計測自動制御学会 SICEWEEKでTMTについて講演

9月12日、大阪電気通信大学で開催された計測自動制御学会のイベント SICEWEEKで、TMTとそこで使われる技術についての講演を行いました。DSC_6708wDSC_6716w
高見英樹教授は、「TMTがもたらすイメージング技術の革新」と題して、補償光学や分割鏡制御による大口径望遠鏡の実現など、TMTの技術面について紹介しました。講演後には、補償光学について制御をはじめ技術関係の研究者からも多くのコンタクトがあり、​活発な​​議論が行われました。

青木和光准教授は、「現在の天文学の課題とTMT」という題で、TMTによって期待される科学研究や、国際協力による計画の推進について紹介しました。講演後の参加者との話のなかでは、大学での技術関係の教育に天文学や望遠鏡に関係する技術もとり入れてもらうなど、今後の可能性についても議論することができました。

会場では、TMTの新しい模型(150分の1サイズ、可動式)も初めて披露されました。午後には望遠鏡づくりの体験教室も開催されていました。DSC_6760w

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新しいTMT模型が完成

TMTの1/100スケールの模型は国立天文台三鷹キャンパスの展示室に置かれていますが、外部の企画展への貸出で不在になることもしばしばでした。そこで、今回、新しい模型を制作しました。

新しい模型は一回り小さい 1/150スケールです。1/100模型とそっくりですが、よく見ると違いもあります。どこだか分かるでしょうか?

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1/150模型。望遠鏡本体の構造が見えやすいようにドームの一部を透明化しています。

違いの一つは、ドームシャッターの構造がついていること。写真でドームの上部に見えている丸い蓋とフレームを合わせた構造です。1/100模型ではシャッ ター構造が省かれていたため、ドームは開きっぱなしと誤解されることも。もちろん、大切な望遠鏡や観測装置を守るため、観測時以外はドームは閉じられています。TMTではシャッター構造がドーム上部(キャップ部分)と独立に180度回転することによって、ドームの開閉が行われます(下図)。

ドーム構造の概略図

ドーム構造の概略図。下の二つは見やすくするため、ドームキャップ(帽子型構造)が省略されています。

新しい模型は、早速活躍しています。「宇宙を見上げる、様々な目」という企画で、8月29日まで神奈川大学横浜図書館に展示されていますので、機会があればぜひご覧下さい。

第3回サイエンスフォーラム開催報告

6月23日から25日に、米国ワシントンDCにて、第3回サイエンスフォーラムが開催されました。

TMTは、米国国立科学財団 (NSF)の支援を受け、一昨年からこの会議を毎年開催しています。この会議の主目的は、今後米国が国としてTMTに参加することを視野に、全米の研究者 がTMTでどのように研究協力を行っていくのか検討することにあります。しかし同時に、米国以外のメンバー国からも参加をえて、幅広くTMTによる科学研究を検討する機会にもなっています。

今年は、全体セッションで各分野の最近の成果とTMTで期待される研究の講演のほか、ハッブル宇宙望遠鏡やヨーロッパ南天天文台の観測プログラムの採択・観測時間の割り当てシステムの紹介、SDSSなどでのデータベースやアーカイブ利用についての報告など、多彩な講演がありました。日本からは、TMT推進室の青木和光准教授が銀河系の星の研究に関するレビュー講演を行いました。

また今回は、TMTで国の枠を超えて行う大型の観測計画(キープログラム)をどのように組んでいくのか、検討するのがテーマのひとつでした。実際、フォーラムの2日目には、研究分野ごとに分かれて検討会を開催し、3日目に各分野から検討結果の報告が行われました。太陽系外惑星分野を代表しての報告は、国立天文台の 成田憲保特任助教が行いました。

TMTの完成までにまだ時間があるため、キープログラムの現実的な策定には難しさを伴いますが、実際にキー プログラムの枠組みを作るには、分野や国の枠をこえての共通理解が必要で、準備に時間がかかるのも事実です。今回はその練習という位置づけですが、今後の検討に必ず役立つものと思われます。またなにより、それぞれの分野で精選した研究テーマが報告されるので、分野外の人にとってもよい勉強になりました。

ワシントンは暑い時期にもかかわらず、冷房のために会場が寒いのには閉口しましたが、それに負けない活発な議論が行われました。IMG_3768_web

追記: 国立天文台ニュース6月号で国際的な科学検討チームの活動が紹介されていますので、合わせてご覧下さい。

上田市のサイエンスカフェで講演

5月23日に、長野県上田市マルチメディア情報センターで行なわれたサイエンスカフェで「宇宙の果てに挑む!〜TMT次世代超大型望遠鏡のお話〜」と題して臼田が講演を行ないました。講演会に49名ご参加いただきました。

講演会の前には、CDを使った分光器の工作教室が行なわれ、親子で分光について学んでいただきました。光を色別にわけて「虹」を見るという体験の中で、天文学の研究とのつながりについてもご紹介しました。TMTを使えば、太陽系外惑星の大気に酸素があることを調べられると言うことを分かってもらえたのではないかと思います。
DSC_00521_web上田市は臼田の出身地です。地元での講演は2008年以来で、高校の同級生や後輩も遊びに来てもらいました。