データ解析実習でインドの大学院生と交流

インドはTMTパートナー国ですが、8-10mクラスの大型望遠鏡を所有していないため、大型望遠鏡を用いた観測/データ解析経験のある大学院生や若手研究者が少ないという現状があります。そこで来るTMT時代でのサイエンスを活発に行なうために、大型望遠鏡の多様な観測装置のデータ解析を勉強するワークショップがインドの天文学天体物理学大学連携センター(IUCAA ※)で大学院生向けに開催されました。

日本からは東京大学の左近樹助教とTMT推進室の内山が、中間赤外線観測の解析指導の講師とアシスタントとして参加しました。インドの大学院生は皆さん素晴らしく意欲的で、解析やサイエンスについて熱心な質問を多くしてくれました。アシスタントを務めた内山も参加者の姿勢に刺激を受け、とても良い経験ができました。

ワークショップは1月16日~26日に行われ、TMTのサイエンスや観測装置についての発表もありました。 (TMT-インド 提供)

ワークショップは1月16日~26日に行われ、TMTのサイエンスや観測装置についての講演もありました。 (TMT-インド 提供)


※TMT-インドは、天文学天体物理学大学連携センター(Inter-University Centre for Astronomy and Astrophysics)、インド宇宙物理学研究所(Indian Institute of Astrophysics)、アリヤバータ観測科学研究所(Aryabhatta Research Institute of Observational Sciences)の三機関が主体となって計画を進めています。

熊本学園大学付属中学校で「ふれあい天文学」

2月8日に熊本学園大学付属中学校にて、臼田がふれあい天文学の授業を行いました。中学2年生58名に加えて、授業が終わった後の高校生 数名を前に、ハワイの文化の話に加えて、すばる望遠鏡やTMTはなぜマウナケアに作るのか?を紹介しました。また、最後に地球以外に生物がいる可能性についても説明しました。

昨年4月の熊本地震の影響も垣間見られる中で、生徒も先生も皆さん元気で、宇宙のスケールの大きさを実感していただけたのではないかと思います。

生徒さんからいただいた感想の一部を紹介します:

ぼくはこのような天文学教室を今まできいたことがなく、今回初めてききました。話をきいて、知らないことがたくさんありましたが、とてもおもしろかったです。きいていてとてもワクワクしました。

私たち人間が知らないことはまだまだたくさんあって、そのなぞを追っていくのは、楽しそうだなと思いました。

自分の知らないような話、自分が考えているのよりもきっともっとすごい話なのだろうなと想像を膨らませながら受ける授業は楽しかったです。

私は地学や天文学などがあまり得意ではなく、お話しを聞かせていただく前は少し不安でしたが、臼田先生のお話は、身近に感じるもののようにお話ししていただき、時間がすぎるのが、あっという間のように感じました。

星に光の速さでどれくらいでつけるのかみたいなところが結構おもしろかったです。宇宙がどれくらい広いのか実感することができました。

星がまたたくというのは、宇宙で見ても同じでどこの場所で見てもまたたいて見えると思っていたので、結構驚きました。

今見ている星は、とても昔に光った星なんですね。星は今と昔をつないでいる気がしてロマンチックだなと思いました。

ハワイのことについて、聞いて初めて知るようなこともおもしろいなと思いました。

この授業の前に質問のプリントに答えたとき、すばる望遠鏡とかTMTをハワイに作るのは場所が広いからだと思っていました。でも今日ちゃんと理由がはっきり分かって、なるほど!!ってなりました。

TMTは1つの国が作るのではなく、いくつかの国が協力して作ると聞いて、今までにないくらいの望遠鏡ができるのだろうと思いました。

それにしても今ある「すばる」という望遠鏡も最古の銀河を見つけたのに、さらに上を行く「TMT」を作ろうとしているとは、研究者の人達は本当に宇宙が好きなんだなーと思いました。

宇宙の生命は本当にあるのか、そもそもそんな生命が住める様な場所があるのか、すごく興味深いので、TMTで調べてぜひ解明してほしいなーと思います。

今後ニュースで宇宙の話などがでていたら耳をかたむけてみます。

聞いたことのない言葉などたくさんでてきたけれど楽しかったです。自分なりに調べてみようと思います。

熊本学園大学付属中学校の皆様、楽しい感想をありがとうございました。

講演の後で、熊本ラーメンも堪能することが出来ました!

「どんな望遠鏡をつくる?」~岐阜県・武儀東小でふれあい天文学

1月20日、岐阜県関市の武儀東小学校で、TMT推進室の青木が「ふれあい天文学」授業を行いました。

2時間の授業のうち、1時間めの前半では、「星は何からできているか」というテーマで、地球・惑星・太陽がどのようなものからできているのか、夜空の星とはどんなものなのか、お話ししました。後半には、事前に寄せていただいた質問に答える形でお話ししました。質問は30項目もあり、隕石、月の模様、宇宙の生命、宇宙飛行士の食事など、多岐にわたり、回答の準備で講師のほうもいろいろ勉強になりました。

4・5年生の合わせて24人に授業を行いました。

2時間目には、「望遠鏡をつくってみよう」というタイトルで、最新の研究用望遠鏡をつくることをイメージして、グループ討論をしてもらいました。テーマは、「何を観測するか」「どんな望遠鏡にするか」「どこに作るか」「お金はどうするか」の4つで、グループ討論の結果の発表もしてもらいました。グループごとにかなり発想が違っていて、資金集めの話をはじめとして、討論はとても盛り上がっていました。発表のあとのまとめとして、TMTはこの4点について、どのように考えて計画されているのか、講師からお話ししました。

「望遠鏡をつくってみよう」 ~4つのテーマでグループ討論の様子

理科教育に力を入れているということもあって、事前の質問、当日の討論とも個性的な質問・意見が出されていて、講師にも刺激になる授業でした。

この「ふれあい天文学」には、TMTへの寄付金を活用させていただきました。

TMTリーダー育成のための国際研修会

TMTの将来を担う若手研究者・技術者向けの国際研修会がハワイ島ヒロで開催され、TMTパートナー各国から約40名の大学院生と若手研究者が参加しました。この研修会では、TMT計画での研究や開発に参加するために有用な情報や専門知識を得るだけでなく、多様な文化的背景を持つ人々が協力して一つの巨大望遠鏡計画を成功させるためには何が必要なのかということについて、参加者それぞれが考え実践する機会になるように、さまざまなプログラムが準備されました。

第一回となったこの国際研修会は、2016年12月5日-7日に行われました。(TMT国際天文台提供)

参加者は、3日間のプログラムを通して、国際協力による大型計画に必要な管理・運営手法、観測装置・ソフトウェア開発などをTMTスタッフから学ぶと共に、すばる、Keck、Gemini、CFHTといったマウナケアの天文台を訪問して、現地の科学者やエンジニアと交流しました。また、ハワイの天文学の歴史とマウナケアの文化について学ぶ機会も設けられました。

研修会に参加した、内山瑞穂 国立天文台・特任研究員からは次の感想がよせられました:「研修会ではプロジェクト管理や、システムエンジニアリングなど国際大型望遠鏡計画を進める上で重要な内容を多く学びました。特に、TMTパートナー各国のモノ作り環境などのバックグラウンドの違いや、TMT望遠鏡設計におけるシステムエンジニアリングの具体例についての話がとても興味深かったです。また、参加者同士でグループを作って共同作業を行なう機会が多く設けられ、多様なパートナー国の参加者からなるグループで一つの作業を進めていく体験を実際に持つことができました。このような大学院生や若手研究者向けのワークショップが今後も継続的に開催されればと期待しております。」

参加者同士の議論の様子。TMTの将来装置についての講義を受けた後に、自分たちで将来装置のアイデアを出し合います。(TMT国際天文台提供)

この研修会は、TMTにおける教育・人材育成・広報普及を検討している国際チームによって立案されました(2016年の記事などを参照)。このチームでは、今後も研修会を継続していくとともに、TMTのパートナー国の間でのインターンシップなどで若手研究者・技術者の交流をはかっていくことを検討しています。