TMTリーダー育成のための国際研修会
TMTの将来を担う若手研究者・技術者向けの国際研修会がハワイ島ヒロで開催され、TMTパートナー各国から約40名の大学院生と若手研究者が参加しました。この研修会では、TMT計画での研究や開発に参加するために有用な情報や専門知識を得るだけでなく、多様な文化的背景を持つ人々が協力して一つの巨大望遠鏡計画を成功させるためには何が必要なのかということについて、参加者それぞれが考え実践する機会になるように、さまざまなプログラムが準備されました。
参加者は、3日間のプログラムを通して、国際協力による大型計画に必要な管理・運営手法、観測装置・ソフトウェア開発などをTMTスタッフから学ぶと共に、すばる、Keck、Gemini、CFHTといったマウナケアの天文台を訪問して、現地の科学者やエンジニアと交流しました。また、ハワイの天文学の歴史とマウナケアの文化について学ぶ機会も設けられました。
研修会に参加した、内山瑞穂 国立天文台・特任研究員からは次の感想がよせられました:「研修会ではプロジェクト管理や、システムエンジニアリングなど国際大型望遠鏡計画を進める上で重要な内容を多く学びました。特に、TMTパートナー各国のモノ作り環境などのバックグラウンドの違いや、TMT望遠鏡設計におけるシステムエンジニアリングの具体例についての話がとても興味深かったです。また、参加者同士でグループを作って共同作業を行なう機会が多く設けられ、多様なパートナー国の参加者からなるグループで一つの作業を進めていく体験を実際に持つことができました。このような大学院生や若手研究者向けのワークショップが今後も継続的に開催されればと期待しております。」
この研修会は、TMTにおける教育・人材育成・広報普及を検討している国際チームによって立案されました(2016年の記事などを参照)。このチームでは、今後も研修会を継続していくとともに、TMTのパートナー国の間でのインターンシップなどで若手研究者・技術者の交流をはかっていくことを検討しています。