分割鏡交換ロボットがグッドデザイン・ベスト100および特別賞を受賞しました。
TMTの分割鏡交換ロボットは、主鏡の反射率を最高の状態に保つために、分割鏡を再メッキされた予備の鏡に交換するための装置です。この分割鏡交換ロボットが、2016年度グッドデザイン賞で、ベスト100および特別賞(未来づくり)を受賞しました。
10月28日から11日3日にかけて開催された、グッドデザイン賞受賞展(東京ミッドタウン)では、分割鏡交換機構の1/20サイズ模型と解説動画が展示されました。
ベスト100の作品達が展示されているホールの一番奥に置いてある分割鏡交換機構模型に、「何???」というような表情を見せる来場者も多かったとか。分割鏡交換機構の製作を担当している三菱電機の開発チームも、社内からグッドデザイン賞応募のすすめがあったときは、受賞対象になるのか半信半疑だったそうです。それが、受賞のみならず、ベスト100、さらに特別賞にまで選ばれ、本当に驚いているとのお話でした。
10月31日の夕方からは、分割鏡交換ロボットも含まれる 産業・医療機器分野のベスト100受賞作品について、審査員からの報告とデザイナーによるプレゼンテーションが行われました。
審査報告会では、産業・医療機器ユニットの審査員5名の内、4名が登壇し、審査方法や受賞の理由について説明しました。始めにユニットリーダーの朝倉重徳氏から、機能性やコストが最重要視される産業・医療機器の中で、何をグッドデザインと評価したのかという説明がありました。製品に求められる精度、信頼感の追求と、使用者の立場に立った「美しさ」の追求、この2つが一致して一つの形を成したものをグッドデザインと考えたというお話だったと思います。また、デザインの領域も広がりつつあり、無形のものや、有形のものでもその背後の思想までを含めてデザインとして捉えるようになってきているとのことでした。
分割鏡交換ロボットの受賞理由については、ユニークな機構に機能美を感じたことに加え、その背後にある目的を評価したとのこと、「大望遠鏡で宇宙で最初に生まれた星を見る」という自然科学の壮大な夢の実現を応援したいとの、ありがたいコメントがありました。