TMT Forum 2016 開催報告
5月24日から26日にかけて、京都市京都国際交流会館で第4回TMTサイエンスフォーラムが開催されました。TMTサイエンスフォーラムは米国国立科学財団(NSF)からの支援を受け、年一度開催されてきました。米国でのTMTに関わる研究協力の検討とともに、米国以外のメンバー国からの参加も得て、幅広くTMTによる科学研究を検討する機会になっています。
今年はアジアで初の開催であり、日本やインド、中国からも多くの研究者に参加していただくことができました。TMT推進室メンバーも京都大学スタッフとともに会場準備にあたり、各セッションの議長や、TMTでのサイエンス・装置仕様検討などの発表を行いました。
フォー ラム初日、二日目の全体セッションは、宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(ISAS/JAXA)の山田亨教授による開会の挨拶に始まり、 最新の研究成果や、TMT第2期観測装置・補償光学装置の開発、観測戦略、他の天文台とのパートナーシップ等について議論が行われました。今回は特に全セッションにわたって第2期観測装置について重点的に議論されました。
最新の研究成果とTMTによる科学検討については、国立天文台の田中雅臣助教によるTMTと重力波天文学のシナジーについての講演が行われました。観測装置については、東京大学の小林尚人准教授による近赤外線高分散分光器についての講演、東北大学の秋山正幸准教授による補償光学広視野多天体分光装置についての講演がありました。
また、有本信雄 ハワイ観測所長による、アジアでの国際協力、すばる望遠鏡での観測戦略についての講演が行われました。
フォー ラム最終日の午前にはTMT国際科学検討チーム(TMT ISDT)による各研究分野ごとの、午後には各第2期装置にわかれての検討会が行われ、日本からも多くの報告・提案がありました。フォーラムに先立つ23日には京都大学においてTMT中間赤外線観測装置(MICHI 未知)のサイエンス・装置仕様の検討会が行われました。
新緑の美しい京都の寺社に囲まれつつ、多岐に渡る活発な議論が交わされました。