TMTサイエンスフォーラム2017

2013年から毎年開催されているTMTサイエンスフォーラムが、今年はインド・マイソールにて開催されました。今回のテーマは “TMT: Beyond First Light” で、TMTに期待される各分野の研究トピックスや観測装置について議論が行われました。

11月7~9日の3日間の会期のうち、2日目の午後と3日目の午前は分科会となり、観測装置や観測モードで分かれて議論を行いました。現在、科学諮問委員会から第二期観測装置の白書の募集が出されていることもあり、それへの提案を含めて分科会でつっこんだ議論が行われたようです。青木が出席した高分散分光についての分科会では、サイエンストピックスとそれに必要な性能のおさらいのあと、白書をどのように作っていくのか議論されました。高分散分光は、可視光と近赤外の2装置(あるいはそれを統合したもの)が想定されます。装置のニーズが高いのは明らかなのですが、現時点で装置チームが組織されていない点が課題で、この会合と白書を契機としてチーム作りを進めていく方向で話し合いが行われました。

TMT高分散分光の分科会参加者(Zhixia Shen氏提供)。今回は地元インドから多数の参加がありました。

最終日の午後には各分科会からの報告がありました。装置の検討状況の違いもあり、また装置というよりも観測モードへの提言のような報告もありましたが、白書ではそれらをひっくるめて将来の装置や望遠鏡運用についての情報が集まってくるものと期待されます。

今回会場となったインフォシス社の研修キャンパスは、バンガロール空港からの移動に時間がかかるのが難点でしたが、広大な敷地に立派な会場があり、宿泊施設も快適でした。食事はカレーが毎食付きましたが、食材が豊富で飽きさせないものでした。

八丈島でふれあい天文学

2017年10月25-27日の3日間、TMT推進室の家が八丈島を訪れ、町立大賀郷中学校、富士中学校、三原中学校、大賀郷小学校、三根小学校、三原小学校の6校で合計10コマの出前授業をしてきました。受講生徒総数 は全6校で227名。テーマは「ぼくたちはどこにいるのだろう?」として、一時間目は国立天文台ご自慢のソフトMitakaを用いた宇宙体験旅行を軸に、太陽系、銀河系、宇宙の階層構造を概観しました。二時間目は、近代天文学史、ハッブルの業績、すばる望遠鏡建設と日本の天文学の活躍、そしてTMT計画へと話をつなぎました。

後日、星空のきれいな島の生徒から、多数の感想文と合計115件の質問が送られてきました。質問にはすべて回答させて頂きましたが、集中して良く聴いてくれていた様子が感想文からも伝わってきます。当初6校すべて一コマの授業と思っていたのですが、前日の打ち合わせで中学校3校と小学校1校は二コマ授業であることがわかり、急遽対応しました。

                   大賀郷小学校での授業の様子

2週連続で通過した台風の影響で、3日間、島では常時強風が吹いていて、往復の飛行機もかなり揺れました。初日の午後に時間が空くので八丈富士に登山する予定でしたが強風のため断念。翌朝、日の出前に、レンタサイクルを押しながらカルデラの周回道路までなんとか登山。帰りは20分で下山し、9時からの授業に臨みました。

大分市立碩田学園でふれあい天文学

10月4日に大分市立碩田学園にて、臼田がふれあい天文学の授業を行いました。5年生123名を前に、肉眼では星にしか見えない惑星や銀河などが望遠鏡という道具が発達するによって、どのように理解が深まっていったのかを説明し、大きな望遠鏡の必要性を説明しました。最後に地球以外に生物がいる可能性についても、事前のアンケート結果を基に生徒と議論しました。

授業の後で生徒からの感想をいただきましたので、一部を紹介します。星のこと、星座のこと、銀河のこと、宇宙の始まりのこと、望遠鏡のこと、など色々な話があったなかで印象に残ったことを教えてもらいました。ふれあい天文学で得た驚きがひとかけらでも、それぞれの子ども達のなかで残り続けてくれれば本当に嬉しいです。

・ぼくは、一番大きい星は、太陽の約1400倍もの大きさと知って、びっくりしました。

・銀河が星がたくさんあつまってできたということが初めて分かりました。

・一番心に残ったのは、秋の四角形です。のつはる少年自然の時に星が見れるか分からないけど、見てみたいです。

・わたしがいんしょうに残ったのは、星は動いているということです。すごい速さで動いていてびっくりしました。

・ぼくはブラックホールは一つしかないと思っていたのでおどろきました。

・1番きょうみをもったものは、うちゅうがどんどん広がっていると言うことです。

・1番興味をもったことは、他の星などに生物がいるかもしれないということです。私はいると思いました。

・私がいちばん興味をもった話はTMTについてです。鏡を六角形にすると考えた人はすごいなと思いました。10年後の完成が楽しみです。

・今度ののつはる少年自然の家では天体かんそくをします。そのときはお話しをしてくださったことをもとにがんばりたいと思っています。

・家に帰って父や母にたくさん話したところ、そうなんだぁとたくさんうなずいていました。

・ぼくはこの授業をうけて、星やうちゅうに関わる仕事をしたいと思いました。

・ぼくはいつかうちゅうりょこうにいってみたいと思います。そして地球以外の生物を、この目でたしかめたいです。

碩田学園の皆さま、素敵な感想をありがとうございました。翌週は宿泊学習で星空観察などもあったそうですが、ふれあい天文学での学習が生かされ積極的に活動しましたとの嬉しいご報告もいただきました。

給食も一緒に食べました!

インドでWFOSミーティング

インドで行われたTMTサイエンスフォーラムに合わせて、WFOSの技術打合せ(11月4~5日)とWFOSを用いたサイエンス検討会(11月6日)が、それぞれバンガロールとマイソールで行われました。普段はWEB会議システムを利用して週1回の打合せを行っていますが、プレゼン資料を用意しておいても、なかなか細かな部分まで伝えるのが難しく、大まかな理解に留まってしまいます。そこでたまに顔を合わせての打合せを持つことで、細かな情報交換を行うことが必要になってきます。

11月4~5日に行われた技術打合せでは、WFOSの新しい装置コンセプトに関する検討状況報告を行い、今後の方針について議論しました。この機会に理解しようと多くの質問がでたため、二日とも会議時間が1時間以上伸びてしまいました。 クタクタになりましたが、おかげで各グループでの検討内容の進捗や問題点の細かい点まで全員で共有することができました。

技術打合せ参加者の集合写真(Indian Institute of Astrophysics提供)

その翌日にマイソールへ移動して行われたサイエンス検討会では、TMTサイエンスフォーラムに参加する天文学者も交えて、WFOSを用いたサイエンス提案とそれを実行するために必要な装置仕様に関する要望を出してもらいました。今後、どのように装置コンセプトに反映させていくかの検討を進めることになります。

技術打合せが行われたバンガロールから、WFOSサイエンス検討会とTMTサイエンスフォーラムが行われたマイソールへ移動途中での朝食風景(朝6時出発だったので)。南インドでポピュラーなドーサをいただきました。