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分割鏡交換機構の製造準備が進む

投稿者:TMTプロジェクト

製造準備段階にある分割鏡交換機構の技術報告会が2022年3月22~23日に実施され、長期にわたる運用を考慮した信頼性、交換機構の製造性、システム試験計画などが報告されました。今後、技術報告会で挙がった10件程度の確認事項のチェックを終えた後に、製造段階へ移行する予定です。

分割鏡交換機構は、主鏡を再メッキされた予備の鏡に交換するための装置です。主鏡を構成する492枚の分割鏡全てを2年以内に交換するために、2週間ごとに約10枚の分割鏡を交換することになっています。その作業を安全かつ迅速に行うため、鏡の場所まで正確に移動して自動的に交換動作を行う分割鏡交換ロボットが活躍します。

分割鏡交換機構の主要なサブシステム。メインブリッジとセカンダリブリッジは、分割鏡交換ロボットを、交換する分割鏡の位置まで導く役割をします。分割鏡交換ロボットがスムーズに移動できるように、メインブリッジとセカンダリーブリッジの間には、精密なアライメント公差が設定されています。(クレジット:TMT国際天文台/国立天文台/三菱電機)

分割鏡交換機構のメインブリッジは、主鏡の上部を時計の針のように回転することで、分割鏡交換ロボットを交換したい鏡の位置へと導きます。(クレジット:TMT国際天文台/国立天文台/三菱電機)

分割鏡交換ロボットを支えるトロリー。分割鏡交換ロボットを吊り下げた状態でセカンダリブリッジとメインブリッジの内側を移動します。(クレジット:TMT国際天文台/国立天文台/三菱電機)

2022年3月に行われた分割鏡交換機構の製造準備・技術報告会。国立天文台からは、望遠鏡本体チームの杉本、小俣、楠本、田澤、寺田、齋藤のほか、主鏡部門の林、装置部門の中本、プロジェクト長の臼田などが参加しました。(クレジット:TMT国際天文台)

審査に参加した、TMT国際天文台のカイル・キノシタ(望遠鏡本体チームリーダー)は、 「三菱電機、国立天文台望遠鏡本体チーム、TMT国際天文台の望遠鏡本体とシステムエンジニアリングのチームは、この5年間、生産準備のための多くの課題に取り組んできました。その努力と素晴らしい仕事ぶりに感謝しています」と、報告会の成功を祝しました。


参考:Updates for TMT Telescope Structure and Utility Services (TMT国際天文台) (英語)

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