TMTサイエンスフォーラム2019
今年で7回目となるTMTサイエンスフォーラムが、11月4日(月)から11月6日(水)にかけて、中国の廈門大学で開催されました。フォーラムには全体で約120名ほどが参加し、日本からはTMTプロジェクトの青木と空華を含むおよそ10名が参加しました。中国での開催ということで、中国からの参加者が多い印象でした。今回のサイエンスフォーラムは、「Science synergies in the era of the Thirty-Meter-Telescope」をテーマとし、TMTと他の地上望遠鏡や宇宙望遠鏡とのサイエンスシナジーが議論されたほか、TMTの運用方針やデータアーカイブについても議論されました。
初日と2日目の午前中は全体会が行われました。TMTプロジェクトの進捗報告からはじまり、中国で進められているプロジェクトの紹介、他の大型望遠鏡プロジェクトの現状報告、および連携の提案、そして各研究分野でのTMTのサイエンスケースが議論されました。
2日目午後と3日目午前には、研究分野ごとに3つの分科会に分かれ、今回のサイエンスフォーラムのテーマである、TMTと他プロジェクトとのシナジーについて主に議論し、要求される装置の仕様や運用の検討が具体的に行われました。空華が参加した惑星形成(young stars, exoplanets, solar system)の分科会では、TMTに期待されるサイエンスとそれを実現するための運用方針に加え、観測装置については特に中間赤外線領域におけるMICHIとPSI-redの両者役割について議論されました。
最終日の午後での全体会では、各分科会での議論が報告されました。来年度のサイエンスフォーラムについて、また、TMTのサイエンスブックの更新についても議論されました。
フォーラムの前日の11月3日(日)には、中国が開発を手がけている第二期装置HROSの会議も開催されました(青木が出席)。 科学的課題からの装置への要求の整理を行うためにいろいろな研究分野の課題が報告されたほか、主に中国における関連要素技術の開発状況が多数紹介されました。
今回訪れた廈門市は、中国東南部(台湾の西)に位置する海浜都市でとてもすごしやすい気候でした。廈門大学は中国で最も美しい大学として知られているそうです。大学は廈門空港からはタクシーで南に30分ほどの場所に位置し、すぐそばには南普陀寺という大きなお寺や、少し足を伸ばせばコロンス島という世界遺産の島を訪れることもできるようです。