日本工業倶楽部で講演

2017年10月20日、日本工業倶楽部の第626回産業講演会で、「超大型望遠鏡計画と最遠方銀河の観測で活躍する日本」と題してTMT推進室の家が講演させていただきました。

日本工業倶楽部は、日本の経済発展を先導した実業家の倶楽部組織として1917年に設立され、今年が100周年とのことです。東京駅の目の前にある同会館は、1920年に完成しましたが、2003年に免震建て替え工事を経て、大正時代の貴重な建築が復元されたもので、登録有形文化財となっています。財界のトップ経験者を前に同館の大講堂で行った講演会では、日本の産業界が世界の最先端の望遠鏡建設に重要な技術的貢献をしていることをお話ししました。またすばる望遠鏡を用いて初期宇宙史や太陽系外惑星の観測的研究で日本の天文学者が成果を上げていることを強調し、その発展としてのTMT計画を紹介しました。

工業倶楽部会館・大講堂での講演会風景(当日の写真を撮り損ねたため、別の講演会写真を許可を得て掲載させていただいています)。

熊本県・苓北町でふれあい天文学

10月18日、熊本県天草郡苓北町の苓北中学校にて、TMT推進室の青木が「ふれあい天文学」授業を行いました。3学年あわせて200人弱の生徒さんに、学年ごとに50分ずつお話しました。

授業では、星は何からできているのか、という話を通して、私たちと宇宙の結びつきを紹介しました。関連して、この授業の前日に大きなニュースになった、連星中性子星の合体からの重力波と光の検出について紹介し、そこで金やウランなどの重元素が作られた可能性があるという話もしました。前日のニュースでしたが知っている生徒さんもいて、すばる望遠鏡での観測成果を紹介するよい機会をいただけました。

授業に先立ち、学校の先生にお願いして天文・宇宙に関するアンケートもとってもらいました。「宇宙を身近に感じるのはどんなときか?」という質問に対しては、「感じたことはない」という(素直に考えればもっともな)回答もありましたが、一番多かったのは「きれいな星空を見るとき」という回答でした。あいにく私が訪れたときは天候が悪かったですが、おそらく夜には星空がきれいなところだろうと想像しました。「知っている望遠鏡」では、すばる望遠鏡がやはり多く、TMTの知名度はまだ低かったのですが、TMTについて紹介させていただいたので、今後興味をもってみてもらえることを期待しています。

最後に、アンケートによせられた質問に時間の許す範囲で答えました。一番多かったのは「宇宙人はいるのですか」という類の質問で、最近の系外惑星の観測や太陽系の惑星・衛星探査で現実味を増してきている生命の探索への興味の高さがうかがわれました。

この「ふれあい天文学」には、TMTへの寄付金を活用させていただきました。

三鷹・星と宇宙の日2017

国立天文台 三鷹キャンパスの、年に一度の特別公開 「三鷹・星と宇宙の日」。TMT推進室では、今年は2つの参加型企画を準備しました。
まずは、恒例となりつつある「TMTクイズ」。今年は、TMTのヒミツ(答え)が分かる2分間の動画を作りました。子どもも参加できるよう、問題や動画にふりがなをふったり、ディスプレイの角度を調整したりしましたが、難しかったという大学院生(!)もいました。でも、「テスト」ではなく「クイズ」ですので…

答えが分からなくても、後で詳しい解説がもらえるから大丈夫。

答えが分からなくても、後で詳しい解説がもらえるから大丈夫。

TMTクイズのあったすばる棟では、この他にもTMTとすばる望遠鏡を紹介する様々な企画があり、TMT推進室のメンバーも参加していました。

大人気の天文カードゲーム「アンドロメダファンタジー」。謎の仮面ファイター「すばるマン」がMk IIに進化していました。

大人気の天文カードゲーム「アンドロメダファンタジー」。謎の仮面ファイター「すばるマン」がMk IIに進化していました。

サイエンスカフェではホットな話題とクールな話題のどちらも提供します。全体テーマが「熱い宇宙・冷たい宇宙」だったのに合わせて、壁には様々な天体や観測機器の温度が列挙されていました。

サイエンスカフェではホットな話題とクールな話題のどちらも提供します。全体テーマが「熱い宇宙・冷たい宇宙」だったのに合わせて、壁には様々な天体や観測機器の温度が列挙されていました。

「分光器を作っていろいろな光を見よう」では、はさみやカッターを使わずに簡易分光器が作れるように工夫して、大人から子どもまで楽しめる企画になりました。

「分光器を作っていろいろな光を見よう」では、はさみやカッターを使わずに簡易分光器が作れるように工夫して、大人から子どもまで楽しめる企画になりました。

すばる望遠鏡でのお仕事を紹介して、メッセージを書いてもらう企画。集まったメッセージはハワイ観測所へ届けます。

すばる望遠鏡でのお仕事を紹介して、メッセージを書いてもらう企画。集まったメッセージはハワイ観測所へ届けます。

マウナケアの自然と文化について紹介するパネルや、TMTの観測装置についての紹介パネルもありました。

マウナケアの自然と文化について紹介するパネルや、TMTの観測装置についての紹介パネルもありました。

このように企画が盛りだくさんで、小雨が降ったり止んだりとすっきりしないお天気だったにも関わらず、すばる棟は来場者とスタッフの熱気があふれていました。

一方、TMTの分割鏡試作品がある展示室では、今年はTMT主鏡にちなんだ企画をやりました。

492枚の分割鏡カードを並べて、TMTの主鏡モデル(1/25スケール)を完成させます。このカード、厚みも大体1/25になっているので、分割鏡の薄さを手にとって実感できます。

492枚の分割鏡カードを並べて、TMTの主鏡モデル(1/25スケール)を完成させます。このカード、厚みも大体1/25になっているので、分割鏡の薄さを手にとって実感できます。

初日の終了時と、二日目 昼頃の途中経過。外側に行くほど一周するのに時間がかかるようになるので、無事に492枚が貼られるか心配しましたが...

初日の終了時と、二日目 昼頃の途中経過。外側に行くほど一周するのに時間がかかるようになるので、無事に492枚が貼られるか心配しましたが...

終了時までに492枚を超えるメッセージをいただき、TMTを超える主鏡モデルになりました。メッセージから多くの来場者の方が早期の完成を望まれていることがわかり、心強く思いました。カードに惑星や銀河の絵を丁寧に描いてくれた子もいました。

終了時までに492枚を超えるメッセージをいただき、TMTを超える主鏡モデルになりました。メッセージから多くの来場者の方が早期の完成を望まれていることがわかり、心強く思いました。カードに惑星や銀河の絵を丁寧に描いてくれた子もいました。

大人から子どもまで楽しめる、三鷹・星と宇宙の日。来年は(も)、ぜひご来場ください。

IRISの基本設計審査会第二弾

TMTの第1期観測装置の一つであるIRIS (InfraRed Imaging Spectrograph、近赤外線撮像分光装置) の基本設計審査会第2弾が9月20日、21日に、パサデナのTMT国際天文台で開催され、無事審査を通過しました。今回の審査対象はソフトウェア、電気系設計、システムエンジニアリング (コスト、スケジュール、リスク管理、要求仕様、インターフェースなど) でした。審査員長にE-ELTのMICADOというIRISに類似した観測装置の研究開発責任者を迎え、総勢8名の審査員によって審査されました。IRISの撮像系を担当する国立天文台からは2名 (ソフトウェア担当者と撮像系研究開発責任者)が参加しました。

今後は、約3年間の詳細設計段階に移行します。いよいよ、IRIS撮像系の製造を見据えた要求仕様やインターフェースの確定、技術検討、設計が始まります。