立命館高校のサイエンスフェアで世界各地の高校生に講義
立命館高校でのJapan Super Science Fair 2018でお話をしてきました。これは立命館大学のびわこ・くさつキャンパスを会場に、世界18カ国・地域と日本の各地から集まった高校生たちが、STEM(科学・技術・工学・数学)分野の研究発表などを行うプログラムです。11月17日の午後には専門家による講義が行われ、6つの講義のうちの1つで“Cosmic Distance Ladder” (宇宙で使う距離の物差し)をテーマに、TMT推進室の林が話をしてきました。
林のクラスには豪米仏韓露台泰英加、インドネシア、ケニア、日本からの生徒たちが集まり、食い入るように話を聞き、積極的に質問したり自分の意見を述べたりしてくれました。天体に関する興味もさることながら、エンジニアリングへの興味も深く、望遠鏡ドームの形状について自然条件と建物強度との関連など食いついてきました。サイト問題に言及する生徒もいて、それは政治的な意味ではなく、地形や海流などとの関係で他にも良いサイトがあり得るだろうかというスタンスのものでした。
そして、参加者の世代が使うことになる次世代望遠鏡の例としてTMTを紹介。TMTについて日本で進むものづくりと、国際協力について紹介すると、何度もうなずいたり、身を乗り出したり。同じ教室に座っていたどうしで、将来の研究協力が実現することもあるかもしれません。
質問には、系外惑星で大気の存在が明らかなものがいくつあるのか、赤方偏移を測る際の基準波長はどうやって確定するのかといったものから、天文の研究や望遠鏡作りに取り組むことになった動機/きっかけはどのようなものであったのか、勉学の際にどういう困難があったかという進路に関するものもありました。そして望遠鏡口径はどこまで大きくできるのか、限界があるとしたらそれを補うのにはどういう方法があり得るか、30m級の望遠鏡の次の計画はどのようなものかというものも。それはみなさんの世代の課題です、と答えました。
今年で第16回目となるこのプログラムには、卒業生が教員として、あるいは裏方に入っている姿も見かけられました。高校生が将来のキャリアについて考えを巡らす、良いチャンスでもあったようです。
(写真提供:立命館高校)