2026年

No.902026年4月13日

  • [1] TMTの状況
  • [2] お知らせ: 2026年度 TMT戦略基礎開発経費
  • [3] 報告: 第3回TMTウェビナー (3/10)
  • [4] お知らせ: OPIE 2026
  • [5] お知らせ: JpGU 2026
  • [6] 報告: その他
  • [7] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

[1] TMTの状況

(1) 米国国立科学財団(NSF)関連の動き
2025年5月に発表された2026年度NSF予算教書において、GMT(巨大マゼラン望遠鏡)を最終設計段階に進める一方で、TMTは同段階に進めないと記載されたのに対し、TMT国際天文台(TIO)等は、予算作成権限をもつ米国連邦議会関係者等への働きかけに取り組んできました。2026年1月23日、連邦議会は「NSFは、両望遠鏡プロジェクトを直ちに最終設計段階へと進めなければならない。Astro2020で推奨された施設の開発のために3000万ドル以上を措置する」という強い文言の入った合同説明書を伴った歳出法案を可決、大統領が署名し歳出法が成立しました。予算教書の記述は上書きされたことになり、現在有効な法である2026年度歳出法にもとづいてGMTに続きTMTも最終設計段階に進める命令がNSFに出されました。

一方、2026年4月3日に発表された2027年度NSF予算教書において、NSF全体の要求額は2026年度予算(88億ドル)から約55%減となる39億ドルという厳しい内容となっています。米国の超大型望遠鏡(ELT)プログラムについては、NSFが主要施設としての最終設計段階に進めるプロジェクトとしてGMTを選定したとの記述にとどまっています。
https://www.nsf.gov/about/budget/fy2027

予算教書は、連邦議会が歳出法案を作成する際の参考資料との位置づけであり、議会は自ら作成した歳出法案を可決し、大統領の署名を得ることで歳出法を成立させます。昨年度予算と同様に、今後の連邦議会の動向を注視しながら、TIOは引きつづき米国関係者への働きかけを行なっています。TMTという世界最高水準の望遠鏡建設が我が国の科学技術の進展に極めて多くの貢献をもたらす重要な計画であることも踏まえ、皆様からもご支援いただきますようお願い申し上げます。

(2) ハワイの動き
ハワイ島郡長をはじめ州知事、ハワイ州選出の連邦議会上院・下院議員等から、TMTは引き続き強い支持を受けています。前号でご報告したように、TMTのマウナケアでの建設地を開発済用地(望遠鏡撤去跡地)に変更する可能性を検討しており、それに必要な手続きがハワイ関係者の間で検討されています。 TIO・国立天文台はハワイ関係者と引きつづき協議しています。

マウナケア管理組織(MKSOA)は2026年1月から2月にかけ、ハワイ州の5島10か所でコミュニティワークショップを開催し、マウナケア管理に関する住民の意見を聴く機会をもちました(https://kuaowakea.org)。ハワイ島ヒロで開催されたワークショップには国立天文台関係者も参加しました。ワークショップには合わせて約1,500人の参加があり、マウナケアでの天文学に賛成の方、反対の方が一緒に話し合う場でも平和的に議論が行なわれました。

(3) スペインからの提案の検討
2025年7月にスペイン科学・イノベーション・大学省大臣が発表した、カナリア諸島ラパルマ島へのTMT誘致に向けた提案の検討が続けられています。スペインからの提案では、スペイン産業技術開発センター(CDTI)からの最大4億ユーロの出資に加え、ヨーロッパ投資銀行(EIB)から融資を受けるという内容となっています。

TIOはカナリア天体物理研究所(IAC)と毎週、CDTI、EIBとは2週間毎に会合をもっています。EIBの融資は将来、望遠鏡観測時間の販売により返済する計画(CDTIも資金回収を行う計画)であり、TMTの観測時間の需要調査を含めた全体資金計画の検討が進められています。TIO評議員会下に設置されたワーキンググループでは、隔週の会合において、最新の情報について把握し、議論を行なっています。3月16日にはスペイン科学省、CDTI、IACの関係者からなる代表団が自然科学研究機構本部等を訪問し、川合機構長や土居国立天文台長と情報共有と意見交換が行われました。

[2] お知らせ: 2026年度 TMT戦略基礎開発経費

国立天文台TMTプロジェクトでは、TMTによる科学観測の推進に資する基礎開発研究計画を募集します。TMT計画において日本が重要な貢献を果たすためには、大学等の研究者の皆様が、独創性の高いアイデアや強みのある技術を活かし、TMTの研究開発に主体的に参画することが極めて重要です。本公募は、こうした取り組みを支援することを目的としています。奮ってご応募ください。

今年度より、より幅広い分野および研究開発内容からの応募を促進するため、「求める研究計画像」ならびに「応募課題の評価・採択基準」を改訂しています。また、若手研究者による応募や萌芽的な研究提案を特に歓迎し、審査においても積極的に評価します。さらに、大学院生についても、指導教員との連名による応募を条件として、本公募への応募を可能としました。

応募方法はTMTプロジェクトのウェブサイトをご覧ください。
https://tmt.nao.ac.jp/researchers/support/

[3] 報告: 第3回TMTウェビナー (3/10)

TMT時代に向けた最新研究を共有し、議論を深めることを目的としたTMTウェビナーシリーズの第3回が、2026年3月10日に開催されました。最初に、国立天文台科学研究部の原田ななせ氏による「AstrochemistryとTMTへの展望」と題した講演が行われました。星惑星形成における分子進化に関する理論的背景の紹介に加え、銀河系内の研究にとどまらず、系外銀河におけるALMAやJWSTによる最新の観測成果が紹介されました。さらに、近赤外線から中間赤外線における観測を通じて、TMTが果たすことのできる役割や将来の観測への期待が示されました。続いて、TMTプロジェクトの寺田宏氏による講演「TMT観測装置 Overview」が行われました。講演では、TMTの基本仕様や優れたPSFの紹介に加え、第1期観測装置および第2期観測装置の仕様と全体像について説明がありました。最後に、臼田知史TMTプロジェクト長より、プロジェクトの進捗状況についての報告が行われました。

ウェビナーの動画とスライドは、TMTウェビナーのページからご覧になれます。
https://tmt.nao.ac.jp/researchers/science/seminar2025.html

[4] お知らせ: OPIE2026 (4/22-4/24)

4月22日(水)-24日(金)にパシフィコ横浜で開催される宇宙・天文光学EXPOに、 国立天文台のブースを出展します。今年は、TMTプロジェクトと産業連携室に加えて、アストロバイオロジーセンターの展示があります。また、特別セミナー「国立天文台を活用する研究者が語る天文コース」では、TMTで計画されている太陽系外惑星観測装置群について、TMTプロジェクトの寺田宏氏が紹介します。参加をご希望の方は、事前登録のうえお越しください。皆さまのご来場をお待ちしております。

事前登録
国立天文台を活用する研究者が語る天文コース

[5] お知らせ: JpGU2025

日本地球惑星科学連合(JpGU)の2026年大会は、アメリカ地球物理学連合(AGU)とのジョイント大会として、2026年5月24日から29日の6日間、幕張メッセで開催されます。TMTプロジェクトは、アルマプロジェクトと合同でブースを出す予定です。現地ブースに加え、オンラインブースもありますので、現地に来られる方も、そうでない方も、 TMT/アルマブースにお立ち寄りいただけると幸いです。

JpGU2026

[6] 報告: その他

次の報告については、TMTプロジェクトウェブサイトをご覧ください。

[7] 今後の予定 (諸会議、イベント、講演など)

4/22-4/24 OPIE 宇宙・天文光学EXPO 2026
5/24-5/29 日本地球惑星科学連合2026年大会
6/17-6/19 すばるユーザーズミーティング 2026