三鷹・星と宇宙の日2018

10月26日~10月27日に、国立天文台三鷹キャンパスで、年に一度の特別公開「三鷹・星と宇宙の日」が開催されました。TMT推進室は、すばる棟と展示室で、展示・企画を行いました。

まずは27日(本公開)で行われた、すばる棟企画のご報告です。国立天文台の光赤外研究部/ハワイ観測所/TMT推進室のスタッフ・大学院生あわせて約50名が協力して、企画・展示を行いました。

今年は、すばる望遠鏡のエンジニアリングファーストライト(1998年12月)から20年目を迎えるということで、年表を作りました。すばる望遠鏡による数々の発見を年表でたどっていただき…

…その先では、すばる望遠鏡の最新の成果とともに、TMTで目指すサイエンスをご紹介しました。

すばる望遠鏡のある、そしてTMTが建設予定の、マウナケアの紹介コーナー。現地観光者向けに製作されたマウナケアの自然と文化についてのパンフレット(マウナケア管理事務局製作)の日本語訳をTMT推進室が行い、日本語版パンフレットをこのコーナーで配布しました。(今後、ハワイでも、日本人来訪者用に配布されるそうです。)

毎年人気の、天文カードゲーム 「アンドロメダファンタジー」。 今年は、謎の仮面ファイター「すばるマン」が観測中のためお休みとなっており、子ども達に残念がられていました。

サイエンスカフェの今年のテーマは、「天文学のおもしろさを再発見」。TMT推進室のメンバーも、望遠鏡作りやTMTで目指すサイエンスについて、来店者と語り合っていました。

すばる望遠鏡の主焦点カメラ、ハイパー・シュプリーム・カムのサーベイ画像。気になる銀河にポストイットを貼り付けていってもらいます。様々な形態の銀河に、来場者が(企画者も?)自由な想像をめぐらせました。

簡易分光器の製作(左)は、ハサミ・糊が不要で、小さな子も熱心に取り組んでいました。作った分光器で様々な光を観察するコーナー(右)では、分光器作りはしないけど、観察だけしたいというシニアの方も多くいらっしゃいました。TMT推進室で、IRIS、WFOSの装置開発を行っているメンバーも説明員をしていました。

次に、26日(プレ公開)と27日(本公開)に展示室で行われた、TMT企画のご報告です。

分割鏡カード(右)を並べて、TMTの主鏡モデル(1/25スケール)を完成させます。このカード、厚みも大体1/25になっているので、分割鏡の薄さを手にとって実感できます。今年は、来場者がこのカードにアルミシールを貼ることによって、鏡のように仕上げてもらいました。そして、実際の望遠鏡の鏡がどのように作られるのか、パネルや動画でご紹介しました。

着々と、分割鏡カードが貼られる様子。鏡のように映ることに気がついて喜ぶ子どもも。

TMTの30メートル鏡に必要な492枚が貼られた様子。これで完成として、以降はスペアとしてパネルの脇に貼っていくつもりだったのですが、鏡をもっと大きくしたいということになり…

最終的には、835枚の鏡が貼り付けられました。(右は、貼られた枚数を計算し、E-ELTの分割鏡数を超えたと、反省会で報告する家正則名誉教授。)

分割鏡企画の説明員をつとめたTMT推進室メンバー(一部)。

秋晴れのさわやかな天気の中、大勢の来場者に楽しんでいただき、TMT推進室のメンバー一同も嬉しく思いました。来年も楽しい企画を用意したいと思いますので、ぜひご来場ください。

 

滋賀県・日野町桜谷小学校でふれあい天文学

10月9日、滋賀県蒲生郡日野町の桜谷小学校でTMT推進室の青木が「ふれあい天文学」授業を行いました。4年生(13人)と6年生(9人)にそれぞれ45分ずつ、お話ししました。

授業ではまず、自己紹介を兼ねて、地球や星は何からできているのか、それを調べると何が面白いのか、という話をしました。続いて、授業に先立ち学校の先生に集めていただいた事前アンケートの結果を紹介しました。「宇宙を身近に感じるのはどんなときか?」という質問に対しては、「感じたことはない」という回答は少なく、「きれいな星空を見るとき」という回答が多数で、やはり体感できるということは大事だと感じました。「知っている望遠鏡は?」という問いには、すばる望遠鏡を何人もあげてくれましたが、意外だったのがハッブル望遠鏡を知っている子が皆無だったことです。世代の差を感じます。TMTについてはこの授業でしっかり知ってもらえたものと思います。

アンケートに合わせて寄せてもらった質問にも時間の許す限り回答し、当日の質疑応答も行いました。少人数だったので、お互いリラックスして話をできたのではないかと思います。

この「ふれあい天文学」には、TMTへの寄付金を活用させていただきました。


(写真提供:日野町桜谷小学校)

TMT主鏡システムの詳細設計審査に参加

7月26日~27日にパサデナのTMT国際天文台オフィスで、主鏡システムの詳細設計審査会が行われ、TMT推進室からは、林(審査員)、大屋、山下、家の4名が参加しました。主鏡システムは、574枚の分割鏡(82枚のスペアを含む)と分割鏡支持機構からなり、その製作は、米国、インド、中国、日本の協力で進められることになります。今回の審査会では、分割鏡支持機構やその制御など、鏡以外の部分が審査されました。

TMTのパートナー機関に加え、ESO(ヨーロッパ南天天文台)、NASAのメンバーからなる審査員は、主鏡システムの設計と試作品などによる検証が大きく進展したことを確認しました。審査員として参加した林にとっては、事前のリモート会議(日本では深夜)、大量の技術資料の読破と評価文書の準備、実際に顔を合わせての真剣なやりとりなど、ものづくりを共同で進める上での理解を深める貴重な機会になりました。それぞれに異なる経験・経歴の審査員が集まることにより、最終的にしっかりしたものになることが期待されます。今後、主鏡システムは製造段階へと移行していきます。

詳細設計審査会に参加した、TMT光学部門、システムエンジニアリング部門のメンバーと審査員チーム (写真提供:TMT国際天文台)

TMTの主鏡は492枚の分割鏡を並べて作ります。それぞれの分割鏡を支える分割鏡支持機構は、492枚があたかも1枚の鏡であるかのように機能するための装置で、鏡表面の形状を数ナノメートルの精度で制御します。(図提供:TMT国際天文台)


分割鏡制御システムの試作品。紹介しているスタッフは、TMT国際天文台の広報普及を担当していた南崎さん。 (動画提供:TMT国際天文台)

日本が製造した鏡材は、日本、米国、インド、中国で分担して研磨し、分割鏡支持機構に搭載されます。その後、全ての分割鏡は米国本土へ送られて最終調整が行われます。図右下の分割鏡の色分けは各パートナーの分担を表していて、中心から外側に向かって日本(青色、174枚)、米国(水色、230枚)、インド(黄色、86枚)、中国(ピンク、86枚)が研磨を担当します(研磨枚数はスペアも含みます)。(図提供:TMT国際天文台)

TMT国際天文台のラボを視察

7月31日に、パサデナのTMT国際天文台(TIO)本部から東へ車で約20分の距離にあるモンロビアのラボを、TIO評議員会メンバーが訪れ、主鏡分割鏡試験の進行状況を視察しました。ラボには、日本で試作した主鏡セルの部分試作トラスがテストベッドとして設置され、最初の主鏡分割鏡支持機構が据え付けられています。

分割鏡の位置調整のアクチュエーターや、曲げモーメントをかけるためのバネ機構、隣の分割鏡との位置を確認するためのエッジセンサーの取り付け機構などを見ることができます。

分割鏡の位置調整のアクチュエーターや、曲げモーメントをかけるためのバネ機構、隣の分割鏡との位置を確認するためのエッジセンサーの取り付け機構などを見ることができます。

テストベッドとなっている主鏡セル試作品は、直径30mの主鏡を支えるセル全体の内、この模式図の台形(赤線)部分に相当します。(図提供:三菱電機株式会社)

主鏡はまだクリアセラム製のガラスではなく、重量が同じの金属ですが、やがては実際の主鏡分割鏡を最大9枚までこのテストベッドに配置し、レーザートラッカーを用いた計測での位置調整や、エッジセンサーでの隣の分割鏡との位相合わせを行う手順、主鏡分割鏡交換作業方法の検証など様々な試験・検証が行われる予定です。

主鏡はまだクリアセラム製のガラスではなく、重量が同じの金属ですが、やがては実際の主鏡分割鏡を最大9枚までこのテストベッドに配置し、レーザートラッカーを用いた計測での位置調整や、エッジセンサーでの隣の分割鏡との位相合わせを行う手順、主鏡分割鏡交換作業方法の検証など様々な試験・検証が行われる予定です。

ほかにも実験室では主鏡分割鏡に用いる一万個に及ぶバネ機構の耐久試験の様子や、すばる望遠鏡でも用いられている主鏡面のダスト除去のためのドライアイスクリーニングシステムに使用される噴出ノズルの開発状況も見学しました。

ほかにも実験室では主鏡分割鏡に用いる一万個に及ぶバネ機構の耐久試験の様子や、すばる望遠鏡でも用いられている主鏡面のダスト除去のためのドライアイスクリーニングシステムに使用される噴出ノズルの開発状況も見学しました。

 

(写真提供:TMT国際天文台)
(Photo courtesy of TMT International Observatory)