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国際天文学連合アジア太平洋地域会議 APRIM2023

投稿者:TMTプロジェクト

8月7日(月)~8月11日(金)にかけて、福島県郡山市で、国際天文学連合(International Astronomical Union:IAU)が主催するアジア太平洋地域会議(Asia-Pacific Regional IAU Meeting 2023: APRIM 2023)が開催されました。

大にぎわいの国立天文台ブース。会場となったビッグパレットふくしまに、世界各地から300人以上の研究者が来場しました。3年に一度開催されるAPRIMは、アジア太平洋地域の天文学者が一堂に会するIAU最大の地域会議の一つです(前回はコロナ禍で中止)。日本での開催は21年ぶりとなりました。

国立天文台のブースでは、TMTプロジェクト、すばる望遠鏡、アルマ望遠鏡と、国際連携室の紹介を行いました。

TMTでは模型を使って、望遠鏡や観測装置について説明したほか、アルマ望遠鏡やすばる望遠鏡との連携観測による活用について紹介しました。

アルマ望遠鏡でも模型を利用しながら、これまでの観測成果や、望遠鏡の科学運用を継続しながら機能強化を行う「アルマ2」計画の紹介を行いました。すばる望遠鏡では、VRゴーグルを使用した3Dバーチャルツアー体験を行い、大迫力のすばる望遠鏡を実際に体感してもらいながら、望遠鏡の解説をしました。また、望遠鏡の機能を大幅に強化する「すばる2」計画について紹介しました。

21年ぶりの日本開催ということで、福島の特産品を紹介するブースも出展しており、国内外の多くの研究者の方で賑わっていました。国立天文台のブースにも200名以上の方にご訪問いただきました。今回のAPRIMでTMTを初めて知って興味を持ってくださった方や、TMTを既に知っていてこれから自身の研究で活用してみたいという方など、沢山の方から質問やお声がけをいただきました。

口頭講演では、TMT国際天文台のフェンチャン・リウ プロジェクトマネージャが、計画の進捗と、自身が2021年からハワイ島に異動して行っている、地元の方々との対話活動について話しました。リウ プロジェクトマネージャは、地元の多様な意見をよく聞いて学ぶことを第一に、信頼関係の構築を地道に行っているとし、地域コミュニティを尊重し、マウナケアにおける意志決定を共有することの大切さを強調しました。同じくハワイで活動している、国立天文台/TMT国際天文台の嘉数悠子 教育普及マネージャは、地域コミュニティと、尊敬と信頼に基づいた真の関係を築くためにTMTが行っている活動(教育と人材育成、文化に根ざした学習、環境保護と保全、コミュニティからのフィードバックの受け入れ)について講演しました。

また、国立天文台TMTプロジェクトの青木和光 教授は、口頭講演で、日本における建設活動(望遠鏡本体の詳細設計、鏡材の製作と研磨、IRISの設計)の進捗と、TMTのサイエンスケースを充実させるための活動などについて紹介しました。

TMTプロジェクトは、新たな天文学の発展に貢献できるよう、世界各地のコミュニティとの連携を大事にしていきます。

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