インターナショナルスクールの小学生スプリングスクールで授業

TMTプロジェクトの青木が3月24日に小学生のスプリングスクールで授業の機会をいただきました。このイベントは東京都港区のローラスインターナショナルスクールオブサイエンス初等部で開催された STEAM Spring School 2021です。1週間のスクールで重力や飛行について学び、ロケットを作って飛ばすところまで行う企画ということです。その一環として宇宙の話について授業が組まれ、講師派遣依頼をいただきました。

授業は20人ずつの3グループに英語で行いました。「私たちはどこにいるのか?」を地球からスタートし、天の川銀河のなかの位置までつかんでもらいました。また「私たちは何からできているか?宇宙は何からできているか?」という内容で、人体の組成、地球の組成と宇宙の組成を比較し、類似点・相違点を紹介しました。印象としては、人体の組成のところが一番子供たちの関心を呼んだように思います。やっぱり身近なものが一番なのだと思いますが、それと宇宙のつながりを少しでも感じてもらえたらうれしいです。

第2グループの授業風景 (写真提供:ローラスインターナショナルスクールオブサイエンス初等部)

3グループで少しずつ学年も違い、最初は低学年中心で、少し話が難しかったかもしれません。授業の終わりに質問を受けたところ、初っ端が「ユニコーンはどこにいるのか?」という質問で、一瞬聞き違いかと思いましたが、自由に思ったことを尋ねられるのは子供ならではで、うらやましいです。もう少し上の学年からはいくつも具体的な質問が出されました。

新型コロナウィルス感染症の拡大が懸念されるなかでの対面授業ということで、対策には気がつかわれていました。床に座るスタイルで、小さい子供たちはどうしてもくっつきたがるのを、先生が “Social Distance!” と指示していたのがほほえましかったですが、早く子供たちがもっと自由に楽しめる状況になってほしいものです。

オンライン授業の広がり(3) ~ 時差を超えて世界の国々の学校と交流 ~

TMTプロジェクト・カリフォルニア事務所の林がオンラインで行った授業のご報告です。三番目にご紹介するのは、これまたオンラインならではの交流で、世界のいろいろな地域にある学校と、二つの時間帯を設けて交流する企画に参加した時の様子です。これは立命館高校が例年開催している国際的なサイエンスフェア(Japan Super Science Fair)の、初めてのオンラインバージョン。国内の移動さえ制限のある状況では、国外からの訪問はかないません。また長期休みの時期以外だと、現地の授業時間との兼ね合いも考えなければなりません。例年のように生徒さんが主体となって、しかしおそらく先生方との協議も重ね、週末3回を使って工夫をこらしたスケジュールになっていました。24の国と地域、国外から46校、国内から17校、約300人が参加したとのことです。TMTのパートナー国である中国、インド、カナダ、米国からも参加がありました。

ここではオープニング時の基調講演を、パサデナと日本のTMTメンバーおよびイギリスのSKAメンバーの3人で行いました。SKAのエンジニアとは「初対面」でしたが、SKAも国際プロジェクトであり、いろいろな国の高校生と交流できる機会は貴重ということで意気投合し、講演準備でのやりとりですっかり盛り上がりました。

基調講演後の質疑応答のスクリーンショット。TMTの林左絵子と、早野裕が講師として参加しました。

実はこの基調講演、ビデオ録画を送っておいて、それがストリーミングされるのですが、上映中に、このイベント用に主催者が用意していたスラック(チャットツール)にどんどん質問が入る。世界各地の高校生が英語で質問してくるので、うかうかしていられません。そもそもサイエンスフェアに参加して、自分たちも英語で研究発表する生徒さんたちなので、この機会にできるだけのことを学ぼうという強い意欲が山のような質問に現れていました。

興味を持てることなら寝る時間も削って取り組むことができる年齢。研究発表、録画による各校の芸自慢、オンラインゲームなどを通じて強いつながりが出来たようです。いずれ国際研究集会で実際に出会うことがあるかもしれないと感じました。

立命館中学校・高等学校ウェブサイトより(クレジット:立命館中学校・高等学校、Credit: Ritsumeikan Junior and Senior High School)

 


関連記事:初めてのオンライン国際サイエンスフェア、Japan Super Science Fair 2020 Online 開幕! (立命館中学校・高等学校ウェブサイト)

ハワイから行なった「ふれあい天文学」

「ふれあい天文学」では、毎年国立天文台の職員が国内の学校に出張して授業をおこなっていますが、2020年度は新型コロナウイルスの影響で原則オンライン授業となり、国外に赴任している職員も参加が容易になりました。また、国内の学校に加えて、海外の日本人学校、日本語補習校も対象になりました。今回は、TMTプロジェクトの能丸(ハワイ勤務)が2020年11月から2021年1月にかけて、トルコと日本で行なった授業についてご報告します。

能丸は、イスタンブール補習授業校(11月8日)、ニセコ小学校(11月11日)、関西創価小学校(1月19日)、自由学園初等部(1月26日、ふれあい天文学とは別枠)でオンライン授業をおこないました。合計200人以上の生徒さんが授業に参加されました。

イスタンブール補習授業校は、新型コロナウイルスの影響で完全にリモート授業になっていて、生徒さんはそれぞれの自宅から参加しました。またイスタンブールの他の補習校や、アンカラ、フランス、日本からの参加者もいらっしゃいました。日本の各学校の皆さんは通常通り登校してきましたが、一か所に集まるのではなく、クラスや学年ごとにそれぞれの教室で授業を受けました。

授業では、身近にある金がどうやって作られたかという話題で、中性子星同士の衝突と、それを観測した重力波望遠鏡や、すばる望遠鏡についてお話ししました。その上で、直径8.2メートルのすばる望遠鏡をもってしてもまだまだ解明できない天体や現象が宇宙にあること、TMTはそのような宇宙の謎をさらに解明するための切り札になることを説明しました。

オンラインでは授業をうける生徒さんの様子を知ることが限られてしまいますので、授業の内容を分かってもらっているか、退屈はしていないかなど、不安はありました。授業に使用するスライドには写真やイラストを多く入れて、分かりやすい授業を心がけました。授業のあとに先生から送られてきた授業風景の写真、生徒さんの感想や授業の様子をご家族に知らせるニュースレターの記事などを拝見すると、大変に喜ばれたことが分かりました。これからもできるだけ多くの皆さんに宇宙の不思議や天文学の面白さを伝えていきたいと思います。

オンライン授業の広がり(2) ~ 通信制を主体とする学校との交流 ~

TMTプロジェクト・カリフォルニア事務所の林がオンラインで行った「ふれあい天文学」のご報告です。12月12日は、通信制を主体に日本各地に展開している「おおぞらみらいスクール」との交流を行いました。日本が昼なら、こちらカリフォルニアは夕方。星空の生映像をお届けできると良かったのですが、さすがにそこまで空が暗くならないので、写真で代用しました。

「おおぞらみらいスクール」の中学生の皆さんには、「宇宙探検隊隊員募集中」というタイトルでお話しました。拠点キャンパスに集まった生徒さんもいれば、遠くから個人端末でつないだ生徒さんもいる。Zoom(オンライン会議ツール)にたくさんの接続があることが示されていました。担当の先生との事前打ち合わせで、宇宙や天文のタイムリーな話題を生徒さんにあらかじめ紹介してくださるようにお願いしました。ふたご座流星群直前、はやぶさ2のフライバイおよびカプセル帰還ニュースの直後、ということで宇宙や星空への関心が大いに高まっていることが授業前に寄せられた質問からも伝わってきました。

しかも、ちょうど月探査のアルテミス計画にかかわる女性宇宙飛行士のリストが公表されたので、宇宙や天文に関わる職場および職業の説明にその話題を活用しました。理学以外の分野を学んでいても、宇宙や天文に関わる仕事に就くことができるのです。アルテミス計画には日本も関わっているので、将来、おおぞらみらいスクールの卒業生が月面からオンライン授業をすることがあるかもしれません。

画像提供:おおぞらみらいスクール

この授業は日本側の土曜日にあり、おそらく選択授業の一つでしょうが、それにもかかわらず、Zoom越しでさえ関心を持って集中して聞いてくれていることが感じられました。聞いていないふりしながら、いくつかの画像に拍手の反応をしたり、迷いながらも質問をチャットに書き込んでくれる生徒さんたちも。オンライン授業そのものには慣れていることから、たくさんの反応をいただけました。自分の進路についていろいろな可能性を探ってもらえればいいなあと思いました。