査会 第二弾(PDR-2)の通過にむけてIRISチームは動き始めます。

国立天文台IRIS開発チームはIRISチームと連携をとりながら、PDR-2と、それに続く詳細設計フェーズや製造を見据えたプロトタイプ開発、技術検討を進めていくことになります。

PDR-1を無事に通過したことを報告する Niranjan Thatte 審査員長(オックスフォード大学教授で、E-ELTの第一期観測装置 HARMONIの開発責任者でもある)。今回 審査員から指摘された課題・問題点を解決してPDR-2を合格すると、次の詳細設計期に入ります。 国立天文台IRIS開発チームについては、<a href="http://www.nao.ac.jp/contents/naoj-news/data/nao_news_0265.pdf">国立天文台ニュース2015年8月号</a>でも紹介されていますのでぜひご覧ください。

PDR-1を無事に通過したことを報告する Niranjan Thatte 審査員長(オックスフォード大学教授で、E-ELTの第一期観測装置 HARMONIの開発責任者でもある)。今回 審査員から指摘された課題・問題点を解決してPDR-2を合格すると、次の詳細設計期に入ります。 国立天文台IRIS開発チームについては、国立天文台ニュース2015年8月号でも紹介されていますのでぜひご覧ください。

 

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