東北大学の公開サイエンス講座ですばる望遠鏡とTMTを紹介
TMTの科学諮問委員長としても活躍されている、東北大学の秋山正幸教授から、公開講座の報告をいただきましたので、以下にご紹介いたします。
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3月5日に仙台市天文台と東北大学大学院理学研究科で行っている公開サイエンス講座にて「ハワイの山から宇宙を観れば」というタイトルで講演を行いました。久しぶりに対面での講演会となり、小学生から大学生、子連れの方から年配の方まで56名の方々に参加してもらうことができました。大変感謝しています。
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ハワイ島・ヒロの町から見たマウナケアの様子を説明しているところ。(クレジット:東北大学)
マウナケアでの観測を体感してもらおうと、昨年11月にすばる望遠鏡での実験作業の道すがら撮った山の上にいたる道中の動画など交えながら、山の上から観測や測定をおこなう意義について説明しました。すばる望遠鏡やマウナケアの望遠鏡を用いた成果として、系外惑星の直接撮像や銀河系中心超巨大ブラックホールの観測、私の専門分野であるすばる望遠鏡による宇宙初期のクェーサー探査や補償光学系の開発について紹介しました。最後に将来にTMTを用いるとさらに何が見えてくるのか、という展望を説明しました。
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大学の広報担当者とVRツアーの準備中です。このあと、みなさんに楽しんでいただきました。(クレジット:東北大学)
講演での質疑やそのあとの時間では、とても多くの質問と感想をいただきました。地面のある地球のような惑星を探すとか、宇宙で最初に生まれたブラックホールを探すとか、TMTへの大きな期待が感じられました。すばる望遠鏡が立ち上がるころに海部先生の講演を聞いて興味を持っていたので、今回の案内を見て聞きにきました、という方もおられて驚きました。TMT実現にあたっては現地の方々の伝統や精神を尊重して進めてほしい、という真剣なご意見もいただき、対面で多くの方と話をするとても良い機会となりました。
講演会のあとにはすばる望遠鏡の大きさを実感してもらおうと、VRゴーグルを用いて国立天文台から公開されているバーチャルツアーを体験する時間を設けました。仙台市天文台にも1.3mひとみ望遠鏡がありますが、それと比べてすばる望遠鏡の大きさをみなさん実感されて驚かれていました。すばる望遠鏡とTMTの間にも同じくらいの大きさの違いがあります。TMTの大きさにどのくらい驚かされることになるのか、楽しみです。
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仙台市天文台の先代の望遠鏡です。(クレジット:東北大学)