日本地球惑星科学連合 2025年大会

5月25日から30日にかけて、幕張メッセで開催された日本地球惑星科学連合大会(JpGU 2025)に、ブースを出展しました。JpGUは地球惑星科学を構成するすべての分野・関連分野の研究者が集まる大規模な学会で、学生や一般の方の参加機会もある貴重なイベントです。

ブースが設置されたのは、幕張メッセ国際展示場の広大な会場。展示ホール2つ分のスペースに、企業・大学・研究機関による一般展示ブースのほか、ポスター発表スペースや特設会場が設けられ、終始にぎわいを見せていました。パブリックデーの5月25日(日)には、学会参加者だけでなく、多くの一般の方が来場し、最新の研究やプロジェクトに触れる貴重な場となっていました。

TMTプロジェクトはアルマ望遠鏡と合同で出展しました。TMTが可視光・近赤外線で宇宙を観測する超大型望遠鏡なのに対して、アルマは電波で観測する電波干渉計です。いずれも国際的な最先端の観測プロジェクトであり、それぞれの特徴や現在の状況、そして将来への期待について紹介しました。

国立天文台のブースには、研究者はもちろん、多くの中学生・高校生・大学生が訪れてくれました。中には「将来はこんな研究をしたい!」と目を輝かせて話しかけてくる中高生の姿もあり、展示説明員にとっても楽しい出会いがたくさんありました。このような学生さん達にむけて、ブースには総合研究大学院大学のリーフレットも置き、国立天文台で研究ができる進路についても紹介しました。

JpGUでは、大学学部生以下の方は無料で参加することができます。地球惑星科学や天文学といった幅広い分野の研究や、それを支える研究機関を知るうえで、進路を考えている学生の皆さんにとって絶好の機会となるでしょう。

来年もぜひ、TMTやアルマのサイエンスに興味のある多くの皆さんにブースを訪れていただきたいと思います。

日本インド科学技術協力合同委員会でTMTを紹介

常田佐久氏(前台長、自然科学研究機構特任教授、TIO評議員会共同議長)が2025年6月5日、インドのデリーで、第11回日本インド科学技術協力合同委員会に参加し、TMTを紹介しました。インド側からは、TMTプロジェクトのメンバーである科学技術庁をはじめ、バイオテクノロジー庁、地球科学庁など様々な分野の関係者が参加しました。

今年は、1985年11月に日本インド科学技術協力協定が締結されてから、40周年となり、「日印科学技術交流年」です。TMTプロジェクトでは、インドは主鏡分割鏡の研磨と外形加工、主鏡分割鏡を制御する支持機構の製造等、非常に重要な役割を担っています。

常田氏はいつも通り、最後の最後まで周到に準備し、TMTの比類なき性能がもたらす最高のサイエンスは勿論のこと、すばる望遠鏡のHyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム、HSC)での協力等、国立天文台とインド天文学機関との共同研究開発、ハワイでの2019年の抗議活動、ハワイの人々と連携した地域貢献活動なども紹介しました。また米国国立科学財団による最近の発表も率直に伝えました。

(左)常田氏(写真中央)は、インドの正装バンディ・ジャケットを着て参加しました。 (右)熱心に聞き入るPraveenkumar Somasundaram氏 (科学技術庁 国際協力部長;写真中央)。常田氏の発表後、インドもTMT実現に向け尽力するとのお言葉を頂きました。

参加者の方々はTMTのサイエンスや先端技術に驚き、またさまざま問題に直面し、苦悩しながらも立ち向かって基礎研究を守ろうとするプロジェクト関係者の姿に大きな反響がありました。出席者から、最も興味深い発表だった、完成を心待ちにしているとの声が寄せられました。現況をお伝えしたうえでの反響だったので、心強く、励みとなりました。

天文学を次世代に引き継いでいけるよう、尽力してまいります。

 


参考:第11回日・インド科学技術協力合同委員会に関する外務省記事

ハワイ島の「アストロ・デー」にTMTスタッフが参加

2025年5月3日、年に一度のサイエンスイベント「アストロ・デー 」が、ハワイ島のヒロで行われました。今年で23回目を迎えるこのイベントに、TMTもブースを出し、たくさんのケイキ(子どもたち)に科学を楽しく体験してもらいました。

紫外線で色が変わるビーズを使ったブレスレットづくりや、光のスペクトルが見える虹色メガネを使った実験など、会場は好奇心と笑顔にあふれていました。なかでも印象的だったのは、プロジェクトマネージャーのフェンチャンが、来場したご家族と手をつないでエネルギースティックの回路を完成させながら、電気の流れを説明していた場面です。科学は人と人をつなぐもの―それが文字どおりに体現されたひとときでした。

何百組ものオハナ(家族)の皆さんとSTEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)や天文学の不思議を分かち合うことができたことは、TMTのスタッフにとっても忘れられない一日となりました。このイベントを毎年開催しているハワイ大学天文学研究所の皆さん、そして会場を盛り上げてくれたボランティアやパートナーの皆さんに、心からのマハロ(ありがとう)をお伝えします。


参考:TIO Staff Enjoyed AstroDay Hilo (TMT国際天文台)

OPIE 宇宙・天文光学EXPO 2025

2025年4月23日~25日に、光学・フォトニクス分野の最先端技術が集う展示会 OPIE(OPTICS & PHOTONICS International Exhibition)がパシフィコ横浜で開催され、国立天文台も出展しました。会場には、研究者や技術者、企業関係者など多くの来場者が訪れました。

今回のブースでは、TMTプロジェクトに加えて、先端技術センターと産業連携室の取り組みを紹介しました。

TMTプロジェクトの展示では、パネルや映像を用いて、計画の概要、最新の開発状況、期待される科学成果などを紹介しました。「すばる望遠鏡は知っているけど、TMTは初めて聞いた」という方も多く、模型を前に望遠鏡の特徴を説明すると、そのスケールの大きさに驚かれる姿が印象的でした。

先端技術センターと産業連携室のスペースでは、補償光学による像の揺らぎ補正のデモンストレーションと、赤外線位置天文衛星JASMINEに搭載される近赤外線画像センサの展示が行われました。

3日目(25日)には、特別セミナー「国立天文台を活用する研究者が語る天文コース」が開催されました。まず、産業連携室の平松が「見えない宇宙を観る技術を社会へ:国立天文台の技術開発と産業連携」と題して、国立天文台の研究で培われた技術が社会へ広がっていく可能性について紹介しました。続いて、先端技術センターの服部が「補償光学による光学揺らぎの補正」と題して講演。星のゆらぎを補正し、宇宙からのかすかな光を鮮明にとらえるための技術を解説しました。これらの技術は、将来的に医療や通信など幅広い分野への応用も期待されています。最後に、TMTプロジェクトの安井が「星と惑星の誕生を見つめて:すばる望遠鏡、JWSTとTMTが拓く新たな宇宙」と題して講演し、すばる望遠鏡やJWSTによる最新の観測成果を紹介するとともに、TMT時代に期待される新たな科学の展望について語りました。


ブースやセミナーに足を運んでくださった皆さま、ありがとうございました。今回の出展が、天文学の面白さやその裏にある技術の力に触れていただくきっかけとなれば幸いです。今後もさまざまな機会で国立天文台の活動をご紹介していきますので、ぜひご注目ください。