WFOS光学設計検討報告会

広視野可視撮像分光装置WOFSの開発チームは、2016年1月から約1年かけて集中的に光学設計検討を行う開発フェーズを走らせていました。そして、その最終報告会が5月2日~3日にアメリカのパサデナにあるTMT国際天文台オフィスで行われました。この報告会はこのフェーズでの検討結果を外部有識者の方々に評価していただくことを目的としており、その評価に基づいて次の開発フェーズの活動内容を決めることになります。

報告会には、検討に参加したカリフォルニア大学、カリフォルニア工科大学、南京天文光学技術研究所、インド宇宙物理学研究所、国立天文台のほか、TMTスタッフや外部有識者として世界で活躍している経験豊富な光学設計者や天文学者達が参加しました。各担当者から検討結果の報告が行われ、国立天文台からは結像光学系の光学設計や、装置に用いるガラスの材質に関する調査について報告しました。

報告会には、TV会議での参加も含めると総勢32人が参加しました。(TMT国際天文台提供)

報告会には、TV会議での参加も含めると総勢32人が参加しました。(TMT国際天文台提供)

報告会に続いて5月4日にはWFOS開発チームだけで会議を行い、次の開発フェーズで行うべき検討事項について、これはやったほうが良い、あれはやらなくても良いんじゃないか、と活発な議論が交わされました。その結果、現在の光学設計について もう少し検討を進めるほか、現在の技術課題を解決しうる新しいアイデアの提案があり、それについても検討しようということになりました。今後数回の会議を行い、次期開発フェーズでの活動内容の具体案をまとめていくことになります。

5月4日のWFOS開発チーム会議の様子。ホワイトボードを兼ねている白い壁に次期フェーズでの活動内容候補を列挙しながら議論しました。

5月4日のWFOS開発チーム会議の様子。ホワイトボードを兼ねている白い壁に次期フェーズでの活動内容候補を列挙しながら議論しました。

宇宙・天文光学EXPO 2017

4月19日(水)~21日(金)にパシフィコ横浜で開催された、宇宙・天文光学EXPO 2017に国立天文台のブースを出展しました。今年は、TMTと 天文シミュレーションプロジェクト(CfCA)の展示でした。

CfCAでは、宇宙の様々な現象をシミュレーションするための計算機が展示されていました。CfCAのスーパーコンピュータ 「アテルイ」は、TMT望遠鏡本体構造の振動解析にも使用されています。その結果を可視化した動画も上映されていました。

TMTの分割鏡試作品。「この鏡を492枚並べて、30メートルの鏡をつくります。」と言うと、初めての方はとても驚いてくれます。今年は、鏡の表面に糸を張って、(平らな板ではなく) 実際の鏡の形状に研磨されて曲面になっていることを示していたのですが、気づいた方はあまりいないかもしれません…

宇宙の中を自由に移動して天体を眺められるソフトウェア(Mitaka)を用いたバーチャルリアリティ体験もありました。

最終日 21日には、特別講演会(国立天文台の研究者が語る天文コース)が行われ、TMT推進室からは、杉本正宏 准教授が、「30m超大型望遠鏡の巨大・精密システム」と題して、最先端のメカトロニクス技術が応用されながら開発が進むTMT望遠鏡について紹介しました。講演について、「天文学研究の話ではなく望遠鏡の話、しかも色々なトピックを詰め込みすぎたため、皆様にご理解いただけたか心配でしたが、講演会で的確な質問を頂き、また講演後にはブースにて多くの方にお声をかけて頂き、少しホッとしました。」との感想が杉本准教授から寄せられました。みなさまのご来場、誠にありがとうございました。

ハワイ島で出前授業

2017年3月10日から17日にかけて、ハワイ島で Journey through the Universe という学校訪問授業、先生向けの講習会、家族向けのイベントを行う宇宙教育プログラムがありました。ジェミニ観測所が中心となって2005年から始まり、国立天文台ハワイ観測所の職員が初期から出前授業等で協力しています(関連記事:すばる、地元ハワイ島の宇宙教育プログラムを共催)。

TMT推進室では3年前より、ハワイに出張し出前授業を行っています(関連記事:ハワイ州ヒロ ワイアケア中学校での授業)。2017年は臼田が ヒロ中学校の7年生1クラスと8年生2クラス、ワイアケア中学校の7年生に天文学の授業を行いました。

 

ヒロ中学校での授業の様子 (ジェミニ観測所 提供)

ヒロではTMTもスポンサーを務めるロボットコンテストに積極的であるため、”Robotics Devices for Subaru Telescope & TMT” という題目で、すばる望遠鏡の TUE (トップユニット交換装置)CIAX (カセグレン観測装置自動交換システム)、TMTの SHS (分割鏡交換システム) 等の紹介をし、過酷な環境のマウナケア山頂においてロボット技術が効率の良い運用に役立っていることを説明しました。

TMTの分割鏡交換ロボットも紹介しました (ジェミニ観測所 提供)

ワイアケア中学校の生徒と

2016年度の講演会まとめ

2016年度は15都道府県で約46件の講演を行いました。日本だけでなく、TMTの建設予定地であるハワイ島でも、一般講演や出張授業を行い、マウナケアの望遠鏡で得られた成果と、そこから新たに生まれた謎にTMTがどのように挑むのかお話ししました。

本年度も、講演会や展示会など様々な機会を通して、2020年代の天文学が何を目指すのか、その中で次世代超大型望遠鏡がどのような役割を果たすのかを伝えていきたいと思います。

講演を依頼される方は、TMT講師派遣プログラムの問い合わせフォームから申込みができますので、ぜひご利用下さい。ふれあい天文学を通じた出張授業も行っております。