宇宙・天文光学EXPO 2019

4月24日(水)~26日(金)にパシフィコ横浜で開催された、宇宙・天文光学EXPO 2019に国立天文台のブースを出展しました。今年はTMTとすばる望遠鏡についての展示を行いました。

ブースの様子。正面奥には、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラによる観測で描き出された、ダークマターの分布図が掲示されています。

すばる望遠鏡の模型(左)とTMTの模型(右)を並べて展示。同じスケール(1/100)なので、口径8.2m(すばる望遠鏡)と口径30m(TMT)の大きさの違いを実感できます。

これだけ集光力が違うなら、TMTが完成したら、すばる望遠鏡は必要なくなるのかという質問もブースでいただきましたが、展示されているように、すばるは超広視野主焦点カメラをはじめとした強力な観測装置を備えており、TMT完成後は、二つの望遠鏡が密接に連携して新時代の天文学研究をリードすることをご説明しました。

新入社員の皆さんでそろって、天文台のブースを訪れる様子。

宇宙・天文光学EXPOは、メーカーからの出展が多く、研究者・技術者とメーカーとの交流の場にもなっています。国立天文台のブースにもメーカーの方が多く訪れ、一方で、国立天文台からも説明員を担当する合間に他ブースを訪れて技術情報を収集する姿がありました。

特別セミナーで講演する大屋(左)と早野(右)。

最終日の26日には、特別セミナーとして、「国立天文台の研究者が語る天文コース」が開催され、宮崎、大屋、早野の3名が、すばる望遠鏡とTMTについての講演を行いました。最初に宮崎が、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラで探る加速膨張宇宙の謎についてお話しました。大屋は、TMT計画に至るまでの光学望遠鏡の歴史を概説した後、TMT主鏡で用いられる技術について解説しました。最後に、早野が、すばる望遠鏡をふくむ他の望遠鏡との連携の重要性にも触れつつ、TMTが目指す科学目標とそのための観測装置についてお話しました。

大屋からは、「多くの方が講演を聴きに来場されたり、展示ブースで様々な質問をくださったことで、天文学への興味とTMTへの期待を感じ取ることができました。 未知なる宇宙のさらなる解明に挑戦するためにTMT望遠鏡を完成したいという気持ちを新たにすることができました。」という感想が寄せられました。

26日の午後には、午前のセミナーで講師を務めた早野と大屋も展示説明員としてブースに立ちました。

ブースには、メーカーの方だけでなく、一般の来場者や、大学生や大学院生で自分の専門と天文への興味をうまく合わせたい方、さらに高校生らしき姿も見受けられました。展示説明員一同、皆様と楽しくお話する機会をいただきありがたく思います。

展示会の様子は、OPIEウェブサイトのVR展示会からもご覧になれますので、ご興味のある方はぜひご訪問ください。

OPIE’19 VR展示会

須坂市立 豊洲小学校でふれあい天文学

2018年12月4日、TM推進室の臼田が、長野県須坂市立豊洲小学校にてふれあい天文学の授業を行ないました。4年生と6年生合計42名を前に、肉眼では星にしか見えない惑星や銀河などが望遠鏡という道具が発達することによって、どのように理解が深まっていったのか話し、大きな望遠鏡の必要性を説明しました。

おとなしい生徒が多く、あまり質問がでませんでしたが、事前に「宇宙について聞きたいこと」のリストをもらい、それに沿って質疑応答をした際には、みんな活発な意見がでました。

授業の後で生徒からの感想をいただきましたので、一部を紹介します。普段は聞けない話を楽しんでもらえて非常に嬉しいです。

(4年生)

・ぼくは初めて天文学のお話を聞きました。お話を聞いていてぎもんに思うことがあったけれど、うすださんの話がわかりやすくてとてもうれしかったです。
・太陽より大きい星があるとはすごいとおもいました。
・星のことをいろいろ教えてくれたり、みんなの書いた質問に答えてくれたりとすごく勉強になりました。
・世界で協力してTMTを作ろうとしていてすごいと思いました。
・おもしろかったのでこれからも色んな事を知りたいと思った。
・ぼくは、うすだ先生の話を聞いて、しょうらいのゆめのこうほが一つふえました。

(6年生)

・ブラックホールについての謎が解けて良かった。
・ガリレオさんが望遠鏡で見た木星の周りを回る星4つを見つけた話をきいた時、すごい人なんだと実感できた。
・私が前から思っていた「宇宙は黒いのに、なんで空は青いのですか?」という質問に答えていただき、ありがとうございました。他にも初めて知ったことがたくさんありました。
・TMTの完成予想図を見たときは、宇宙のことをすごく知りたくなって、いっぱいメモをかいて、覚えておきたいこと、知っておきたいことを考えながら話を聞くのはすごくおもしろかったです。
・これから望遠鏡で星をもっと観察してみたいと思いました。

豊洲小学校のみなさん、素敵な感想をありがとうございました。

(写真提供:長野県須坂市立豊洲小学校)

若手向けのTMT国際研修会に参加

TMTの将来を担う若手研究者・技術者向けの国際研修会(2018 TMT Early-Career Workshop)がカリフォルニア州パサデナで開催され、TMTパートナー各国から約50名の大学院生と若手研究者が参加しました。

この研修会ではTMT計画に関する知識を得るだけではなく、様々なプログラムを各パートナー国の参加者と協力して進めることで、国際プロジェクトを成功させるためのプロジェクトマネージメントなどの技術の獲得や、TMTの将来的なユーザーおよびリーダーのコミュニティの構築が目的となっています。

今回で3度目であるこの研修会は、2018年12月2日から12月9日に渡り開催されました。

会期中は主に装置設計のプロジェクトや、TMTの現状の課題に近いTMTミニプロジェクトと呼ばれるプロジェクトを複数のグループに分かれて取り組みました。活動したグループは国籍が入り混じっているだけではなく、研究者・技術者の区別なく構成されていたため、普段知る機会の少ない知識や視点を得ることができました。

議論の方法など各国によって異なることが多々あり、互いのバックグラウンドを理解し合いながら一つの目的にアプローチするという経験を得られたことは、とても有益でした。


また、開催地のパサデナにはTMTに関連した施設が多くあり、TMTプロジェクトオフィスや、カリフォルニア工科大学のTMTの装置に関する実験室を見学することができました。最終日にはポスターセッションが開催され、この研修会の参加者だけでなく、研修会に引き続いて行われたTMTサイエンスフォーラム2018の参加者も訪れました。参加者同士の研究内容を知ることもでき、良いフィードバックを得ることができました。

この研修会は、今後どのようにTMTに関わることができるのかを考える良い契機になったと考えております。このような大学院生・若手研究者向けのワークショップが今後も継続的に開催されることを期待しております。

総合研究大学院大学5年一貫制博士課程2年 伊藤慧

(写真提供:ISEE

TMTサイエンスフォーラム2018

第六回のTMTサイエンスフォーラムが、12月10日(月)から12月12日(水)の3日間の日程でアメリカのパサデナで開催されました。フォーラムには全体で約160人の参加があり、日本からはおよそ20人(うちTMT推進室から5人)が参加しました。前の週に開催された若手向けワークショップから引き続いて大学院生の参加が多数あったのが特徴です。

初日と2日目午前は全体会が行われ、TMTプロジェクトの進捗報告、他の研究プロジェクトとの連携の提案、各サイエンス分野でのTMTのサイエンスケースの提案などが議論されました。

2日目午後と3日目午前には、サイエンス分野ごとに4つの分科会に分かれました。今回のフォーラムでは、来年提出予定のNSF(米国国立科学財団)への提案書にむけたキーサイエンス、およびそれに必要な装置や運用の検討が課題であり、これにむけて集中的な議論が行われました。

3日目午後には、再び全体会に戻り、各分科会での議論が報告されました。多くの分科会で、観測時間の割り当てを行うTACの体制についての関心が非常に高かったとのことでした。また、第二期装置への関心も強く、高分散分光器や、惑星撮像装置(PSI)、中間赤外線観測装置(MICHI)への要望が多く聞かれました。

TMT国際天文台のラボ見学ツアーも行われました。